掲載日 | 2024.03.31
更新日 | 2024.03.31

くすみのタイプ別、正しいケア方法!輝く素肌を手に入れるために

掲載日 | 2024.03.31
更新日 | 2024.03.31
明るく輝く素肌は、多くの人が目指す美の象徴です。しかし、不規則な生活、紫外線の影響などにより、「お肌のくすみ」が現れ、その輝きを失いがちです。

肌くすみは単なる一時的な問題ではなく、様々な原因によって引き起こされる複雑な状態です。乾燥、角質の厚み、血行不良からメラニンの蓄積や糖化に至るまで、くすみを引き起こす要因は多岐にわたります​​​​​​。

この記事では、このような肌のくすみの原因を探り、タイプ別の効果的な対策方法から、日々のケアなど、明るく健康的な肌を取り戻すための解決策をご紹介します。

お肌のくすみとは

お肌のくすみとは

「お肌のくすみ」とは、肌の透明感が失われ、顔色が暗く見える状態を指します。

くすみがあると、顔色が暗く見えたり、肌の透明感が失われたりするため、メイクのノリが悪くなったり、実年齢よりも老けて見えることが悩みとして挙げられます​​。ターンオーバーの乱れもくすみの一因となり、年齢とともに遅くなるため、エイジングケアでの対策が必要です​​。

肌のくすみには、乾燥による透明感の喪失、血行不良による青っぽいくすみ、メラニン蓄積による色素沈着など、さまざまなタイプが存在します。それぞれ、タイプごとに原因となっていることは違うので、自分がどのタイプのくすみなのか確認し、タイプに合った対策をとることが大切です。

お肌のくすみの種類

お肌のくすみには、それぞれ種類があります。お顔の色をよく観察してみましょう。

灰色のくすみ(古い角質)

灰色のくすみ(古い角質)

お肌が灰色に見えるタイプのくすみは、古い角質が溜まっていることによるものです。肌の表面に古い角質層が蓄積すると、肌の透明感が失われ、灰色がかったくすみが発生します。この古い角質は、肌の自然なターンオーバー(新陳代謝)の過程で自然に排出されるべきものですが、ターンオーバーの乱れや外部環境の影響により、適切に排出されずに肌表面に残ってしまいます​​。

古い角質が肌表面に残ると、肌はゴワゴワと硬くなり、その結果、光の反射が均一ではなくなります。健康的な肌は、角質層が適切な厚さで整っているため、光をきれいに反射して輝きを放ちます。しかし、角質が厚くなりすぎると、光の反射が乱れ、肌がくすんで見えるのです​​​​。

青色のくすみ(血行不良)

青色のくすみ(血行不良)

お肌が青色に見えるタイプのくすみは、主に血行不良が原因で起こります。血行不良が生じると、肌に十分な酸素や栄養が運ばれにくくなり、特に顔の皮膚が薄い部分では、血液の流れが悪くなることで青黒く見えることがあります。この状態を俗に「青くすみ」と呼びます。

血行不良は、冷え性や長時間のデスクワーク、運動不足などによって引き起こされることが多く、特に目の下のような皮膚が薄い部分で目立ちやすくなります。肌のくすみだけでなく、疲れやすさや肌荒れの原因にもなり得るため、日常生活での改善が求められます​​​​。

黄色いくすみ(糖化)

青色のくすみ(血行不良)

お肌が黄色に見えるタイプのくすみは、糖化が原因の一つとされています。糖化とは、体内に摂取された糖分が余分になると、肌のコラーゲンやエラスチンなどのタンパク質と結びつき、最終糖化産物(AGEs: Advanced Glycation End products)を形成する現象です。この糖化反応により生じたAGEsは、肌の弾力を支える真皮層にダメージを与え、肌に黄色がかったくすみを引き起こします​​​​。

