掲載日 | 2023.02.28
更新日 | 2024.01.26

菌活&腸活でダイエットできる理由・簡単な方法|成功の鍵は腸内環境にあり

掲載日 | 2023.02.28
更新日 | 2024.01.26

更新情報

・2023/01/26
「腸内環境を整える善玉菌」の情報を更新しました。

腸内環境を整える善玉菌を見る

・2023/01/26
「腸活のその他の嬉しい効果」を追加しました。

腸活のその他の嬉しい効果を見る

菌活がダイエットにいいというお話。

最近よく耳にしますが、実際に効果があるの?何をすればいいの?と思っている人も少なくないかもしれません。

今回は混同しやすい菌活と腸活の違いから、菌活で痩せやすくなる理由、菌活レシピまでご紹介します。

菌活とは?腸活との違いも紹介

菌活とは?腸活との違いも紹介

菌活という言葉には明確な定義があるわけではなく、捉え方は様々です。

KINS LABOでは「菌活」を”全身の菌をケアする”こと(菌ケアとも呼ぶ)と捉えています。

一方で「腸活」は菌活の中でも”腸内環境にフォーカス”したもの。ただ一般的には腸活のことを「菌活」と呼んでいるケースも多く、この2つはほぼ同義として捉えられることもよくあるようです。

そこで今回は菌活の中でも腸内環境を整える菌活(=腸活)にフォーカスして、ダイエットとの関係をご説明します。

腸活がダイエットに効果的な理由

腸活がダイエットに効果的な理由

腸活がダイエットに効果的と考えられている要因の1つが”腸内環境を整える”ということにあります。実は腸内細菌は肥満と深く関係しているのです。

ある研究では、マウスに肥満の人の腸内細菌を移植すると肥満になり、痩せている人の腸内細菌を移植すると痩せるという結果が出ました。(※1)

マウスの研究ではありますが、腸内細菌のバランスが痩せやすさ、太りやすさに影響を及ぼすことを示唆しています。

また腸内環境が整うと便通改善などの効果が期待でき、不要なものを溜め込みづらくなるとも考えられます。

痩せ菌とは?腸活ダイエットが良い理由

痩せ菌とは?腸活ダイエットが良い理由

菌活や腸活のダイエットに興味がある方は「痩せ菌」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。

痩せ菌とは「痩せやすさ」に関連する腸内細菌のこと。主に「バクテロイデス」というグループに属するいくつかの菌を指すのが一般的な考え方です。

2013年に発表されたワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らの論文では、バクテロイデテス門に属する細菌が肥満を防ぐ可能性のある腸内細菌として報告されています。バクテロイデテス門とはバクテロイデスを含む、菌の分類のひとつです。

彼らの研究では、太ったマウスの腸内細菌を痩せたマウスに移植しました。その際、同じエサの量でも元々痩せていたマウスが太るという結果が出たのです。(※2)

さらに別の研究では、太ったマウスの腸内細菌を調べると、バクテロイデス門に属する菌の数が少ないということがわかりました。(※3)

このような研究結果から、痩せやすさに関連する腸内細菌(=痩せ菌)がいるということが認識されるようになりました。

菌活・腸活がダイエットにいい理由や短鎖脂肪酸のヒミツをさらに詳しく▼

ダイエットと腸内環境の関係

ダイエットと腸内環境の関係

腸内では様々な腸内細菌が集団をなして存在しており、それを腸内フローラと呼びます。

その菌の種類は大きく善玉菌・日和見菌・悪玉菌に分類されます。

腸内環境が整っている状態とは、前述した3つの菌のバランスが善玉菌優勢になっている状態のこと

日和見菌は優勢な方の菌の性質を発揮するため、悪玉菌よりも善玉菌が多い状態が理想的です。しかし、悪玉菌をゼロにするのが良い訳ではありません。あくまでもバランスが重要なのです。

いくつかの研究で、痩せている人の腸内環境は肥満の人よりも腸内細菌に多様性があるという報告も見られています。(※1)

様々な種類の菌や、菌のエサとなる栄養素を摂取し、腸内細菌を多様化していく。ダイエット成功には、腸内環境の多様性も関係してくるのかもしれません。

腸内環境を整える善玉菌をご紹介

腸内環境を整える善玉菌をご紹介

腸活ダイエットでは様々な菌を取り入れ、腸内環境をバランスよく整えていくことが重要です。

ここでは私たちに身近な善玉菌とその働きを簡単に説明します。

ビフィズス菌

ビフィズス菌

善玉菌の代表格と呼ばれる菌。ビフィズス菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸の働きをよくする作用があると言われています。(※4)

