今日からグルテンフリーダイエットを始めるための3つの準備と、成功に導く優秀アイテム5選
海外ではメジャーな食事法のひとつとなっている、グルテンフリー。しかしその正しい始め方や効果については、まだまだ曖昧な人も多いのではないでしょうか?
グルテンフリーとは簡単に言えば、小麦食品をカットする食生活のこと。
本来は小麦アレルギーのための対策的な食事法ですが、最近ではダイエットなどキレイを目指すためにも取り入れられています。
そんなグルテンフリーダイエットはどう始めるのか、優秀なサポートアイテムも含めて紹介いたします。
小麦を食べない?グルテンフリー生活とは
グルテンフリーダイエットとは、全ての小麦製品をカットする食生活のこと。
パン・パスタ・ピザ・クッキー・ケーキ・うどん…こういった食べ物は全て小麦からできているため、グルテンフリーではカットの対象。これらは一切食べずにグルテンフリー仕様のパンなどを食べるか、野菜・果物・米・肉・魚といった小麦以外の食品で栄養を補います。
グルテンフリーはもともと「セリアック病」いう病気の患者向けに考案されました。セリアック病の人は小麦を摂ることで、小腸に炎症が起きてしまうのです。
もともと病気の改善のための食事療法として確立されたグルテンフリー。
この食事法が世界中で広く受け入れられるようになったのは、スポーツ選手や海外セレブが健康のために取り入れ始めたことがきっかけのようです。
実際にグルテンフリーを実践している人の感想には、「むくみがスッキリした」「肌の調子がよくなる」といった声があるよう。
小麦を抜くだけで痩せるワケ
医学的にはグルテンと体重減少の因果関係は、はっきりと解明されていません。単純にグルテンを食べたから体重が増える、というわけではないのです。
しかし、そもそも小麦製品は高カロリーのものが多数。そのため小麦製品を食べないようにするだけでも摂取カロリーが変わり、ダイエット効果が上がるということは十分あり得ます。
一般的なクッキー・ビスケット・ケーキ・ドーナツ・マフィン・菓子パンなどはどれも、おいしいけれどダイエット中は控えたいもの。グルテンフリーダイエットでは必然的に、それらとサヨナラすることになるのです。
また、小麦粉に含まれる成分には中毒性があるとも言われています。
ついつい食べると止まらなくなるクッキーも、小麦のせいだとしたら?できるだけ避けておいてもいい気がしますよね。
「グルテンフリーは意味ない」は本当?
グルテンフリーダイエットに効果的ですが、医学的にはグルテンと体重減少の因果関係は解明されていないため、効果がない、という意見もあります。
もともとグルテンフリーは、セリアック病患者の食事として生まれた食事療法ですが、日本人はセリアック病の発症に重要な役割を果たす遺伝子を持っている人の割合が約0.3%と非常に少なく、セリアック病に関してはほとんど気にしなくていいからです。
ただ、グルテンフリーにはダイエットにつながる効果があるのも事実です。
まず、小麦には血糖値を急上昇させる作用を持つ「アミロペクチンA」という糖質が含まれているので、小麦製品を摂るほど血糖値が急上昇しやすく、その分体脂肪がつきやすくなります。
同じカロリーでも、小麦製品とお米では、小麦製品のほうが体脂肪が増えやすくなるのです。
次に、グルテンの1種である「グリアジン」は、食欲増進効果と、中毒性があると言われています。
一度ラーメンを食べたらまた食べたくなった…パンを毎朝食べていて、食べないのは考えられない…というのは経験したことがある人も多いのではないでしょうか。
クッキーやケーキ、マフィンなども、なくてはならないものになっている人も多いですよね。
小麦を使った食べ物は、油と相性がよく、カロリーも高くなりやすいので、グルテンフリーにすることで、この中毒症状から抜け出せ、食欲を抑えることにもつながります。
さらに、小麦製品のパンや麺などは柔らかく、咀嚼回数が減りやすくなります。そうすることで、早食いや食べ過ぎの原因になります。
対してお米やお餅などのグルテンフリー食品は、歯ごたえがあり咀嚼回数も多くなりやすいので、しっかり噛んで満腹感も得やすくなります。