特に、糖化は加齢とともに進行しやすくなるため、年齢を重ねると肌の黄ぐすみが目立ちやすくなります。また、偏った食生活や運動不足などの生活習慣も、糖化を促進する要因となり得ます​​​​。

茶色いくすみ(紫外線)

茶色いくすみ(紫外線)

お肌が茶色に見えるタイプのくすみは、主に紫外線の影響によるものです。紫外線を浴びると、肌を保護しようとするメラノサイトが活性化し、メラニン色素を生成します。このメラニン色素が肌に蓄積することで、肌が茶色く見えるくすみが発生します​​。特に、長期間にわたる紫外線の過剰な露出は、メラニンの過剰生成を引き起こし、シミやそばかすの原因ともなります。

タイプ別くすみ対策!正しいケア方法

タイプ別くすみ対策!正しいケア方法

お肌のくすみは、タイプによって原因も変わってきます。それぞれのタイプごとに、正しいケア方法をご紹介します。

灰色くすみは乾燥予防

灰色に見えるお肌のくすみは、表皮に古い角質が蓄積することで生じます。古い角質が溜まると、肌の表面が均一でなくなり、光の反射が乱れて肌が灰色っぽく見える原因となります。この古い角質の蓄積の背後には、実は乾燥が大きく関係しています​​​​。

肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下し、外部からの刺激に対する抵抗力が弱まります。さらに、肌の水分不足は細胞間脂質や天然保湿因子の減少を招き、角質層の柔軟性を損なうため、正常なターンオーバー(肌の生まれ変わり)が妨げられ、古い角質が肌表面に溜まりやすくなります​​​​。

乾燥肌が起きる原因

乾燥肌が起きる原因

乾燥肌の主な原因としてよく指摘されるのは、確かに空気の乾燥や保湿不足などの外的要因です。しかし、それ以上に肌の乾燥を引き起こす要因として、洗浄力の強いクレンジングや洗顔の使用が挙げられます。これらの洗浄剤は、肌から必要な油分や保湿成分を取り除いてしまい、その結果、肌の乾燥を招くことがあります​​​​。

強力な洗浄剤は、肌の表面にある自然な保護膜である皮脂を過剰に除去してしまいます。皮脂は肌を外部の刺激から守り、潤いを保持する重要な役割を果たしています。この保護膜が損なわれると、肌は水分を保持できなくなり、乾燥や肌荒れの原因になります。また、洗浄力が強すぎると、肌のpHバランスが崩れ、肌のバリア機能が低下することも指摘されています​​​​。

洗浄力の強いクレンジングや洗顔をやめる

お肌には様々な常在菌が生息していて、その中には美肌菌と呼ばれる菌がいます。美肌菌は肌の表面に自然に存在する微生物で、肌の健康状態を保つために不可欠です。これらの微生物は、肌の表面で皮脂を分解して、グリセリンや脂肪酸などの保湿成分を生成し、肌を柔らかく保つために必要な微生物群を形成します。過剰な洗浄によってこれらの美肌菌が洗い流されると、肌の保湿機能が損なわれ、乾燥や肌トラブルの原因となることがあります​​。

合成界面活性剤に注意

合成界面活性剤に注意

合成界面活性剤を含むクレンジングや洗顔料は、効果的に油汚れを落とすことができる一方で、お肌に必要な潤いや美肌菌を洗い流してしまうことがあります。合成界面活性剤は非常に洗浄力が強いため、肌の皮脂や保湿成分だけでなく、肌表面の微生物バランスにも影響を与えてしまうことが懸念されています​。

どのような成分を選んだらいいかはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

カフェインやアルコールにも注意

カフェインやアルコールにも注意

カフェインの摂りすぎやアルコールの過剰摂取は、体内から水分を逃がし、結果的に肌を乾燥させる原因になります。特にカフェインには利尿作用があり、これによって体内の水分が多く排出されるため、肌の乾燥に繋がります。

