掲載日 | 2024.03.23
更新日 | 2024.07.17

インナードライ肌(混合肌)をなおす!
ベタベタ&乾燥を両方改善する方法

掲載日 | 2024.03.23
更新日 | 2024.07.17

更新情報

・2024/07/17
「インナードライ肌のおすすめメイク直し方法」の情報を追加しました。

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インナードライ肌に悩む方は多いですが、その原因や適切な対策方法を理解している方は意外と少ないもの。

インナードライ肌とは、外見上は皮脂でテカっているにも関わらず、肌内部は水分不足に陥っている状態を指します。乾燥しているのにお肌の表面はテカりがあり、どのようなスキンケアをしていいか迷ってしまいますよね。

この記事では、インナードライ肌の原因を深掘りし、その見分け方から効果的な改善方法までを詳しく解説していきます。

インナードライ肌のよくある悩み

インナードライ肌のよくある悩み

インナードライ肌さんに多いよくある悩みとしては下記のようなものが挙げられます。

乾燥肌と脂性肌が混在し、どのようなスキンケアをすればいいかわからない

インナードライ肌は、内部の乾燥と表面の皮脂過剰という相反する症状が混在するため、適切なスキンケアを選ぶのが難しいという悩みが一般的です。内部の水分が不足しているにも関わらず、外見上は皮脂によるベタつきがあり、どちらの肌に合わせてスキンケアをしたらいいか分からない、という悩みがよく挙げられます。

乾燥する部分に合わせて保湿を重視すれば、皮脂が多い部分がよけいにベタベタし、今度は皮脂が多い部分に合わせてさっぱりしたスキンケアをすれば、乾燥する部分ば悪化する、ということが起きます。

部分的に乾燥したり皮脂が出て、メイクが崩れやすい

部分的に乾燥たり皮脂が出て、メイクが崩れやすい

インナードライ肌の方がメイク時に直面する一般的な問題は、部分的な乾燥と皮脂の過剰分泌によるメイク崩れです。この肌状態では、乾燥した部分では粉吹きやメイクの密着不良が、皮脂が多い部分ではメイクの滑りやテカリが起こりやすくなります。

特に冬場の空気が乾燥する時期や、夏場のエアコンで乾燥する時期は、乾燥している部分がより悪化しやすいです。
逆に、梅雨の時期などはべたつきやすいので、皮脂が多い部分がよりメイク崩れを起こしやすいです。

どちらの部分に合わせてメイク用品を選ぶのがいいか分からず、メイクが難しく感じるという悩みを抱えやすいです。

インナードライ肌と脂性肌の見分け方が分からない

インナードライ肌と脂性肌の区別は、特に皮脂の分泌が多い方にとって判断が難しい問題です。

インナードライ肌:お肌の水分量が少なく、皮脂量が多い
脂性肌:水分量は普通~多い、皮脂量が多い

それぞれのお肌はこのような違いがあり、大きな差は水分量が少ないか、適量か、ということです。
しかし、お肌の表面はどちらも皮脂でべたついているため、水分量がどうなっているかは分かりにくい、という悩みが発生しやすいです。

毛穴の開きや詰まりなど、毛穴トラブルも気になる

毛穴の開きや詰まりなど、毛穴トラブルも気になる

インナードライ肌は、肌の内部が乾燥している状態です。この状態では、肌の自然なターンオーバーも乱れがちになります。ターンオーバーとは、肌の細胞が新しく生まれ変わるプロセスのことで、通常は約28日の周期で行われます。しかし、肌が乾燥していると、このプロセスが正常に機能しなくなり、古い角質が肌表面に留まりやすくなります。

ターンオーバーの乱れによって古い角質が肌表面に蓄積すると、毛穴が詰まりやすくなり、さまざまな毛穴トラブルの原因となります。また、部分的に起こる皮脂の過剰分泌は、毛穴をさらに詰まらせるだけでなく、肌表面のベタつきを引き起こし、毛穴の開きや目立ちも悪化させる可能性があります。

インナードライ肌が起きる原因

インナードライ肌が起きる原因

インナードライ肌が起きる原因として、お肌が乾燥している、ということが挙げられます。

全ては乾燥がトラブルの根源

インナードライ肌の根本的な原因は実際に乾燥にあります。

乾燥が進むと、肌はこの状態を補おうとして皮脂の分泌を活発にします。

通常、皮脂は肌を保護し、外部の刺激から守る役割がありますが、分泌が過剰になると肌表面がベタつき、毛穴の詰まりや肌荒れの原因となります。このように、皮脂の過剰分泌も乾燥が引き起こす結果の一つと考えられます​​。

