掲載日 | 2024.05.16
更新日 | 2024.05.16

【PMS】生理前に起きる吐き気、薬に頼らず和らげたい方へ

掲載日 | 2024.05.16
更新日 | 2024.05.16
生理前に感じる不快な症状の中でも、特に悩まされるのが「吐き気」です。意外にも多くの女性がこの症状に苦しんでおり、日常生活に大きな影響を及ぼすことがあります。

この記事では、生理前の吐き気がなぜ起こるのか、そしてそれを和らげるためのセルフケア方法や、PMS自体を予防するための改善策について詳しく解説します。

生理前に体調不良が起きる原因

生理前に体調不良が起きる原因

生理前症候群(PMS)は、生理周期に関連して起こる一連の心理的、身体的症状です。
その原因は完全には解明されていませんが、ホルモンバランスの変動が大きく関与しているとされています。

特に、エストロゲンとプロゲステロンというホルモンのレベルが急激に変化することで、体内の他の化学物質が影響を受け、PMSの症状が引き起こされると考えられています。

吐き気が起きる原因

PMSに伴う吐き気は、主に体内のホルモン変動による影響や、感情的ストレスや生活習慣の偏りによっても影響を受けることがあります。ここでは、これらの要因を詳しく見ていきます。

ホルモン変動とセロトニンの関連

生理前のホルモン変動は、特にセロトニンのシステムに直接的な影響を与えることがあります。セロトニンは消化管の動きを調節する役割も担っているため、そのバランスが崩れると消化機能に影響を与え、吐き気や胃腸の不快感を引き起こすことがあります。

さらに、セロトニンは気分や感情にも関連しており、その不均衡はPMS特有の感情的な波も引き起こすため、ストレス感度が高まりやすくなります。

プロスタグランディンの役割

生理前には、プロスタグランディンという物質が増加することも吐き気の原因となります。
プロスタグランディンは、子宮の収縮を助ける役割を持っていますが、その過剰な生成は子宮以外の部分にも影響を及ぼし、特に胃腸の平滑筋に作用して胃の動きを悪くすることがあります。

これが吐き気や下痢などの症状を引き起こす原因になることがあります。

生活習慣と感情的ストレス

不規則な食事や睡眠、運動不足などの生活習慣は、PMSの症状を悪化させることがあります。
また、仕事や人間関係のストレスが感情的なバランスを崩し、これがホルモンバランスにさらなる悪影響を与え、吐き気を引き起こすことがあります。

さらに、ストレスが高まると、自律神経のバランスも乱れ、胃腸の機能低下を招くことがあります。

吐き気はいつまで続く?

吐き気はいつまで続く?

PMS(生理前症候群)によって引き起こされる吐き気は、通常、生理周期の特定の時期に現れます。
具体的には、多くの女性が排卵後、特に生理の1週間から数日前に症状が始まることが一般的です。この時期は、体内のホルモンバランスが大きく変動し、それに伴い吐き気や他のPMSの症状が現れることがあります。

生理が始まると、多くの場合、吐き気を含むPMSの症状が落ち着くことが多いです。
これは、生理が始まることでホルモンのレベルが再び変化し、特にエストロゲンとプロゲステロンのレベルが低下するためです。

ホルモンレベルの低下は、セロトニンのバランスを正常化し、胃腸の不快感が軽減されることがあります。
また、プロスタグランディンのレベルも調整され、生理前に増加していた影響が和らぎます。

ただし、吐き気の継続期間や症状の重さには個人差があります。一部の女性では、生理が始まってもなお症状が続くことがありますし、逆に生理前よりも早い段階で症状が和らぐ場合もあります。

また、生活習慣やストレスのレベル、全体的な健康状態によっても症状の出方が異なるため、一概にすべての女性に当てはまるわけではありません。

吐き気がひどい時は月経困難症かも

吐き気がひどい時は月経困難症かも

月経困難症は、生理痛が非常に重い状態を指し、医学的には痛みだけでなく、吐き気、頭痛、下痢などの他の症状も伴うことがあります。この状態は、通常のPMSよりも症状が激しく、日常生活に著しい影響を与えることが特徴です。

