掲載日 | 2024.06.14
更新日 | 2024.06.14

生理後も腹痛が続く…チクチク腹痛は病気のサイン?

掲載日 | 2024.06.14
更新日 | 2024.06.14
生理が終わった後にも腹痛が続くことがあります。
この症状は多くの女性にとって不安を感じさせるものですが、その原因は様々です。

例えば、ホルモンの変動、ストレス、食事の影響などが考えられます。

しかし、持続する腹痛は場合によっては深刻な健康問題のサインであることもあります。
子宮内膜症や卵巣の異常、感染症など、専門的な治療が必要な場合もあるため、適切な対応が求められます。

この記事では、生理後の腹痛の一般的な原因や病院に行くべきタイミングについて詳しく解説します。女性の健康を守るために、正しい情報と対策を知っておきましょう。

生理痛の種類

生理痛の種類

生理痛は、多くの女性が経験する一般的な症状ですが、その痛みの程度や原因は人それぞれです。

生理痛には、大きく分けて原発性月経困難症と続発性月経困難症の2種類があります。
これらの違いやそれぞれの特徴を理解することで、適切な対処法を見つけやすくなります。

原発性月経困難症

原発性月経困難症とは、生理が始まった時期から続く生理痛を指します。

このタイプの生理痛は、生理が始まる直前から始まり、通常2~3日間続くことが多いです。
原因は明確に特定されていないことが多いですが、主にプロスタグランジンというホルモンの影響で子宮が強く収縮することが関係しています。この収縮が、下腹部や腰に強い痛みを引き起こします。

原発性月経困難症の症状は多岐にわたります。最も一般的なのは、下腹部の激しい痛みやけいれんです。
また、腰痛や頭痛、吐き気、さらには嘔吐を伴うこともあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたすほど強いことがあり、学校や仕事を休まざるを得ない場合もあります。

さらに、原発性月経困難症に悩む女性たちは、月経のたびに痛みに対する不安やストレスを感じることが多いです。
このような精神的な負担も、痛みを増幅させる一因となります。また、痛みの強さが年齢や体調によって変動するため、毎回異なる対処法が必要となることもあります。

原発性月経困難症の痛みや不快感は、思春期から始まり、特に若い女性に多く見られます。
しかし、加齢とともに症状が軽減する場合もあります。多くの女性が経験するものではありますが、その痛みの程度や頻度には個人差があります。

続発性月経困難症

続発性月経困難症

続発性月経困難症とは、通常は生理痛を経験していなかった女性が、ある時期から急に強い生理痛を感じるようになる状態を指します。

一般的に、このタイプの生理痛は、成人期や中年期以降に発症することが多いです。
続発性月経困難症の主な原因は、子宮や骨盤内の異常や疾患に起因するものが多く、原発性月経困難症とは異なる根本的な問題を含んでいます。

続発性月経困難症の症状は、原発性月経困難症と似ていますが、痛みの強度や持続時間が異なることがあります。
例えば、下腹部の強い痛みや圧迫感が持続することがあり、腰痛や腹部の張りを感じることもあります。

また、痛みが生理周期全体にわたって続く場合もあり、月経以外の時期にも不快感を覚えることがあります。

続発性月経困難症が起きる原因

続発性月経困難症が起きる原因

続発性月経困難症は、成人期や中年期以降に突然発症することが多く、その原因は子宮や骨盤内の異常や疾患に関連していることが多いです。
これらの原因を理解することで、適切な診断と治療を受けるための手がかりを得ることができます。

子宮内膜症

子宮内膜症は、子宮内膜に似た組織が子宮の外側に異常に増殖する疾患です。この組織は、卵巣、卵管、骨盤内の他の部分に発生することがあり、生理のたびに出血を引き起こします。