内側の乾燥によってバリア機能が低下すると、肌の水分が外部に蒸発しやすくなり、さらに乾燥が進む悪循環に陥ります。このため、インナードライ肌のケアでは、単に表面を潤すだけでなく、肌の内部から潤いを補い、保持することが重要です。

皮脂腺が多いTゾーンがベタベタしやすい

インナードライ肌の原因は乾燥ですが、お肌が乾燥した時に、皮脂が出てベタベタするのと、乾燥したままな部分があるのはなぜでしょうか。それは、お顔のエリアによって皮脂腺の量が違うということが関係しています。

お顔の中でも、特にTゾーン(おでこ、鼻、あご)は皮脂腺が活発であるため、この部分がべたつきやすいという特徴があります。皮脂腺は体の中でも特に顔のTゾーンに多く存在し、皮脂の分泌が盛んです。そのため、インナードライ肌では特に、このTゾーンがべたつきやすいです。
逆に、頬などのUゾーンと呼ばれるエリアは、皮脂腺が少ないので、皮脂が出にくく、乾燥したら乾燥したままになりやすいです。

そのため、原因は同じ「乾燥」であっても、お顔の中で乾燥している部分と皮脂でベタベタする部分が出てきます。

保湿に力を入れることは解決策にならない

インナードライ肌の改善には、ただひたすらに保湿をするだけでは根本的な解決にはなりません。特に、保湿の種類によっては、かえって肌のべたつきを悪化させてしまう可能性があります。肌のべたつきが増すと、不快感だけでなく、肌トラブルの原因ともなり得ます。

インナードライ肌の改善には、お肌を乾燥させないような習慣が大切です。

インナードライ肌の根本的な解決は乾燥予防対策

インナードライ肌の根本的な解決は乾燥予防対策

インナードライ肌を根本的に解決していくには、お肌を乾燥させないということが大切です。

お肌を乾燥させない→皮脂過剰も抑える

お肌が乾燥する時、お肌を保湿することも効果的ですが、まずはお肌を乾燥させないように習慣を見直すことが1番重要です。

お肌を乾燥させないようにすれば、自然と皮脂が過剰に分泌されることもなく、必要以上に保湿剤を塗る必要もありません。

お肌を乾燥させないためには、まずはクレンジングの見直しが効果的です。何気なく選んでいるクレンジングが、お肌の潤いを奪って、乾燥肌を招いているかもしれません。

まずはクレンジングを見直そう

まずはクレンジングを見直そう

メイクの汚れや皮脂の汚れを落とすために必要なクレンジングですが、もしかしたらお肌に負担をかけているかもしれません。

ミネラルオイルベースのクレンジングをやめる

ミネラルオイルをベースにしたクレンジング製品は、その低コストから市場に広く出回っています。しかし、これらの製品は脱脂力が強いことが知られています。この強い脱脂力によって、肌から必要な潤いや皮脂まで奪い取ってしまう可能性があります。肌の必要な潤いが奪われると、肌はその失われた水分を補おうとして、皮脂の過剰な分泌を引き起こすことがあります。これが、インナードライ肌の状態をさらに悪化させる一因になり得るのです。

おすすめなのは、植物性のオイルをベースにしたクレンジングです。植物性のオイルはお肌に優しく、ソフトに皮脂やメイク汚れと馴染みます。お肌を乾燥させないためには、ミネラルオイルよりも植物性のオイルをベースにしたクレンジングを選ぶようにしましょう。

合成界面活性剤を使用したクレンジングをやめる

合成界面活性剤を含むクレンジング製品は、その強い洗浄力により、肌に必要な潤いを奪い、時には肌のたんぱく質を分解してしまうことがあります。この過程で、肌にとって重要な細胞や成分も洗い流される可能性があり、結果として肌の乾燥だけでなくバリア機能も低下します。

