菌ケアとは?【身体パーツ別】お悩み解決の方法を徹底解説
しかし実は菌は、生まれたときからずっと私たちの体内に棲み続けている存在。
「常在菌」と呼ばれる一部の菌たちは、私たちの腸内や皮膚の上などいたるところに存在しているのです。菌の全てが病気の原因になるわけではなく、実は体の働きを助ける菌も多く存在する一面も。
でもその正体はベールに包まれていて、どんな菌がいるのかイメージしづらいですよね。
この全身に潜む”菌”を意識して生活リズムや食生活などを改善していくことを、私たちは「菌ケア」と呼び、菌のチカラを利用して健康や美容を目指すライフスタイルを提案しています。
「菌ケアって何?」
「どんな効果があるの?」
「自分の悩みに効果がある?」
「具多的に何をすればいいの?」
そのような疑問をお持ちの方に向けて、菌ケアが身体の各パーツとどう関係するのか詳しくお伝えします!
全身に潜む菌のはたらき
【およそ100~1000兆個】
この莫大な数字は何を表しているのでしょうか。
実はこの数字、頭から足まで私たちの体内外に棲む常在菌の数なんです。
「菌」と聞くと腸内細菌を思い浮かべる人が多いのですが、皮膚や口腔内、膣内などなど。全身のあらゆるところに常在菌は生きています。
では皆さんは、私たちの体に住みつく菌が普段何をしているのか知っていますか?
答えは意外と簡単。
「私たちの体の中にあるものをエサにして、別のものを生み出している」です。
例を1つ挙げると、かの有名な”乳酸菌”はオリゴ糖を食べて、代わりに”乳酸”という物質を作り出します。
これにより腸内が酸性に保たれて、悪玉菌の増加を防いでくれるんです。
このように、「菌たち」は人間が取り入れるものや、発生させるものをエサとして、有益な成分を作り出すことで人間を支えてくれています。
しかし逆に「悪玉菌」と呼ばれる一部の菌は、逆に良くない成分を作り出して悪さをすることがあります。ただ、実は善玉菌が多いと、悪玉菌の活動を抑えてくれる働きもあるのです。
体の中の「悪い菌」の活動を抑えることもまた、菌の役割なんですね。
菌ケアに期待できる効果
「菌の働きはわかったけど、結局のところ菌を意識してどういうメリットがあるの?」
そう思われている方も多いはず。
便秘・肌荒れ・白髪・肥満・睡眠不足・アレルギー・免疫力・ストレスなどなど。
現代人の敵ともいえる悩みの数々。
実はこれらは菌ケアを行うことで改善できる可能性があると、近年いろいろな論文によって明らかになってきています。
- 過剰ともいえる除菌・殺菌ブーム
- 防腐剤が多く使用された加工食品
- 運動習慣の欠如 など……
- 表皮ブドウ球菌
- アクネ菌
- コリネバクテリウム
- マラセチア真菌
- 洗顔しすぎない
- 適度な運動で汗をかく
- 化粧品の過度な使用をやめる
- 食欲を抑える
- エネルギー消費量を増やす
- 抜け毛
- 白髪
- 薄毛
- フケ
- かゆみ
- 菌:細菌(アクネ菌、コリネバクテリウム)
- 真菌:カビや酵母(マラセチア)
- 皮脂:皮膚から出る脂分
- 1日3回歯磨きする
- 殺菌力が強すぎる歯磨き粉を使用しない
- 定期的に歯医者に通う
いろいろな要因によって、現代人は菌が本来持つチカラを十分に発揮できない環境を作り出してしまっているのです。
そのため、菌が正常に働く状態に戻すことで、今抱えている悩みを解決できるかもしれないと考えられています。
具体的な方法と、身体の各部位の菌の働きについても解説しましょう。
【基本の菌ケア方法・3箇条】
菌ケアでは「これだけは押さえておきたい」意識すべきポイントが3つだけあります。
それが私たちのお伝えしている【菌ケア3箇条】です。基本はどれもシンプルで簡単。
まず意識したい3つを生活で意識していきます。
1.菌を入れる
まずは、体外から良い菌そのものを取り入れること。一般的には「プロバイオティクス」と呼ばれる考え方で、「プロバイオティクス」とは人体に良い影響を与える善玉菌を指しています。
人によって持っている菌の総量やバランスに違いはありますが、そもそも体内の善玉菌が少ない状態では、良い働きをする菌が足りない