子宮内膜症の増殖する組織は、生理周期に伴って出血し、炎症や癒着を引き起こすことがあります。この結果、以下のような腹痛を感じることがあります。

まず、子宮内膜症の組織が出血することで、周囲の組織や臓器に炎症が起こります。これが下腹部に強い痛みを引き起こします。

また、癒着と呼ばれる組織が互いにくっつく現象が生じることがあり、これも痛みを増幅させます。

さらに、これらの痛みは生理の前後や排卵時にも感じることがあり、月経期間外でも不快感や痛みを伴うことがあります。

加えて、子宮内膜症の影響で生じる炎症や癒着は、消化器系や泌尿器系にも影響を及ぼすことがあり、排便時や排尿時に痛みを感じることもあります。

これらの痛みは、日常生活に支障をきたすことが多く、持続的な痛みが続く場合は、生活の質を大きく損なう原因となります。

子宮筋腫

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉層に発生する良性の腫瘍です。これは非常に一般的な疾患であり、特に30代から40代の女性に多く見られます。

子宮筋腫が原因で続発性月経困難症が起きることがあり、これによって腹痛を引き起こすメカニズムはさまざまです。

まず、子宮筋腫の存在自体が子宮の形状や大きさを変えるため、子宮が収縮する際に通常よりも強い痛みを感じることがあります。
特に、生理中は子宮が経血を排出するために強く収縮するため、子宮筋腫がある場合、その収縮が痛みを引き起こしやすくなります。

また、子宮筋腫の位置や大きさによっては、周囲の臓器や神経を圧迫することがあります。
これが原因で、下腹部に持続的な痛みや圧迫感を感じることがあります。特に、大きな子宮筋腫が膀胱や直腸を圧迫すると、排尿や排便時に痛みを感じることもあります。

さらに、子宮筋腫は月経量を増加させることが多く、大量の経血が原因で貧血や疲労感を引き起こすことがあります。これに伴う体力低下やストレスが、腹痛をさらに悪化させる要因となることもあります。

子宮腺筋症

子宮腺筋症

子宮腺筋症は、子宮内膜組織が子宮筋層内に侵入することで引き起こされる疾患です。
この異常な内膜組織の増殖が、子宮全体の炎症を引き起こし、続発性月経困難症の原因となることがあります。子宮腺筋症による腹痛は、特に生理中に顕著になります。

子宮腺筋症では、侵入した内膜組織が生理周期に伴って出血しますが、この出血が子宮筋層内に留まるため、周囲の組織に炎症を引き起こします。
この炎症が激しい腹痛やけいれんを引き起こし、痛みが非常に強くなることがあります。さらに、この炎症によって子宮が腫れることがあり、持続的な圧迫感や痛みを感じることもあります。

また、子宮腺筋症により子宮が拡大することがあります。この拡大によって、他の臓器や神経に圧力がかかり、下腹部全体に不快感や痛みが広がることがあります。
特に、排尿や排便時に痛みを感じることがあり、日常生活に大きな影響を与えることがあります。

子宮腺筋症は、月経時の大量出血や長期間にわたる出血も伴うことが多く、これにより貧血や疲労感が生じることもあります。これらの症状が重なることで、体全体の健康状態が悪化し、痛みや不快感が増すことがあります。

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープ

子宮内膜ポリープは、子宮内膜にできる良性の増殖物です。これらのポリープは、子宮内膜の細胞が過剰に増殖することで形成され、通常は小さな腫瘍状の構造を持ちます。
子宮内膜ポリープが続発性月経困難症の原因となることがあり、これにより腹痛が引き起こされることがあります。

子宮内膜ポリープが存在することで、子宮内膜の正常な構造が乱れ、生理時に強い痛みを感じることがあります。
ポリープ自体が子宮内で物理的な障害となり、子宮の収縮が妨げられるため、生理中の経血の排出が困難になり、その結果として強い腹痛が生じます。特に、生理の初期段階で痛みが強くなることが多いです。

また、子宮内膜ポリープは不規則な出血を引き起こすことがあり、生理以外の時期にも出血が続くことがあります。この不規則な出血が、持続的な腹痛や下腹部の違和感を引き起こすことがあります。

さらに、ポリープが大きくなると、子宮内での圧迫感が増し、これも痛みの原因となります。

子宮内膜ポリープは、多くの場合は無症状ですが、痛みや不快感を伴う場合は、生活の質を大きく損なうことがあります。特に、出血が頻繁に起こる場合や、痛みが強い場合は、早急に医療機関での診断と治療が必要です。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫は、卵巣内に液体がたまった袋状の構造物で、良性のことが多いですが、大きくなるとさまざまな症状を引き起こします。
卵巣嚢腫が原因で続発性月経困難症が発生することがあり、その一つの主要な症状が腹痛です。