肌のバリア機能は、外部刺激から肌を保護し、適切な水分量を維持するために重要です。バリア機能が低下すると、肌は外部からの刺激に対して脆弱になり、さまざまな肌トラブルのリスクが高まります。例えば、紫外線や汚染物質、アレルゲンなどの刺激が肌にダメージを与えやすくなり、敏感肌、赤み、炎症、かゆみなどの問題が生じやすくなります。また、バリア機能の低下は、肌の乾燥をさらに促進し、インナードライ肌の状態を悪化させることがあります。

インナードライ肌を根本的に改善していくためには、天然由来の界面活性剤を使用したクレンジングがおすすめです。

お肌本来の潤う力を取り戻そう

お肌本来の潤う力を取り戻そう

お肌の乾燥を奪うことをストップするだけでなく、お肌本来が潤う力を取り戻すことで、インナードライ肌はさらに改善されます。

美肌菌を育てて潤い成分を生成する

美肌菌、または皮膚常在菌は、私たちの肌に自然に存在し、健康的な肌環境を維持するために重要な役割を果たしています。これらの微生物は、汗や皮脂などの自然な分泌物をエサにして生息し、その代謝過程でグリセリンや脂肪酸などの潤い成分を生成します。これらの成分は肌の保湿に寄与し、肌表面のpHバランスを整えることで、肌の健康をサポートします。

美肌菌を育て、健康的な肌の微生物叢(マイクロバイオーム)を維持することは、肌の自然な潤いを保つ上で非常に有効です。肌が適切に潤っていると、乾燥による肌のバリア機能の低下を防ぎ、インナードライ肌の症状を改善することに役立ちます。バリア機能が強化されると、肌は外部からの刺激に対してより強くなり、インナードライ肌をはじめ、さまざまな肌トラブルを防ぐことができます。

豆乳発酵成分を取り入れる

豆乳発酵成分に含まれるプロバイオティクスやポストバイオティクスなどの成分は、肌の常在菌、特に美肌菌をサポートし、育てるのに役立つとされています。豆乳発酵成分が肌のマイクロバイオームのバランスを整えることで、肌の自然な潤いを保つ力をサポートし、肌本来が持つ保湿機能を強化することが期待されます。

美肌菌が健康に保たれると、肌のバリア機能が正常に機能し、外部の刺激や乾燥から肌を守ることができます。また、美肌菌は肌のpHバランスを維持するのにも重要な役割を果たし、健康的な肌環境を作り出します。豆乳発酵成分は、このような肌の自然な生態系をサポートし、肌本来の潤いを取り戻す手助けをすると考えられています。

セラミドやコラーゲンを取り入れる

セラミドとコラーゲンは、肌に元々存在する重要な成分であり、肌の保湿と弾力を保つのに役立ちます。

セラミドは、肌の最外層である角質層に存在し、肌細胞間を埋めるリピッド(脂質)の一種です。セラミドは肌の保水機能を支え、外部からの刺激物質の侵入を防ぐバリア機能を有しています。セラミドが不足すると肌の乾燥や敏感肌、肌荒れの原因となるため、セラミドを含むスキンケア製品の使用は肌の潤いを保ち、肌荒れを防ぐのに役立ちます。

コラーゲンは、肌の真皮層を構成する主要なタンパク質で、肌の弾力と潤いを支えます。加齢や外的要因によりコラーゲンの生成が減少すると、肌のハリや弾力が失われ、しわやたるみの原因となります。

これらの成分は肌に自然に存在し、肌に優しいため、敏感肌や乾燥肌の方にも適しています。

インナードライ肌が悪化するNG習慣

インナードライ肌が悪化するNG習慣

ここまでで、インナードライ肌は乾燥を防ぐことが大切、ということをお伝えしてきましたが、おさらいとして、インナードライ肌を悪化させるNG習慣もご紹介しておきます。

収れん化粧水を使う

インナードライ肌の場合、表面的には皮脂が多く見られるため、この皮脂を抑えようと収れん化粧水を使用することがあります。収れん化粧水には、皮脂の分泌を抑え、毛穴を引き締める効果が期待されます。しかし、インナードライ肌の根本的な問題は表面の皮脂の過剰ではなく、肌の内部の乾燥にあります。

収れん化粧水の多くは、アルコールや収れん成分を含むことが多く、これらの成分は皮脂を取り除くだけでなく、肌の表面の水分も奪うことがあります。特にアルコールを含む収れん化粧水は、肌の水分を蒸発させやすく、肌の乾燥を促進させる可能性があります。結果として、表面の皮脂は減少するかもしれませんが、肌の内部の乾燥はさらに悪化し、インナードライ肌の状態を加速させることになります。