ビフィズス菌が含まれる食べ物・飲み物

ビフィズス菌が含まれる食品として有名なのはヨーグルトですが、それ以外にもさまざまな発酵食品に含まれています。
例えば、ぬか漬けやキムチなどの漬物、大豆から作られている納豆や味噌、醤油などもビフィズス菌が豊富です。

さまざまな種類のビフィズス菌入り飲料もスーパーやコンビニで手軽に買えるようになりました。

ビフィズス菌は食物繊維やオリゴ糖と一緒に摂ると効果的です。食物繊維が豊富な玄米やオートミールなどの穀物、豆類、きのこ、オリゴ糖が豊富なごぼうや玉ねぎ、バナナがおすすめですよ。
例えばヨーグルトを食べる際に、食物繊維が豊富なオートミール、オリゴ糖が豊富なバナナをプラスすれば、ビフィズス菌の生成が助けられて効果アップ。また、きんぴらやひじきなどの和食は食物繊維が豊富な上、ビフィズス菌が含まれるお味噌汁との相性も抜群です。

乳酸菌

乳酸菌

乳酸菌はヨーグルトやチーズなどに含まれる善玉菌。こちらも腸内で悪玉菌の繁殖を抑える働きがあります

その他にも便通の改善やコレステロールの低下など様々な働きがあると考えられています。(※5)

乳酸菌が含まれる食べ物・飲み物

乳酸菌を多く含む食品は、ヨーグルト、チーズ、キムチなどの発酵食品です。

特にキムチは、乳酸菌の宝庫と言っても過言ではないほど、乳酸菌が豊富。
程よい酸味とコクでそのまま食べてもよし、料理に加えてもよしと、便利な食品ですね。

乳酸菌もビフィズス菌同様、食物繊維とオリゴ糖をエサにして増えるため、一緒に摂ることをおすすめします。食物繊維が豊富なゴボウを加えた豚キムチ炒めに乳酸菌が含まれるチーズをプラスすれば、辛さがマイルドになってお子様でも食べやすいですよ。ぜひ、日々の献立に加えてみてくださいね。

納豆菌

納豆菌

私たち日本人には欠かすことのできない発酵食品の、納豆を作るために使用される菌。

納豆菌は腸内で活性化することにより、乳酸菌やビフィズス菌などを増強、安定化されると考えられています。(※6)

納豆菌が含まれる食べ物・飲み物

納豆菌が含まれる食べ物は、ずばり、納豆です。腸活上級者の中には毎日納豆を食べている、という方もいらっしゃるかもしれません。
その他、大豆を発酵させることで生じる納豆菌は、味噌や醤油、など納豆以外の発酵大豆製品にも含まれることがあります。

納豆菌の栄養効果を最大限に摂れるおすすめメニューは、納豆キムチご飯。実は納豆菌は糖化菌の一つであり、消化酵素であるアミラーゼを作り出してデンプンを糖に分解する働きを持ちます。
腸内環境に良いとされる乳酸菌やビフィズス菌は、この糖をエサにして増殖することが分かっています。
よって、納豆とキムチの組み合わせは味だけでなく菌同士の相性も抜群。

さらに、ご飯に含まれるデンプンが合わさることでエサの元となり、納豆菌の持つ健康効果がさらに高まると考えられているのです。まだ納豆キムチごはんを食べたことがないという方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

酢酸菌

酢酸菌

酢酸菌はアルコールを分解し、お酢の成分となる酢酸を産生します。

最近の研究結果では酢酸菌が免疫力強化に関係していると考えられており、酢酸菌の摂取で風邪の諸症状が減少されたなどの研究結果も出てきています。(※7)

酢酸菌が含まれる食べ物・飲み物

酢酸菌は、にごり酢や黒酢、バルサミコ酢などの長期熟成で作られる酢に含まれており、花や果実など、自然界にも存在しています
その他、紅茶や緑茶に糖を加え、酢酸菌を入れて発酵させたコンブチャやカスピ海ヨーグルト、意外なところではナタデココにも酢酸が含まれています。

とりわけコンブチャは、海外セレブが愛飲していたことで人気に火がつき、日本でも健康志向の高い人たちの間でブームになっていますね。もちろん朝や昼に飲んでもいいコンブチャですが、実は夜に飲むとさらに効果的であることがわかっています。