卵巣嚢腫は、嚢腫の大きさや位置によって異なる痛みを引き起こします。小さな嚢腫は無症状であることが多いですが、大きくなると卵巣が拡張し、周囲の組織や臓器を圧迫するため、下腹部の痛みや圧迫感を引き起こします。
特に、生理中や排卵時に痛みが強くなることがあります。

また、嚢腫が破裂すると、急性の腹痛を引き起こすことがあります。破裂した際の出血や液体が腹腔内に漏れ出すことで、強い痛みや炎症を引き起こし、緊急の医療対応が必要になることがあります。

さらに、卵巣嚢腫が茎捻転(嚢腫が回転して血流が遮断される状態)を引き起こすこともあり、これも急激な腹痛と共に緊急治療が必要です。

卵巣嚢腫の症状としては、下腹部の持続的な痛みや圧迫感、頻尿や排便困難などが挙げられます。また、嚢腫の大きさや位置により、腹部の膨満感や腰痛も引き起こすことがあります。

これらの症状が続く場合、生活の質を大きく損なうことになります。

生理の終わりかけで起きる腹痛

生理の終わりかけで起きる腹痛

生理の終わりかけに腹痛が起きることは、多くの女性にとって悩みの一つです。生理が終わりに近づくときに発生する腹痛の原因は様々で、場合によっては特定の疾患が関与していることもあります。

子宮内膜症

子宮内膜症は、生理の終わりかけに腹痛を引き起こす一般的な原因の一つです。子宮内膜に似た組織が子宮の外側に異常に増殖し、炎症や癒着を引き起こします。

これにより、生理が終わりかけの時期にも痛みを感じることがあります。子宮内膜症による痛みは、下腹部や骨盤の深部に感じることが多く、持続的な痛みやけいれんが特徴です。

子宮筋腫

子宮筋腫は、子宮の筋肉層に発生する良性の腫瘍であり、これも生理の終わりかけに腹痛を引き起こす原因となり得ます。
子宮筋腫は子宮の収縮を妨げるため、経血の排出が不完全になることがあり、この不完全な排出が腹痛を引き起こします

また、筋腫が大きくなると周囲の臓器や神経を圧迫し、持続的な痛みや不快感を引き起こします。

卵巣嚢腫

卵巣嚢腫も、生理の終わりかけに腹痛を引き起こす可能性のある原因です。
卵巣嚢腫が大きくなると、卵巣や周囲の組織を圧迫し、痛みや圧迫感を感じることがあります。

嚢腫が破裂した場合や茎捻転を引き起こした場合には、急性の強い腹痛が発生することがあります。

骨盤内炎症性疾患(PID)

骨盤内炎症性疾患(PID)は、性感染症や細菌感染による骨盤内の炎症が原因であり、生理の終わりかけに腹痛を引き起こすことがあります。
PIDによる痛みは、下腹部や骨盤全体に広がることが多く、発熱やおりものの異常を伴うことがあります。

PIDは早期に治療しないと、慢性的な痛みや不妊の原因となることがあるため、注意が必要です。

腹痛が続くときは過敏性腸症候群の可能性も

腹痛が続くときは過敏性腸症候群の可能性も

生理が終わっても腹痛が続く場合、その原因は生理に直接関連しないこともあります。特に、長期間にわたって腹痛が続く場合は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性が考えられます。

過敏性腸症候群は、腸の機能に異常がないにもかかわらず、腹痛や不快感、便通異常(下痢や便秘)が繰り返される慢性的な疾患です。この疾患は、ストレスや食生活の乱れ、腸内環境のバランスの崩れが原因となることが多いです。

過敏性腸症候群の症状は、多様で個人差がありますが、主に以下のような症状が見られます。

  • 慢性的な腹痛や腹部の不快感
  • 下痢や便秘、またはその両方が交互に起こる
  • 便に粘液が混ざることがある
  • ガスが溜まりやすい、腹部の膨満感

これらの症状が見られる場合、過敏性腸症候群の可能性を考慮し、適切な診断と治療を受けることが重要です。

腸内環境を整えよう

過敏性腸症候群の改善には、腸内環境を整えることが非常に重要です。腸内環境を整えるためには、食生活の見直しが基本となります。以下に、食生活の改善に役立つポイントを挙げます。