皮脂をしっかり洗い流すクレンジングや洗顔を使う

インナードライ肌で、皮脂のべたつきが気になって、脱脂力の強いクレンジングや洗顔を使うことがあります。しかし、これはインナードライ肌の状態を悪化させる可能性があります。

脱脂力の強いクレンジングや洗顔は、肌の表面の皮脂だけでなく、肌に必要な自然な保湿成分まで取り除いてしまいます。これにより、肌の乾燥がさらに進み、肌のバリア機能が低下します。

肌の乾燥が進むと、肌はその乾燥を補おうとしてさらに皮脂を過剰に分泌することがあり、インナードライ肌の悪循環が生じます。このため、インナードライ肌のケアには、脱脂力の強い製品の使用を避け、肌の乾燥を防ぎ、潤いを保つことに焦点を当てた製品の選択が重要です。

インナードライ肌のおすすめメイク直し方法

インナードライ肌のおすすめメイク直し方法

インナードライ肌の人は、お肌の中は乾燥していますが、表面には皮脂が出やすい状態なので、メイク崩れが気になる人も多いです。
部分的に皮脂が出るのに、お肌の中や口元などは乾燥している状態であることが多いですが、そんなインナードライ肌の人はどのようにメイク直しをしたらいいのでしょうか。

皮脂をやさしくオフする

メイク直しの前に、皮脂や汗をやさしくオフします。おすすめは、あぶら取り紙ではなく保湿タイプの柔らかいティッシュを軽くお肌にあてる方法です。

あぶら取り紙はNG

インナードライ肌に悩む方が避けるべき習慣の一つに、あぶら取り紙の使用があります。このアイテムは、表面に浮いた油を取り除くための便利な道具ですが、実はインナードライ肌をさらに悪化させる原因となることがあります。

あぶら取り紙は、肌の表面にある皮脂を取り除く効果があります。しかし、これにより肌が乾燥状態にあると誤認し、さらに皮脂を分泌しようとすることがあるのです。結果として、表面は油っぽくなりやすく、内部は乾燥したままという悪循環が生まれます。

皮脂が気になる場合、皮脂を取り過ぎないよう、柔らかいティッシュを使って軽く押さえるようにして皮脂を吸い取りましょう。

ミスト化粧水で保湿する

皮脂をオフした後、保湿ミストを顔全体にスプレーし、手で軽く押さえて浸透させます。これにより、乾燥を防ぎつつ、肌をリフレッシュさせます​。
乾燥が気になるところは重点的にスプレーをあてて保湿するのがおすすめです。

化粧下地やBBクリームを使用

ファンデーションが剥がれてしまった場合、化粧下地やBBクリームを使うと良いです。部分的に重ねて使うことで、カサカサした部分をカバーしつつ、テカリも抑えることができます。
もし気になる箇所があればコンシーラーを使用してもいいですし、特にない場合はこの工程は省いてください。

軽めのパウダーを使用

パウダーを使う際は、薄く軽めに付けることが大切です。厚塗りすると乾燥を悪化させる可能性があるので、ふんわりとした仕上がりになるようにします。

パウダーには、皮脂吸収効果のあるタイプのものもありますが、こちらもあぶら取り紙と同様、お肌の乾燥を加速させてしまい、インナードライ肌が悪化する原因になります。
UVカット効果やノーマルタイプのパウダーがおすすめです。

乾燥を予防して、インナードライ肌を改善しよう

乾燥を予防して、インナードライ肌を改善しよう

インナードライ肌の主な原因は肌の内部乾燥にあります。表面は皮脂でベタつくものの、その下の層では水分不足による乾燥が進行しています。

この状態を改善するためには、日常のクレンジングや洗顔の見直しが必須です。脱脂力が強い製品の使用は避け、肌に優しいマイルドな成分を含むクレンジングや洗顔料を選びましょう。

洗顔後は迅速に保湿を行い、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分を豊富に含むスキンケア製品で肌をケアすることが重要です。適切なスキンケアによって肌の内部から潤いを補給し、インナードライ肌を根本から改善していくことができます。肌の乾燥を防ぎ、健康的な肌を取り戻すための第一歩として、まずはクレンジングと洗顔から見直してみましょう。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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