犬猫の口腔細菌叢(口腔内フローラ)の研究を開始~犬猫の歯周病と歯周病による全身疾患への影響を調査~

犬猫の口腔細菌叢(口腔内フローラ)の研究を開始~犬猫の歯周病と歯周病による全身疾患への影響を調査~

総合的な菌ケアサービスを展開する株式会社KINS(代表取締役社長:下川穣、本社:東京都目黒区、以下KINS)の犬猫のためのブランドKINS WITHは、犬猫における歯周病の原因、及び歯周病による全身疾患への影響を明らかにすることを目的に、KINSが運営する動物病院で採取した犬猫の口腔細菌叢(以下、口腔内フローラ)の研究(以下、本研究)を開始いたします。

背景

近年のヒトの各種研究では、マイクロバイオーム(体に共生する細菌叢などの総称)が体調管理や健康、疾患に密接に関わりがあることが明らかになっております。
例として、口腔内の歯周病菌が引き起こす慢性炎症反応は、アルツハイマー病の発症に重要な意味を持っていることが報告されています(Maitre et al. 2021; Li et al. 2022; Jungbauer et al. 2022)。
口腔内の歯周病菌が出す毒素によって歯肉炎などの炎症が起こり、その炎症物質が血液を通じて脳に届くことで脳炎症を誘発し、アルツハイマー病のリスクを高めている可能性が考えられます。また、歯周病の悪化因子のジンジバリスが関節リウマチ、心血管疾患、神経変性疾患など、さまざまな全身疾患の発症に影響を与えることが報告されています(Fiorillo et al. 2019)。

例示の口腔内フローラと疾患の関係は、ヒトだけではなく犬猫などの動物も同様だと考えられ、アトピーとの関連が指摘されているものの(Uchiyama et al. 2022)、現状はヒト以上にその関係は明らかになっていません。
また、ヒトと犬の口腔内フローラを構成する細菌に大きな違いがあることが知られており、犬・猫に適した長期的で戦略的な予防法や治療法が望まれています(Santibáñez et al. 2021; Enlund et al. 2020)。

本研究では、スワブなどによる非侵襲性検体採取によってPCR検査や網羅解析などを実施し、犬猫の歯周病の原因、さらには全身疾患と口腔内フローラの関係を解明してまいります。
また、①検査→②製品開発→③動物病院での臨床→④データ収集→⑤既製品の改善や新製品開発のスキームを確立することで、将来的にはデンタルケア製品やサプリメントに限らず、創薬などのソリューション開発を追及いたします。

研究のきっかけ

KINS WITH 動物病院の開院以降、専門歯科での診療を通じて歯周病に悩まされる多くの犬猫に出会い、70匹以上の口腔内フローラ検体のご協力をいただきました。
同時に、『家族である動物たちとお互いに健康でより長く一緒にいたい』という強い想いを持った多くの飼い主の方々とも出会い、医療や介護ケアの力を借りなくても動物たちが健康に過ごすことができる『健康寿命を伸ばしてあげたい』という想いがより一層強くなってまいりました。
一般的に、3歳以上の犬の80%以上が歯周病を患っていると言われており、高齢になるにしたがって歯周病の発症率は高くなります(Stella et al. 2018; Marshall et al. 2014)。

ヒトと同様に、犬も口腔内フローラと疾患に密接な関係がある場合、歯周病が『健康寿命』に影響している可能性があり、口腔ケアが非常に重要であると考えられます。
本研究によって、歯周病の原因、及び歯周病による全身疾患への影響を明らかにすることで、獣医学が一歩前に進み、1日でも長く動物たちの『健康寿命』を伸ばせられるようになることを願い、取り組みを開始してまいります。

KINS WITH

KINS WITHは2021年8月よりスタートした菌ケアのプロであるKINSが獣医師と共同で開発した、ペットのためのトータルケアサービスです。
腸内フローラの状態がわかる検査キット、サプリメントとフレーバー、コンシェルジュによるアドバイスなど、菌ケア発想によるプロダクトやサービスを提供しています。
ヒトと同様 、イヌやネコにもおよそ1000兆もの菌が生きており、その健 康を支えてくれています。
腸内細菌のバランスが、免疫力や皮膚、肥満、精神面などに影響することがわかっているのです。
つまり、健康な心とからだのバランスを保つためには、腸内環境を整えることが重要といえます。
大切な愛犬愛猫が毎日を健やかに、お客さまと一緒に幸せに過ごせるよう、菌ケアでしっかりとサポートしていきます。
Instagram:@kinswith_dogs @kinswith_cats

KINS WITH 動物病院

東京・二子玉川に2022年08月08日開院。「常在菌から診る動物病院」をコンセプトに、愛犬・愛猫がいつまでも健康で共にしあわせに過ごせるように「根本から」健康を保つことを考え、体質や環境、そしてマイクロバイオームという獣医学分野で画期的なアプローチを取り入れた動物病院です。
犬猫の健康寿命にとって大切な細菌叢である歯科の診療に特に力を入れており、歯科を専門とする獣医によ
る診療をはじめ、肉眼では見えない顎の中の状態・歯根の状態を評価できる歯科レントゲン、都内でも導入件数が少ない高性能顕微鏡(マイクロスコープ)による治療が可能です。
HP:https://yourkins.com/shop/pages/with
Instagram:@clinic_kinswith

院長(一般診療/ 歯科)岡田 純一
KINS WITH 動物病院 院長
日本大学大学院 獣医学研究科所属都内動物病院や動物医
療センターにて約7 年、歯科治療・一般臨床を行う。

株式会社KINS

KINSは、美と健康を司る1000兆個と言われる全身の菌(常在菌)をケアすることを提案し、研究・開発・販売までを一気通貫して行う、マイクロバイオームに特化したヘルスケア企業です。
商品の販売を通して、より多くの人々に菌ケアという概念を伝えていくことで、対処療法から根本治療へと導き、「将来的には慢性疾患を根本的に解決する」という思いの元、株式会社KINSを創業しました。
創業1年足らずで、自社ラボを構え、ユーザー様から提供いただいた皮膚、頭皮や腸内の常在菌データを分析し、様々な製品の開発を行ってきました。さらに最近では、これらデータを活用した研究機関との提携及び自社知財の創設を加速しております。人に限らず、犬猫も同様に動物病院事業を中心に診療・研究・開発・販売を行っていきます。
さらに、日本国内に留まらず、シンガポール・台湾など成長の著しいアジアの複数国で事業展開を予定してます。
2023年(予定)にはシンガポールにて皮膚科クリニックを開業いたします。
KINSはこれからも、“菌ケアすることが当たり前である世の中”の実現を目指します。

設立  :2018年12月
代表者 :下川 穣
本社  :東京都目黒区

事業内容:

【KINS】人向け事業
■サプリメント・化粧品の開発・製造・販売(日本・台湾・シンガポール)
■ヒトマイクロバイオーム研究(皮膚・頭皮・腸内)
■皮膚科クリニック(2023年7 月シンガポール開院予定)

【KINS WITH】犬猫向け事業
■サプリメント・デンタル商品の開発・製造・販売(日本)
■動物病院クリニック【歯科、皮膚科、一般診療】(日本)
■犬猫マイクロバイオーム研究(口腔)
企業 HP: https://yourkins.com/ 
Instagram:KINS @yourkins_official

KINS代表取締役社長 菌ケア専門家 下川穣(しもかわゆたか)
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本屈指の最先端チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。
nstagram :@yutaka411985