これらの理由から、グルテンフリーはダイエットに効果があり、長く続けることで健康的な食生活を手に入れることができます。
ただ、グルテンフリーにしたからといって、すぐに体重が何キロも落ちるものではなく、徐々に効果が表れるものなので、焦らず自分に合ったペースで行うのがおすすめです。
グルテンフリーを行うデメリット
グルテンフリーはダイエットにとても効果がありますが、一部デメリットもあります。
食物繊維不足に気を付ける
グルテンフリーの食事を始めると、食物繊維が不足しがちです。これは、グルテンを含む食品には全粒穀物や全粒小麦など、食物繊維が豊富なものが多く含まれているためです。食物繊維は、消化を助け、便通を整えるだけでなく、血糖値のコントロールやコレステロールの低下、腸内環境の改善にも重要です。
食物繊維が不足すると、お通じが悪くなったり、腸内環境が悪化する原因になります。
食物繊維の不足を補うためには、玄米や雑穀米などの食物繊維が豊富な主食を取り入れたり、海藻類やキノコ類などの食物繊維が多い食材を少しプラスするのがおすすめです。
また、グルテンフリーのパンやパスタなど、小麦ふすまやおからなど、食物繊維が多く作られているものもあります。
そういったものをバランスよく取り入れながら、便秘にならないように気を付ける必要があります。
自炊率が上がる
グルテンフリーの食事を維持するためには、自炊の頻度が増えることが多いです。市販の加工食品や外食では、グルテンが含まれている可能性が高いため、自分で食材を選び調理することで安心してグルテンフリーの食事を続けることができます。
また、友人と気軽に外食したい時、お店選びに気を遣うというデメリットもあります。
ただ、グルテンフリーダイエットの目的は、完全にグルテンを抜くよりも、グルテンの摂取量を可能な限り控えて健康的にダイエットすることなので、たまにの外食などは気にせずに出かける方も多いです。
グルテンフリーは痩せない?気を付けるポイントは?
グルテンフリーの食事法は、一部の人々にとって健康を維持するための重要な手段です。しかし、「グルテンフリーにするだけで痩せる」という誤解が広まっていることも事実です。実際には、グルテンを抜くだけでは体重が減らない場合が多いです。
グルテンフリーで痩せない理由の1つとして。グルテンを含む食品を避けることに集中するあまり、カロリー摂取量の管理が疎かになっているということが考えられます。
例えば、グルテンフリーのお菓子やスナックが市場に多く出回っており、それらを大量に食べてしまうことでカロリーオーバーになることがあります。グルテンフリー製品であっても、高カロリーや高糖質のものが多いので、適切な量を守ることが重要です。
また、グルテンフリーの食事を続けることで、栄養バランスが崩れる可能性があります。特に、食物繊維やビタミンB群など、グルテンを含む穀物から得られる栄養素が不足しがちです。その結果、満腹感を得られず、余計に食べ過ぎてしまうことがあります。
ダイエットとして取り入れる場合は、栄養バランスも考えた食事にするのがおすすめです。
グルテンフリーと他のダイエットの違い
グルテンフリーダイエットは「グルテンをカットする」というシンプルなもので、それ以外に難しいルールはありません。
糖質制限とは違い主食をカットするわけではないので、お米は食べてもOK。また米粉のパンやフォー、蕎麦粉100%なら蕎麦も食べられます。
グルテンフリーはヴィーガンやベジタリアンのように、動物性食品をカットするものでもありません。ダイエット中の栄養バランスを考えたら野菜中心が理想的ですが、肉や魚も適量を摂るのは問題ありません。
まずはグルテンフリーを始めるための3つの準備
グルテンフリーを始める際に知っておきたいのが、グルテンフリーのデメリット。
とはいえこれは、グルテンフリーにしたからといって著しく健康上のデメリットがあるという意味ではありません。グルテンを摂らずともバランス良く食事をしていれば、必要な栄養は他の食品から補えます。
ただ日本の場合はグルテンフリー普及率がまだ低く、外食や市販品ではグルテンフリーに対応しきれないことがしばしば。実は日本食に欠かせないお醤油にも小麦が使われていることが多く、単純に食べるものに困ってしまうことがあるのです。