カフェインを適量で摂取する場合、血行促進などの効果が期待できますが、過剰に摂取すると血行不良を引き起こし、肌のくすみや乾燥を招く可能性があります。特にコーヒーを1日に4杯以上飲むと、このような影響が出やすくなります​​​​。

カフェインが体内でアデノシンの代わりに受容体と結合すると、疲れや眠気を感じにくくなりますが、これが睡眠の質の低下につながり、睡眠中の細胞の再生がうまく行かなくなることもあります。

睡眠中は肌の新陳代謝が活発に行われ、成長ホルモンが分泌されるため、このプロセスが乱れると肌荒れや肌の老化が進む原因となります。さらに、カフェインの利尿作用による水分不足は、肌の乾燥だけでなく、ビタミンCなどの栄養素の排出を促し、肌の健康に必要な成分の不足にもつながります​​。

青色くすみは血流アップ

青色くすみは血流アップ

青色に見えるお肌のくすみは、血行不良が原因となっていることが多いため、青色くすみは血流アップが改善に欠かせません。

血流が良くなると、肌細胞に栄養素がしっかりと届き、新陳代謝が活発になります。その結果、健康的で明るい肌色を取り戻すことができます。血流を改善する方法としては、定期的な運動、温かい飲み物の摂取、温浴、マッサージなどが効果的です。

女性は鉄分不足に要注意

女性は生理により鉄分が失われやすく、特に月経のある50歳未満の女性の5人に1人が貧血の状態にあると言われています。鉄分の不足は血液中の酸素運搬能力を低下させ、これが血行不良を引き起こす一因となります。結果として、肌の新陳代謝が乱れ、くすみや乾燥などの肌トラブルを招く可能性があります​。

鉄分摂取ならヘム鉄を

鉄分摂取ならヘム鉄を

鉄分にはヘム鉄非ヘム鉄の2種類があり、ヘム鉄は主に動物性食品に含まれ、非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれます。ヘム鉄の方が非ヘム鉄に比べて吸収率が高いため、鉄分を効率的に摂取するにはヘム鉄が含まれる食品やサプリメントを選ぶことが推奨されます​。

ヘム鉄は主に赤身の肉、レバー、魚などの動物性食品に多く含まれています。これらの食品は鉄分の効率的な摂取源とされています。

経血量が多い方や、動物性の食品をあまり食べない方は、貧血になりやすいので、食事で改善するか、難しい方はサプリメントの摂取がおすすめです。

ウォーキングなどの軽い運動を日課に

運動をすると心臓がより効率的に働くようになります。心臓は血液を体中に送り出すポンプの役割を果たしており、運動によって心臓の筋肉が鍛えられ、心拍出量(心臓が1回の拍動で送り出す血液の量)が増加します。これにより、体の各部に酸素や栄養素を運ぶ血液の循環が促進され、血流が改善されるのです。

また、運動は血管の健康にも良い影響を与えます。適度な運動は、血管を拡張させる効果があり、これによって血液の流れがスムーズになります。特に、内皮細胞(血管の内側を覆っている細胞)の機能が向上し、血管の柔軟性が保たれます。血管が柔軟であると、血圧の上昇に対して血管が広がって対応できるため、全体的な血流が良くなります。

まずはウォーキングなどの軽い運動から始めてみるのがおすすめです。

黄色くすみはターンオーバーを整える

鉄分摂取ならヘム鉄を

お肌が黄色くくすんで見える現象は、糖化というプロセスが原因の一つとされています。糖化によって損傷を受けた細胞が肌に蓄積すると、肌のターンオーバーが乱れ、古い細胞が肌表面に留まり続けることになります。これが、肌のくすみや黄ばみの見た目を悪化させる原因の一つとなります。

残念ながら、一度糖化してしまった細胞やタンパク質は基本的に元の状態に戻すことが非常に難しいです。このため、糖化による肌の老化や機能低下を防ぐためには、糖化した細胞やタンパク質を新しいものと入れ替えることが重要となります。これを実現するためには、体内の代謝機能を向上させ、肌のターンオーバーを促進することが効果的です。