具体的な方法としては、発酵食品を食べる・善玉菌の入ったサプリを摂取するなどが挙げられます。
KINS LABでは、「ぬか漬け、納豆、味噌汁」のどれかを毎日食べることをおすすめしています。
2.菌を育てる
「菌を育てる」とは、菌のエサとなる成分を体に与えることです。
例えば、食事を通して腸内細菌のエサを体内に取り入れたり、スキンケアで皮膚に住み菌を活性化させたりなどが考えられます。
食事では、善玉菌のエサとなる「水溶性食物繊維」や「ポリフェノール」を摂取することがおすすめです。
水溶性食物繊維は海藻や野菜、大豆、キノコ、果物などに多く含まれているので、日々の食事に取り入れてみましょう。
特に、ごぼう、モロヘイヤ、干ししいたけ、切り干し大根、干しプルーン、干しいちじく、キウイフルーツなどの食材には水溶性食物繊維が豊富です。
毎日の食事に取り入れて日常的に摂取していきましょう。
3.菌の邪魔をしない
「善玉菌にダメージを与える」「悪玉菌を増やす」などの行為を減らしていくこと。
知らぬ間に菌の働きを妨害してしまっているケースは意外と多いのです。
例えば、食事で赤身肉をメインに食べている方。実は赤身肉や脂身は、悪玉菌のエサになってしまう傾向にあると考えられています。
菌ケアを意識するなら、こちらも善玉菌を増やしてくれるオメガ3脂肪酸の豊富な魚がおすすめです。
このように日常に潜むリスクを少しでも回避し、時にはうまく付き合っていくことが求められています。
【顔編】美肌菌とは?肌荒れと菌活の関係・実践法
皆さんが抱えている肌トラブルの一部に、実は「菌」が関わっているかもしれない。
と考えたことはありますか?
ここでは最近注目を浴びている「美肌菌」に着目しながら、肌荒れと菌との関係性、そして具体的な肌ケア方法を紐解いていきます。
肌フローラの状態を知る
肌フローラとは「皮膚常在菌」の集まり。
この肌フローラのバランスを整えていくことが、美肌への足掛かりになります。
そして皮膚常在菌のなかでも、特に注目すべきなのが以下の4者。
世間で一般的に「美肌菌」と呼ばれているのは「表皮ブドウ球菌」のことを指していて、肌の潤い/バリア機能に影響を与えることで知られています。
またアクネ菌も同様に肌に潤いを与える役割を担っていますが、過剰に増えるとニキビの原因になるので注意が必要です。
コリネバクテリウムとマラセチア真菌は、両者とも肌トラブルの原因になることが多く、皮脂をエサにして増殖する点で共通しています。
美肌菌の働きに関しては、こちらでも詳しく紹介しています▼
肌荒れ改善のために今日からできる3つのこと
さきほど、肌荒れを克服し美肌を目指すためには、肌フローラを整えることが重要だと話しました。
そのためには美肌菌を育て、アクネ菌やコリネバクテリウム、マラセチア真菌の増殖を抑えることが必要です。
こんなシンプルな3つの行為・習慣を実践することで、肌フローラを整え、肌荒れの改善につなげていきましょう。
まずW洗顔や朝夜洗顔などで顔の汚れを洗いすぎると、美肌菌までも失われてしまう危険性があります。
また美肌菌は皮脂をエサにして育つもの。
皮脂の奪いすぎも良くないので、朝はぬるま湯で洗顔し、夜は洗浄力の優しい洗顔料を使用するようにしましょう。
そして「美肌菌」の特徴は汗もエサにすること。
定期的な運動習慣で汗をかくことは美肌菌を育てるうえに、血行も良くするので一石二鳥です。
最後に化粧品はなるべくシンプルにしましょう。
なぜなら、化粧品や洗剤に含まれる強い界面活性剤や防腐剤は、美肌菌を殺してしまったり、そのエサとなる皮脂を奪いすぎてしまうからなのです。
【腸編】菌ケアの要!腸内環境と菌活の関係・実践法
菌ケアの基本でもある腸内環境のケア。
皆さんも「腸活」というワードを一回は聞いたことあるのではないでしょうか。
なんと腸には【100兆個】もの細菌が住んでいるのです。
この「腸内フローラ」とも呼ばれる細菌のバランスが崩れると、悪影響をもたらす危険性も。
ここでは腸に潜む菌と悩みとの関係性、そして具体的な解決策を伝授します。
腸はあらゆる身体機能と関連している
腸は全身の様々な機能とつながっていることはご存じでしたか?