そのため健康的なグルテンフリーダイエットを始めようと思ったら、まずはこんな準備をしておきましょう。
自炊環境を整える
日本のレストランはまだグルテンフリー対応できるところが少なく、外食メインでグルテンフリーを続けるのはなかなか難しいかもしれません。でも自炊であれば、グルテンフリーでもしっかり栄養バランスを保つことが可能です。
幸い日本には良質なお米もあり、和食の食材も簡単に手に入ります。実は日本の環境は、グルテンフリーを実践しやすいとも言えますね。
あなたが今まで外食中心の生活だったとしたら、まずは自炊しやすいよう調理器具などを充実させてみましょう。ランチはいつも外で食べていた人も、お弁当箱を買うところからはじめてみてください。
グルテンフリーのOK/NGを明確にする
グルテンフリー生活では小麦全般が食べられませんが、「では何なら食べられるのか?」を正しく知っておくのも成功の秘訣。
麺類でもパスタやうどんはNGですが、十割蕎麦(そば粉100%の蕎麦)や、米からできたフォーなどは食べてもOKです。
またコンニャク麺や春雨もOK食材。パンやケーキも全てがNGではなく、米粉や蕎麦粉でできたグルテンフリー仕様なら食べられるんです。
グルテンフリーでも食べられるものをきちんと把握していれば、自炊の幅も広がります。食べたいものを我慢しすぎず、楽しくグルテンフリー生活が送れますよ。
グルテンフリーの「非常食」を揃えておく
グルテンフリーダイエットを実践するなら自炊が理想的ですが、どうしても時間が取れないことも。
そんな時に使える自分なりの「非常食」を用意しておくのも、グルテンフリーを長く続けるコツです。
最近ではグルテンフリーのお菓子や、米粉専門のパン屋さんなども増えてきています。またグルテンフリーのレトルトカレーや、即席麺なども増えてきています。
無理しないことも健康の秘訣。疲れた時の「手抜きグルテンフリー」も用意しておくことで、楽にグルテンフリーを続けやすくなります。
グルテンフリーを完璧にしようとするあまり、ストレスになってしまっては意味がありません。グルテンフリーもときどき息を抜きながら続けられるといいですね。
グルテンフリー中のレシピ一覧
グルテンフリー中に自炊をすると決めても、毎日同じようなメニューでは飽きてしまいます。「ご飯・味噌汁・焼き魚」のようなシンプルな和食は大体がグルテンフリーですが、日によって違うものも食べたいですよね。
グルテンフリーでも実際には、工夫次第で色々な味が楽しめます。参考にいくつかご紹介しましょう。
オムライス
「グルテンフリー食となると和食以外難しいのでは?」と感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。使う材料に気をつければ、洋食だって作れます。
オムライスは基本的にお米・野菜・卵・鶏肉があれば作れるので、グルテンフリーにしやすいレシピのひとつ。玉ねぎなどの野菜を細かく刻んで炒め、お米と混ぜ合わせる普通の作り方で大丈夫です。
ただ注意したいのは、調味料の小麦粉に気をつけること。ホワイトソースは小麦粉を使っているのでNGですし、コンソメやケチャップはメーカーによって小麦粉が入っている可能性があるので確認しましょう。
グルテンフリーのケチャップについては次の章で紹介しています。
米粉のシンプルパンケーキ
パンケーキはグルテンフリーではNGと思われがちですが、米粉で簡単に代用できます。最近はグルテンフリーのパンケーキミックスも売られていますが、見つからなくても米粉があれば大丈夫。
卵1粉と米粉適量を混ぜ合わせ、はちみつなどの甘味料を加え、ココナッツオイルやバターなどの油をひいたフライパンで焼くだけ。仕上げにフルーツなどを乗せてもいいですね。
スパイスカレーやサブジ
実は、市販のカレールーの多くには小麦粉が入っています。そのためグルテンフリーでカレーを楽しむ場合は、スパイスを使って自分で味付けを。
最初は面倒ですが、慣れてくると自分好みの味にできて楽しいものです。とろみを出すには、山芋や味噌、ピーナッツバターなどを使うといいですよ。