私たちの体は、起床から15時間以降に腸が最も活発化するため、まさに夜が腸のゴールデンタイム。そのタイミングでコンブチャを摂るのがおすすめです。

腸内細菌をもっと詳しく知る▼

菌活の基本についてさらに詳しくはこちら▼

腸活ダイエットレシピ3選〜食事で腸内環境改善!〜

腸活ダイエットレシピ3選〜食事で腸内環境改善!〜

腸活で重要なことは、菌を取り入れ、菌を増やすということ。そしてそのためにできる一番簡単な方法は、やはり毎日の食事です。

納豆やぬか漬けなどから菌を直接取り入れる「プロバイオティクス 」と、菌の餌となる食材を摂取する「プレバイオティクス 」を意識した食事を心がけましょう。

今回は腸活に有効なきのこを使ったダイエットにもおすすめなレシピを3つご紹介。

きのこに含まれる水溶性食物繊維は腸内で善玉菌の餌となります。ぜひ試してみてくださいね。

1.舞茸とささみのガーリックマリネ

【腸活ダイエットレシピ】舞茸とささみのガーリックマリネ

ダイエットに嬉しいヘルシーなササミと、舞茸をたっぷり使った爽やかなマリネ。

ニンニクのパンチが効いた味付けは、食後の満足感も高めてくれます。

〈材料〉3〜4人前

・舞茸
2株
・ささみ
400g
・ニンニク
小1片
・オリーブオイル
大さじ5
・レモン
大さじ5
・塩
大さじ1
・ブラックペッパー
適量
・バジル
適量

〈作り方〉

  1. 1.舞茸は石づきをとってほぐし、蒸すか、少なめのお湯で蒸し茹でにする。
  2. 2.ささみは茹でて食べやすい大きさにほぐす。
  3. 3.バジルはみじん切り、ニンニクはみじん切りもしくはすり下ろしておく。
  4. 4.水を切った舞茸とささみをボウルに入れ、ニンニク、バジル、オリーブオイル、レモン、塩、ブラックペッパーと和えて完成 ※レモンが効いているとおいしいので、お好みで調節してください。

2.きのことトマトの酸っぱ辛スープ

【腸活ダイエットレシピ】きのことトマトの酸っぱ辛スープ

火を通す時間が少ない時短レシピです。

腸活におすすめの食材がたっぷり入って、腸内環境を整えるために重要な栄養素も多く摂ることができます。

〈材料〉2〜3人前

・しめじ
1/2株
・椎茸
3〜5本
・トマト
中1個
・レタス
1/4個
・中華スープのもと
約大さじ2
・水
300ml
・米酢
お好みで
・ラー油
お好みで

〈作り方〉

  1. 1.きのこ類は石づきを取り、食べやすい大きさにほぐす。
  2. 2.トマトはくし切りにする。
  3. 3.鍋に水をはり、きのことトマトを入れて火を付ける。
  4. 4.水が沸騰したら食べやすい大きさにちぎったレタスを入れ、中華スープのもとで味をつける。
  5. 5.鍋もしくは直接お椀にお好みの量の米酢とラー油を入れて完成。
    ※さらにお好みでごま油、ごまを入れても美味しく召し上がれます。

3.白菜ときのこのゴマサラダ

【腸活ダイエットレシピ】白菜ときのこのゴマサラダ

使用する食材は白菜ときのこの2種類のみ

副菜としてメニューにプラスするだけで、食事の腸活レベルがアップするはずです。

〈材料〉3〜4人前

・白菜
1/4個
・しめじ
2/3株
・塩
大さじ1(白菜塩揉み用)
・すりごま
70g程度
・豆乳マヨネーズ
大さじ3
・すし酢
大さじ2

〈作り方〉

  1. 1.白菜5㎜幅程度の大きさに切る。
  2. 2.切った白菜を大さじ1の塩で和え、塩もみする。
  3. 3.しめじは蒸すか、少なめのお湯で蒸し茹でする。
  4. 4.それぞれ水を絞り、ボウルですりごま、調味料とともに和える。
  5. 5.味見をして必要であれば塩で味を整える。
  6. ※白菜の塩揉みの塩気があるので入れすぎに注意

腸活レシピをもっとたくさん見る▼

腸活の効果が出るまで期間はどのくらい?

腸活の効果が出るまで期間はどのくらい?