腸内環境を整えることによって、お通じだけでなく
脳、肌、神経、免疫など……様々な身体機能に良い影響を与えることが近年論文によって明らかになっています。
そして身体機能に作用するいうことはつまり、そこから派生する悩みにも効果を発揮するということ。
実際にニキビや便秘、睡眠さえも腸内環境と密接に関わっているとされています。
また腸はホルモン分泌にも一役買っており、あの「幸せホルモン」と評されるセロトニンの約9割は腸内で作られているのです。
つまり、幸せを感じるためには腸内環境を整える必要がある。とさえ言える可能性も十分にあるわけですね。
ダイエットの鍵を握る「瘦せ菌」の存在
ここで一つ。
腸内細菌の重要性をより身近に感じてもらうために、現代人が悩みがちな「ダイエット」を話題にしたいと思います。
もちろん肥満には、遺伝や食生活など様々な要因が絡み合っているのですが、どうやら「菌」の存在も無視できないよう。
ある論文では、腸内細菌と肥満の影響を調べるために、通常体型の無菌マウスに、肥満体型のマウスの腸内細菌が移植されました。すると、今まで太っていなかった無菌マウスが腸内細菌の移植後、食欲がグングンと増していき、体重の増加が見受けられたそうなのです。
ただ単に、腸内細菌が変わるだけで食事の量が増え「肥満」につながるという結果はかなり驚きですよね。
ダイエットには短鎖脂肪酸を味方につける
そしてダイエットを成功に導く存在もまた「菌」です。
そのヒミツは「短鎖脂肪酸」。
これは腸内細菌によって作り出される成分の一種で、酢酸、酪酸、プロピオン酸などが該当します。
この成分がダイエット効果を生み出す仕組みは以下の2点にあります。
簡単に言うと、食べ過ぎを減らす&痩せやすい体質になるという効果が考えられるのです。
そして短鎖脂肪酸を増やす方法について。
プロピオン酸や酢酸は、乳酸菌やビフィズス菌が作り出してくれる成分のため、発酵食品を取り入れたりと腸内環境にとって良い食事をすれば、自然とこの短鎖脂肪酸の量も増えていくと考えられますね。
短鎖脂肪酸が増えた結果、ダイエットにも良い変化が見られるかもしれません。
腸内フローラを整える習慣とは
ここまで腸があらゆる身体機能、そして悩みと密接につながっていることをお話してきました。
とはいえ腸内環境を整えるにあたって、やること自体は他の部位と大して変わりません。
簡単に言うと、腸内細菌のバランスを善玉菌優位の状態に持っていく必要があります。
そのために意識することは「菌を入れる」「菌を育てる」「菌の邪魔をしない」この3つだけです。日常生活のなかで簡単なところから意識して取り組んでみてください。
【頭編】薄毛や白髪と菌の関係・実践法
こういった髪の悩みを抱えている方は、実は菌が原因となっている可能性を考慮した方がいいかもしれません。
以下では、髪に関する悩みと菌との意外な関係性を解説し、具体的なケア方法をご紹介します。
髪の悩みは頭皮が原因?
みなさん髪の悩みと頭皮の悩みを別物だと考えていませんか?