生理前や生理中に吐き気がひどい場合、これは月経困難症の一症状である可能性があります。月経困難症においては、体内でプロスタグランディンという物質が過剰に生成されることが一因となります。
この物質は、子宮の収縮を強くすることで知られていますが、それによって生じる強い痛みが神経を通じて吐き気を引き起こすことがあります。

吐き気が特にひどい場合は、自己判断せずに医師の診断を受けることが重要です。
月経困難症は、適切な医療介入により症状の緩和が可能であり、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やホルモン療法などが効果的な治療として用いられます。

PMSの吐き気がひどくなりやすい理由

PMSの吐き気がひどくなりやすい理由

PMSによる吐き気の症状は人によってかなり左右されますが、症状が重くなりやすいケースの原因を見ていきましょう。

プロスタグランジンの分泌量が多い

プロスタグランジンは、体内で生成される脂質化合物で、さまざまな生理的プロセスに関与しています。特に、子宮の収縮、炎症反応の調節、痛みの感知など、生理周期において重要な役割を果たします。

プロスタグランジンのレベルが異常に高まると、生理痛が激しくなるだけでなく、吐き気や頭痛、全身のだるさなどの症状も引き起こされやすくなります。

プロスタグランジンの分泌量が多くなる理由としては、ストレスや食生活の乱れが挙げられます。特に、脂質の多い食事や、添加物などの身体に炎症が起きやすいものを多く摂ると、分泌量が多くなり、結果として吐き気の症状が重くなりやすいです。

ストレスが多い

ストレスは、身体に多くの影響を及ぼす要因の一つですが、特に女性の生理周期においては、PMS(生理前症候群)の症状を悪化させることがあります。
ストレスが多いと、体内のホルモンバランスが乱れ、これがPMSの症状を引き起こす主な要因となります。

ストレスは、コルチゾールなどのストレスホルモンの分泌を促します。これにより、エストロゲンやプロゲステロンといった性ホルモンの平衡が崩れ、PMSの症状が強く表れるようになります。
特に、吐き気はセロトニンの不均衡によって引き起こされることが多く、これがストレスによる影響を受けやすいためです。

また、ストレスが続くと、自律神経のバランスが崩れることがあります。これにより、消化器系の機能が低下し、胃腸の不快感や吐き気を感じやすくなります。

子宮の成長が未熟

特に若年層の女性に見られることですが、子宮の成長が未熟な状態だと、ホルモンバランスや生殖器官の機能に影響を与える可能性があります。

子宮が未熟な場合、生理期間中にプロスタグランジンが過剰に生成されることがあります。プロスタグランディンは子宮収縮を促すため、その過剰な分泌は強い生理痛を引き起こすだけでなく、吐き気や頭痛といった他のPMSの症状も引き起こす可能性があります。

また、子宮が完全に発達していない場合、エストロゲンやプロゲステロンなどの性ホルモンの生産と調整に影響を与えることがあります。これにより、PMS時におけるホルモンの変動が激しくなり、吐き気や情緒不安定を引き起こしやすくなります。

生理が来ない時は妊娠の可能性も

生理が来ない時は妊娠の可能性も

生理が予定された時期に来ない場合、特に性行為があった場合には、妊娠の可能性を考慮する必要があります。
妊娠初期には、ホルモンの急激な変化が体内で起こり、これが各種の身体的変化を引き起こします。

妊娠が引き起こす吐き気のメカニズム

ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)ホルモンの増加

妊娠初期に分泌されるhCGホルモンが急速に増加します。このホルモンの変動は、多くの女性に吐き気や嘔吐を引き起こす原因となります。

エストロゲンとプロゲステロンの増加

これらのホルモンも妊娠中に大幅に増加し、胃腸の動きを遅らせることがあります。これが消化不良や吐き気の感覚を引き起こす原因となることがあります。

生理の遅れと吐き気が見られた場合には、これらが妊娠の兆候である可能性を念頭に置きつつ、適切な検査と対応を行うことが大切です。

生理前の吐き気を和らげるセルフケア

生理前の吐き気を和らげるセルフケア

生理前の吐き気がしんどい時は、病院で診てもらうことも大切ですが、あまり薬に頼りたくない、できれば体質改善をして症状を和らげたい、という方に、おすすめのセルフケア方法をご紹介していきます。