腸活の効果が出るまでには、元々の腸内環境なども影響するため個人差があります。

さらに、腸内に取り込んだ菌は少し留まった後に体外へ排出されてしまいます。そのためまずは、腸活を日常的に継続して取り組んでいくことが重要です。

腸内環境を整える方法をもっと詳しく知る▼

腸活のその他の嬉しい効果

腸活ダイエットの鍵は腸内環境にあり!

菌の力で腸内環境を整える腸活に期待できる効果は、ダイエットだけにとどまりません。
腸内環境が改善されることによってもたらされるメリットは、健康面から美容面と多岐に渡ります。

ここからは、腸活がもたらすさらに嬉しい効果をご紹介します。

便秘解消

便秘解消

腸活によって腸内環境が整うことで、便秘解消が期待できます
便秘が起こる原因はさまざまですが、主な原因として腸の活動機能の低下や水分・食物繊維不足が考えられます。

バランスの摂れた食事を意識し、腸内で善玉菌が働きやすい環境を意識した腸活をすることによって、腸が元気になり、活動が活性化されます。腸の働きが活発になると、便の排出を促すぜん動運動も活発になるのです。

腸活によって便秘解消は期待できますが、もちろん適度な運動も大切。便秘解消のためには腸活と同じように、適度な運動も継続・習慣化できると良いですね。

美肌効果

美肌効果

実は、肌は腸の状態をうつしだす鏡と言われるほど、肌と腸は密接に関係しています。

腸内環境が悪化して腸内で悪玉菌が増殖すると、便秘などのトラブルが引き起こされ、その結果腐敗物質などが溜まってきます。
この腐敗物質が腸管内から吸収され、血液で全身を巡ることによって身体の表面の肌にもさまざまなトラブルが発生してしまうのです。

脂っこい食事や白砂糖の摂り過ぎなど、腸内で悪玉菌のエサとなって悪玉菌の増殖を増やすものをなるべく控え、反対に善玉菌のエサとなって善玉菌の増殖を助けるものを積極的に食べることが、美肌の秘訣と言えます。

健やかで美しい肌は、健やかな腸内から。腸活で美肌を手に入れましょう。

免疫力アップ

免疫力アップ

実は免疫力アップも、腸活のメリットのひとつ。
腸にはウイルスや有害物質が体内に侵入するのを防ぎ、撃退してくれる免疫細胞が集中しています。

なんと免疫に関わる細胞の6割以上が腸に存在していることから、腸は体内で最大の免疫器官ともいわれているのです。体を守るために異物や異常な細胞と戦う働く防御システムを持つ免疫は、いわば体の警備隊のようなもの。
しかし、残念ながらこの免疫は年齢とともに衰えてしまうこともわかっています。腸活を継続することで腸にアプローチすれば、免疫を高めてキープすることも可能に。

腸の健康を保つことこそ、免疫力アップの秘訣と言えるでしょう。

腸活ダイエットの鍵は腸内環境にあり!

腸活ダイエットの鍵は腸内環境にあり!

今回は菌活の中でも腸内環境を整える菌活(=腸活)とダイエットの関係にフォーカスして、

・菌活がダイエットに効果的な理由
・菌の働き
・腸内環境を整えるためのレシピや生活習慣

などについてお伝えしました。

菌活は日常に取り入れ、継続してこそ効果が見えてくるもの。1つずつ習慣化して腸内環境を整えていきましょう!

参考文献:
※1 大草 敏史,小井戸 薫雄,fecal microbiota transplantation とその臨床応用,2015
※2 VANESSA K. RIDAURA, JEREMIAH J. FAITH, FEDERICO E. REY, JIYE CHENG, ALEXIS E. DUNCAN, ANDREW L. KAU, NICHOLAS W. GRIFFIN, VINCENT LOMBARD, BERNARD HENRISSAT, JEFFREY I. GORDON Gut Microbiota from Twins Discordant for Obesity Modulate Metabolism in Mice ,2013
※3 Peter J. Turnbaugh, Ruth E. Ley, Michael A. Mahowald, Vincent Magrini, Elaine R. Mardis & Jeffrey I. Gordon ,An obesity-associated gut microbiome with increased capacity for energy harvest,2006
※4 ビフィズス菌 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※5 乳酸菌 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※6 ナットウキナーゼ | 日本ナットウキナーゼ協会
※7 酢酸菌のヒト臨床試験で「分泌型免疫グロブリンA抗体の増加」と「風邪に見られる諸症状の減少」を確認 | ニュースリリース | キユーピー

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
X : @yutaka_shimo

プロフィールを見る