最新の研究を調べていくと、実は「髪の悩み」=「頭皮の悩み」という関係性が見えてきました。
281 名の被験者を対象に頭皮の赤みと毛髪の本数、太さ、白髪の割合について解析を行った研究によると、頭皮の色が赤い人ほど、白髪の割合が高く、毛髪の本数は減るという傾向が確認されています。
つまり、白髪や抜け毛などの髪に関する悩みの原因は、頭皮の問題にあったということです。
そしてなんと、今回のテーマである「菌」が頭皮の健康状態に関わっていたことも明らかになりました。以下で詳しく解説します。
皮脂と菌と真菌~頭皮で起こる三角関係
頭皮の問題に関わっているメンバーは以下の3種類の菌。
乳酸菌を代表格とする「菌」のなかでも、頭皮に住むアクネ菌とコリネバクテリウムは、皮脂や汚れなどでバランスを崩すと問題を起こすので注意が必要です。
そしてあまり聞き馴染みのない「真菌」。そのなかでもマラセチアは真菌は厄介で、頭皮で暴れだすと脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)*の原因にもなると考えられています。
菌と真菌の両者には【菌のバランスが崩れる→真菌のバランスも崩れる】という関係性があり、「皮脂」をエサにして増えるという共通点を持っているのです。
つまり、「菌」と「真菌」と「皮脂」は強い三角関係で結ばれており、複雑に絡み合ってトラブルを起こしていると認識する必要があります。
「皮脂」は本来、頭皮を守ってくれる天然の化粧品のような存在。
しかし”質”と”量”のバランス次第ではトラブルの原因にもなります。
菌や真菌が悪さをするのを防ぐためにも、エサである皮脂のバランスを整える術を学ぶことが重要だと言えそうです。
*脂漏性皮膚炎…頭皮の疾患の一つであり、痒みやフケを引き起こす。
内側と外側から頭皮をケアする
先ほど述べた皮脂をコントロールする方法は大きく分けて2つあります。
①血糖値の急激な上昇を抑える
②男性ホルモンと女性ホルモンの割合を整える
血糖値が急上昇すると、成長ホルモンに似た物質が過剰分泌されるそう。これにより皮脂が大量に作られるため、頭皮の炎症につながるわけです。
また男性ホルモンの割合の増加も、皮脂分泌の乱れに影響を与えます。そしてホルモンバランスの崩れに関わっているのが腸内細菌なんです。
このことから頭皮自体へのケアもさることながら、体の内側から整えることが重要だと言えます。
まずは血糖値の急上昇を抑えるために、糖質の摂取量を減らすことを意識することが大切。悪玉菌の増加を抑えて、腸内環境の改善にも寄与するので”一石二鳥”です。
「白い炭水化物から茶色い炭水化物に切り替える」ことから始めてみましょう。
また外側からの頭皮ケアでは、顔と同じように頭皮も扱うことが最重要。
まずは紫外線ケアとシャワーの設定温度から意識してみましょう。
紫外線ケアに関しては、普段外出時に塗っているはずの日焼け止めを頭皮にも。
とはいえクリームタイプなどは使いづらいので、ローションタイプやスプレータイプのものがおすすめです。
またシャワーは37度よりも低い温度にすることで頭皮の乾燥が軽減されることがわかっています。
普段より1℃下げるだけで状況が変わってくるかもしれません。
【口編】歯周病や口臭と菌活の関係/実践法
「口臭が気になる」「歯周病にならないか不安」など
口に関する悩みはかなりデリケートですよね。
口臭は磨き残しや、臭いの強い食べ物を食べた後に発生しやすいものですが、細菌が関係しているケースもあります。
そこで、口臭と細菌の関係性や、口腔内ケアのすすめを一緒に見ていきましょう。
口臭の原因は細菌の活性化にある
そもそも口臭には、大きく分けて「生理的口臭」と「病的口臭」の2つがあります。
人間には少なからず口の匂いがあり、個人の匂いを口臭と解釈することを「生理的口臭」と呼びます。
生理的口臭の強弱と唾液の分泌量は関係していて、
唾液の中には口臭の原因となる細菌を増やさないための「抗菌因子」というものが含まれているんです。
また口腔内が乾燥すると、細菌が活動的になることから、食事をする・水を飲むなどを行えば口臭は弱くなります。
「病的口臭」の原因はさまざまで、鼻や喉に腫瘍ができている、消化器に疾患が発生している、糖尿病や肝臓疾患など全身的な疾患を発症しているなどが挙げられます。
しかし、病的口臭と呼ばれる口臭の約90%は口腔内の疾患だと言われており、口腔内の疾患を発症させる原因の多くは「プラーク」と呼ばれる細菌です。
口腔内の疾患で原因として最も多いのが歯周病です。
歯周病の原因細菌が発生する臭いは腐敗臭のようなもので、第三者はこれを口臭として感じます。
口腔内ケアは腸内環境改善の第一歩
口は腸とも直接つながっている器官。
なので、口腔内ケアは腸内環境改善につながる大事な要素だと言えます。
口腔内には虫歯菌を始めとして、様々な菌が住んでいます。毎日飲み込む唾液のなかに、大量の菌が含まれていると思うと少しゾッとしますよね。