下腹部まわりを温める

下腹部を温めることで、その部分の血流が促進されます。これにより、子宮周辺の筋肉がリラックスし、プロスタグランジンによる痛みや痙攣が軽減されます。また、血流の改善は体内の毒素排出を助け、全体的な身体の状態を改善します。

温める時は、使い捨てのカイロを下着に貼り付けるか、再利用可能なカイロを腹部に当てることで、日常生活の中でも簡単に温熱療法を行うことができます。外出時でも気軽に使用できるのが利点なので、学校や会社に行く必要がある時でも実践しやすいです。

また、長く温かいお風呂に浸かることで、全身の血流が良くなり、リラックス効果も得られます。特に、お風呂の中で下腹部をじんわりと温めると、吐き気の軽減につながります。

空腹を避ける

空腹を避ける

空腹時には、血糖値が下がり、それが吐き気を引き起こすことがあります。特に生理前はホルモンの変動により体が敏感になっているため、空腹による影響を強く受けやすいです。血糖値の急激な変動は、体内のセロトニンバランスにも影響を与え、吐き気を感じやすくなることがあります。

食事をこまめに分けて、1日に5~6回こまめに何かを食べたり、外出時は飴やチョコレートなどの個包装になったものを携帯し、時々口に入れることで吐き気を和らげることにつながります。

また、空腹を避けるために間食を取る際も、高脂肪や刺激物の多い食品は避けるべきです。これらは逆に消化を悪くすることがあり、吐き気を引き起こす原因になることもあります。

血糖値が急上昇する食べ物も、後に血糖値が急降下しやすく、その際に空腹感を感じて吐き気につながることがあります。生理前は甘いものや油っこいものが食べたくなる人が多いですが、できるだけ低GI値の食品や、一緒に食物繊維が豊富な野菜などを食べることで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

リラックスできる時間を作る

生理前の体はホルモンの変動により特に敏感になります。ストレスはこれらのホルモンバランスに影響を与え、吐き気や他のPMS症状を悪化させることがあります。リラクゼーションを通じてストレスを管理することは、これらの症状を和らげるのに非常に効果的です。

リラックスできる時間を意識的に作ることで、心身ともにリフレッシュし、PMSに伴うストレスや不安を軽減することができます。リラクゼーションは、自律神経のバランスを整え、消化器系の機能を改善し、吐き気の感覚を減らす助けとなります。

ヨガや瞑想、アロマセラピーなど、自分に合ったリラックスできる時間を見つけ、取り入れるようにしましょう。

軽くストレッチを行う

軽くストレッチを行う

ストレッチは、体の緊張を解放し、血流を改善することで、生理前の不快な症状、特に吐き気を軽減するのに役立ちます。適度な身体活動は、ストレスホルモンのレベルを下げ、リラクゼーションを促進する効果があります。

ストレッチにより体全体の血流が促進されると、筋肉に酸素と栄養がより効率的に供給されます。これにより、筋肉の緊張が和らぎ、内臓機能が正常に働くようになり、吐き気が軽減される可能性があります。

また、軽いストレッチは自律神経のバランスを整える助けとなります。特に副交感神経が活性化され、リラクゼーションの状態が促進されることで、PMSに伴う吐き気や不安を軽減することができます。

普段から血流をよくしておく

血流をよくしておくことは、体内の酸素と栄養素の運搬を効率化し、代謝を促進することで全身の健康を支えます。特に、生理前はホルモンの変動により体が通常よりも敏感になるため、血流が維持されていると、吐き気やその他のPMS症状の発生を抑える助けになります。

逆に、体が冷えて血流が悪くると、生理前の不快感や吐き気を引き起こしやすくします。寒さによる体の冷えは特に女性にとって問題となりやすく、生理周期のバランスにも影響を与えることがあります。

レッグウォーマーや腹巻で温めたり、冷たい飲み物を控えて温かい飲み物を飲むことで、冷えを改善することができます。足浴や入浴も効果的で、温かいお湯にゆっくり浸かることで、全身の血流が改善されます。

PMSを和らげる方法

PMSを和らげる方法

吐き気で悩んでいる時は、吐き気を和らげるセルフケアもおすすめですが、PMS全般にアプローチし、PMSを和らげる方法もおすすめです。

吐き気だけに特化したケア方法ではありませんが、PMS全般にアプローチすることで、吐き気以外の症状に効いたり、根本的にPMSを改善していくことができます。

腸内環境を整える

腸内環境は、身体の免疫機能やホルモンバランスに大きな影響を与えます。特に、エストロゲンの代謝に重要な役割を果たしているため、腸内環境が整っていると、エストロゲン関連のPMS症状が緩和されることがあります。