また同じようにスパイスでつくる、カレー風味の野菜蒸し焼き「サブジ」もオススメ。インド料理のひとつですがカレーほど超時間煮込まずにできて手軽です。
サブジはまずフライパンに油とスパイス類(クミンシード・マスタードシード・にんにく・ターメリック・生姜・チリパウダーなど)を軽く炒めます。そこに、じゃがいもや玉ねぎ、オクラといった好みの野菜を加えてさらに炒め、少量水を入れて蒸し焼きにすれば出来上がり。
好みでガラムマサラやレモン汁などを加えてもおいしいです。
グルテンフリーの食事例
グルテンフリーは難しいことはありませんが、実際の食事はどのようなものになるのか、イメージがつきやすいように食事例もご紹介します。
1日目のグルテンフリー食事例
朝食
ヨーグルト(グルテンフリーのグラノーラをトッピング)
昼食
サラダ
玄米
夕食
玄米
きんぴらごぼう
冷奴
お味噌汁
2日目のグルテンフリー食事例
朝食
メープルシロップとベリーのトッピング
ブラックコーヒーまたはハーブティー
昼食
グルテンフリーパスタ
夕食
ナスの煮びたし
雑穀米
お味噌汁
3日目のグルテンフリー食事例
朝食
昼食
夕食
えびとブロッコリーのアヒージョ
グルテンフリーを成功に導く優秀なアイテム5選
ダイエットはイベントではなく習慣。
グルテンフリーもカラダのために行うなら、健康的に長く続けるのが大切です。そんな時に役立つのが、自炊を楽にしてくれたり栄養バランスをサポートしてくれるアイテム。
ここではKINS LABOでオススメしたい優秀アイテムをご紹介します。
Annie’s Naturals オーガニックグルテンフリーケチャップ
前章でもお伝えしたように、ケチャップなどの調味料には小麦粉が使われていることもあります。かといって毎回自家製のトマトソースを作るのも大変。
そこで市販のケチャップでもグルテンフリーのものを用意しておけば、安心して使えます。Annie’s Naturalsは有機素材にこだわったブランドでヴィーガン&グルテンフリーです。
IH 高圧力発芽玄米炊飯器 CUCKOO(クック)
KINSでは菌ケアに良い「茶色い炭水化物」として、玄米をオススメしています。玄米はビタミンやミネラルなどの栄養素が豊富で、腸内で善玉菌のエサとなる食物繊維も多く残っているのです。
グルテンフリー的にもOK食材なので積極的に取り入れたいですが、玄米は浸水などの下準備が面倒と思う人も多いようです。
しかし、この酵素玄米用炊飯器なら面倒な処理いらず。普通の炊飯器と同じように簡単に玄米が炊けて、酵素玄米や甘酒も簡単に作れます。
ホームベーカリーsiroca(シロカ)
グルテンフリーダイエット中は、小麦を使った一般的なパンは食べません。でもパンが食べたい時は米粉パンなどで代用しますが、近くに売っている場所がないこともあるかも。
そんな時にホームベーカリーがあると、自宅で米粉パンが作れて便利。sirocaならパンだけでなくチーズや餅、蕎麦生地など作れるバリエーションも豊富です。
アルチェネロ 有機グルテンフリースパゲティ
パスタも代表的な小麦食品のため、グルテンフリーにはNG。しかし最近ではグルテンフリーのパスタも多く販売されています。
アルチェネロはイタリアのオーガニック食材ブランド。グルテンフリーパスタには米とトウモロコシを使っていて、スパゲティ以外にも色々なタイプが揃います。
小林生麺 グルテンフリーケールパスタ
グルテンフリーでもフォーやグルテンフリーのパスタは食べられますが、さらに栄養面を強化したい時にはこんなケールの麺もオススメ。
ケールは栄養価が高く、現代生活で不足しがちなビタミンAやカルシウム、食物繊維やGABA、タンパク質など栄養バランスが良いのが嬉しいです。グリーンの見た目は料理の彩りにも。
グルテンフリーについて何かわからないことがあれば、 いつでもこの記事に戻ってきてくださいね。
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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