しかし重要なのは、菌の「質」です。
実は、歯周病の方はそうでない方と比較して、腸内の菌のバランスが悪玉菌優位になることが明らかになっています。
そのため口腔内のケアは入念に行う必要があるのですが、やり過ぎもNG。
以下のポイントを押さえてみてください。
KINS LABおすすめの口腔内ケア3選
やはり口腔内のケアは歯磨きが基本。
「毎日3回の歯磨きをきっちり行う人」は、腸内のカンジダ菌の数が圧倒的に少ないそう。
カンジダ菌は体内で嫌なことばかりする女性の敵なので、一日3食の後に歯を磨く習慣を身につけましょう。
また口腔内は舌下吸収といわれる、舌の下の粘膜に口の中の成分を吸収しやすい場所があります。
なので、発泡剤や香料、合成界面活性剤がなるべく含まれていない歯磨き粉がオススメです。
最後に歯医者でメンテナンスを受けることも重要な菌ケアの1つ。
自分だけでは落とせない汚れもきれいにクリーニングしてもらいましょう。
【膣編】膣内フローラとは?菌活との関係・実践法
膣も口や消化器官と同様に、外界と直接つながっている器官。
そのため、外部から細菌の侵入をうけやすい場所でもあります。
そして外部から侵入してくる悪い菌から体守っている菌こそ、「膣内フローラ」です。
彼らは膣内の分泌物をエサにして様々な物質を作り出すことで、膣内を酸性に保ってくれています。
この酸性の環境は、特定の菌以外にとっては非常に住みづらい環境。
「あまり洗いすぎはよくない」と言われているのは、この酸と菌を洗い流して環境を崩さないようにする意図だと思います。
また膣内フローラのバランスが整っている方は他の菌の感染、いわゆる「カンジダ」や「細菌性膣炎」に対する抵抗があることで知られています。
さて、この膣内フローラ、どうやってケアすればいいのでしょうか。
その答えは、腸内フローラと密接に関わっているんです。
腸内環境が悪化している方は全身に様々な影響が出る可能性があることは前述の通り、これらの全身における「炎症」がホルモンバランスを狂わせることが、論文によって示唆されています。
ホルモンバランスが崩れると、膣内分泌物の成分や量のバランスが変化し、それをエサにしている菌のバランスも変化します。
そのため、膣内フローラを整えるためには腸内細菌のバランスを整えることから始める必要があるかもしれません。
【足編】足の臭いと菌の関係/対策法
最後は足。
自分の足から嫌な臭いが出ているなんて考えたくもないですよね。
今回はこの「足の嫌な臭い」を作り出している菌をご紹介します!
その正体は「コリネバクテリウム 」です。
頭皮やお肌のところでも出てきた、炎症を起こしたり、抜け毛を生んだりする悪役の彼。
足が臭い方は、コリネバクテリウムが増殖している可能性が考えられます。
現代人はずっと靴下と靴で足を包み込んでいますよね。
あの適度な温度と湿気がまさにコリネバクテリウムの大好きな環境なんですよ。
対策はシンプルに「裸足で過ごす」こと。
これが最小の努力で最大の効果を発揮するんです。
とはいえ現代に生きるうえで、一日中裸足で過ごすのは少し難しい。
そんな方は、足の湿気をできるだけ排除するのが有効です。
例えば、お昼休みに靴下を履き替えるだけでも、かなりの湿気対策になるでしょう。
また他にも、菌が繁殖しているであろう靴のケアも欠かせません。
毎日同じ靴を履かない。
そうすることで、靴の中に湿気がこもることなく、コリネバクテリウムの繁殖を抑えられます。
菌を味方につければ人生が前向きになる
全身に潜む菌を整えることで皆さんが抱える悩みを解決できること、そしてその具体的なケア方法までをお伝えしてきました。
全身に住んでいる菌の状態に意識を向けて生きることを、KINS LABでは「菌ケア」と呼んでいます。
菌と悩みとの関係を理解し、適切なケアを行えば、理想の状態に近づけるはず。
KINS LABと一緒に、「菌をケアする」ことで人生を前向きに過ごしませんか?
参考文献:
・「頭皮の慢性的な炎症が毛髪成長に及ぼす影響とその因子の解析」
櫻井勇希, 山田麻紀子, 古田桃子, 永見恵子, 新部一太郎, 松崎貴, 伊藤廉
・Utilization of the Intestinal Tract as a Delivery System for Urogenital Probiotics.
L Morelli, D Zonenenschain, M Del Piano, P Coqnein
・Estrogen–gut microbiome axis: Physiological and clinical implications.
James M Baker, Layla AI-Nakkash, Melissa M Herbst-Kralovetz
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
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