また、腸内の健康は心理的な健康にも影響を与えるため、PMSに伴う気分の波やイライラも軽減される可能性があります。

さらに、腸内にはエクオール産生菌という菌がいます。エクオール生産菌は大豆イソフラボンを代謝するのに必要な菌です。大豆イソフラボンは女性ホルモンと似た作用を持つことが知られていて、適量を摂取することで、ホルモンバランスを整えて、PMSを和らげる効果があります。

ただ、このエクオール産生菌は腸内環境を整えていないとうまく働けないので、女性ホルモンを整えるためにも、腸内環境を整えておくことはとても大切です。

乳酸菌を摂る

乳酸菌の摂取は、腸内環境の改善に非常に効果的です。乳酸菌は腸内の有害なバクテリアの活動を抑え、健康な腸内フローラを維持するのに役立ちます。

ヨーグルト、キムチ、味噌、納豆などの発酵食品には豊富な乳酸菌が含まれています。これらの食品を日常的に摂ることで、腸内の善玉菌を増やし、消化を助けることができます。

また、日常の食事から十分な乳酸菌を摂取できない場合、サプリメントを利用するのも一つの方法です。ただし、サプリメントを選ぶ際は、信頼できる製品を選ぶことが重要です。

水溶性食物繊維を摂る

水溶性食物繊維は、腸内でゲル状に変化し、消化吸収を緩やかにすることで血糖値の急上昇を防ぎます。また、腸内の善玉菌のエサとなり、腸内環境を整える効果もあります。

オートミール、リンゴ、ナシ、豆類、ベリー類などが水溶性食物繊維が豊富な食品です。これらの食品を日々の食事に取り入れることで、便秘の予防と解消にも役立ちます。

また、水溶性食物繊維は水と一緒に摂ることでその効果が最大化されます。適切な水分とともに摂取することで、腸内で適切に膨らみ、便の量を増やしてくれたり、腸内環境を整えてくれます。

腸内環境を乱すことを控える

腸内環境を乱すことを控える

腸内環境の乱れは、PMSを含む多くの健康問題の原因となります。不健康な食習慣は、プロスタグランジンの分泌量を増やし、PMSの症状を悪化させることにもつながります。

添加物を控える

食品添加物は、食品の味や保存性を高めるために使用されていますが、これらの化学物質が腸内環境に悪影響を与えることがあります。特に、保存料や人工甘味料、着色料などは、腸内の善玉菌の活動を抑制し、腸の健康を害することがあります。

加工食品やファストフードはできるだけ避け、新鮮な野菜、果物、無添加の肉や魚を選ぶのがおすすめです。

食品を購入する際には、成分表を確認し、不必要な添加物が含まれていないかをチェックしたり、できるだけ自炊をして手作りのものを食べるようにしましょう。

グルテンを控える

グルテンは小麦やその他の穀物に含まれるタンパク質で、一部の人々にはグルテンが消化不良や腸の炎症を引き起こす原因となることがあります。グルテンに対して過敏な人や、セリアック病の人は、グルテンを含む食品を避けることが、腸内環境の改善につながります。

グルテンフリーのパンやパスタもたくさんありますし、自炊をする時は小麦粉をやめて米粉にするのもおすすめです。

白砂糖を控える

高糖質な食品や加工された食品は、腸内の有害な細菌の成長を促すことがあります。これらの食品を過剰に摂ることは、善玉菌と悪玉菌のバランスを崩し、腸内環境を乱す原因となります。

甘みがほしい時は、はちみつやメープルシロップなどを代用することで、腸内環境を整ることにもつながります。

つらい生理中の吐き気を和らげよう

つらい生理中の吐き気を和らげよう

生理中の吐き気は非常に不快なものですが、日常生活での小さな工夫が大きな違いを生むことがあります。

腸内環境を整える食事、ストレスを管理する習慣、体を温める行動を意識することで、吐き気を和らげ、生理期間をより快適に過ごすことができるでしょう。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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