バランスの取れた食事
食物繊維を豊富に含む野菜や果物、全粒穀物を積極的に摂取しましょう。これらの食品は、腸内の善玉菌を増やし、腸の動きを正常化する助けになります。

発酵食品の摂取
ヨーグルトやキムチ、納豆などの発酵食品には、プロバイオティクスが含まれており、腸内フローラのバランスを整える効果があります。

水分補給
十分な水分を摂取することで、便を柔らかくし、便通を促進します。1日に1.5リットルから2リットルの水を目安に摂取しましょう。

食物繊維の摂取
水溶性と不溶性の両方の食物繊維をバランスよく摂取することが重要です。水溶性食物繊維はオートミールや大麦に多く含まれ、不溶性食物繊維は全粒穀物や野菜に多く含まれます。

サプリメントの活用
食事だけで十分な栄養を摂取できない場合、プロバイオティクスやプレバイオティクスのサプリメントを活用することも効果的です。これにより、腸内環境を整え、過敏性腸症候群の症状を緩和することができます。

食生活の改善に加えて、ストレス管理や規則正しい生活習慣も腸内環境を整えるために重要です。リラックスする時間を持ち、適度な運動を取り入れることで、腸の健康を維持しましょう。

▼過敏性腸症候群についてはこちら

病院に行く目安

病院に行く目安

生理が終わった後に腹痛が続く場合、その原因は様々です。軽度の腹痛であれば、自宅でのケアで改善することもありますが、症状が重い場合や長期間続く場合は、病院での診察を受けることが重要です。以下に、病院に行く目安となるポイントを挙げます。

強い痛みや突然の痛み

腹痛が非常に強い場合や、突然激しい痛みが生じた場合は、すぐに病院を受診することをお勧めします。

特に、痛みが耐え難いほど強い場合や、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、緊急の治療が必要な可能性があります。

長期間続く痛み

生理が終わっても1週間以上腹痛が続く場合は、病院での診察が必要です。持続的な痛みは、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫などの疾患が原因となっている可能性があります。

早期に適切な診断を受けることで、適切な治療を開始することができます。

他の症状を伴う場合

腹痛に加えて、以下のような症状が見られる場合も病院を受診する目安となります。

発熱:感染症の可能性があるため、早期の治療が必要です。
異常なおりもの:おりものの量や色、においに異常がある場合は、感染症や他の疾患が疑われます。
出血:生理以外の時期に出血がある場合や、生理の終わりかけでも大量の出血が続く場合は、病院での診察が必要です。
吐き気や嘔吐:消化器系の問題や他の深刻な疾患の可能性があります。

便通異常や排尿時の痛み

腹痛に伴って便秘や下痢が続く場合、あるいは排尿時に痛みを感じる場合も、病院での診察が必要です。これらの症状は、過敏性腸症候群や骨盤内の疾患が関与している可能性があります。

既往歴や家族歴

子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫などの婦人科疾患の既往歴がある場合や、家族に同様の疾患を持つ人がいる場合は、腹痛が続く際には早めに病院を受診することをお勧めします。遺伝的な要因が関与している可能性があるため、定期的な検診を受けることも重要です。

生理後の腹痛、気になる時は早めに対応を

病院に行く目安

生理後の腹痛が気になる場合、早めに病院を受診することが大切です。

強い痛みや長期間続く痛みは、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣嚢腫などの疾患が原因である可能性があります。早期診断と適切な治療を受けることで、症状の悪化を防ぐことができます。

また、病院で問題がないと診断された場合は、リラックスして過ごし、食生活を整えて様子を見ましょう。バランスの取れた食事や十分な水分摂取、ストレス管理が腸内環境の改善に役立ちます。

自身の体調をしっかりと管理し、健康的な生活を心掛けることで、生理後の腹痛も軽減することが期待できます。早めの対応と日常のケアで、安心して過ごせる日々を目指しましょう。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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