糖化した細胞を新しく

体内の代謝を向上させることにより、古くなった細胞や糖化したタンパク質がより迅速に分解され、新しい細胞やタンパク質に置き換えられるようになります。

身体全体の代謝をよくするためには、バランスのとれた食生活や、睡眠、適度な運動など、健康的な生活が大切になってきます。ただ、お顔に関しては、乾燥を防ぐことも重要になってきます。

乾燥はダメ!ターンオーバーを整える方法

肌の細胞は通常、細胞同士が密接に結合していて、その間には自然な保湿成分や脂質が存在してスムーズな細胞の剥離を助けています。しかし、肌が乾燥してこれらの保湿成分や脂質が減少すると、細胞同士がうまく剥がれずに固着しやすくなります。この結果、古い細胞が肌表面に残り続け、新しい細胞の生成と置き換えが妨げられることになります。つまり、ターンオーバーが遅れてしまうのです。

お肌の乾燥についてはこちらの記事で詳しくご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

糖化する食品を控える

糖化する食品を控える

糖化を促進する可能性のある食べ物や飲み物には、特に以下のようなものがあります。これらは体内での糖化反応を加速させることが知られており、糖化による影響を抑えたい場合は摂取を控えるか、バランス良く摂取することが推奨されます。

高糖質食品

砂糖や甘味料が豊富な飲み物
ソフトドリンク、フルーツジュース、エナジードリンクなど、加糖された飲料は血糖値を急上昇させることがあり、糖化反応を促進します。

菓子類
ケーキ、クッキー、キャンディーなど、加工された高糖質なスナックやデザートも、糖化を促す可能性があります。

高GI食品

白パン、白米
高GI(グリセミック指数)の食品は、体内で素早く吸収され血糖値を急激に上昇させることがあります。全粒穀物に比べて、精製された穀物はGIが高い傾向があります。

インスタント麺やファーストフード
これらも体内で迅速に吸収されやすく、血糖値の急上昇につながることがあります。

揚げ物や過度に加熱された食品

揚げ物
高温で調理された食品は、糖化反応の一種であるメイラード反応によってAGEs(最終糖化産物)が形成されやすくなります。
バーベキューやグリル料理: 表面が焦げた肉や野菜も同様にAGEsを多く含むことがあります。

加工食品

ファーストフードや加工肉
ハンバーガー、ソーセージ、ベーコンなどの加工肉製品には、既に糖化反応によって生成されたAGEsが含まれていることがあります。

レトルトや缶詰
これらの加工食品も、製造過程で高温処理が施されるため、AGEsが多く含まれている可能性があります。

抗糖化食材や飲み物を上手に取り入れて

甘いものや炭水化物を好む方は、体内での糖化反応が進みやすい傾向にあります。
しかし、抗糖化食材や飲み物を上手に取り入れることで、糖化の予防や進行の抑制が期待できます。

緑茶
緑茶に含まれるカテキンは、強力な抗酸化作用を持ち、糖化反応を抑制することが報告されています。

シナモン
シナモンには血糖値の上昇を穏やかにする効果があるとされ、糖化の予防に役立つと考えられています。

トマト
トマトに豊富に含まれるリコピンは抗酸化物質で、糖化による肌のダメージを軽減する効果が期待されます。

ニンニク
アリシンという成分には、糖化反応を抑制する働きがあると言われています。

ルイボスティー
ルイボスティーに含まれるフラボノイド類は抗酸化作用があり、糖化反応の抑制に役立ちます。

糖化を防ぐためには、これらの食材や飲み物を上手に日々の食生活や生活習慣に取り入れることが重要です。特に緑茶やルイボスティーは、日常生活に取り入れやすいのでおすすめです。

茶色くすみは紫外線対策を!

茶色くすみは紫外線対策を!

茶色いお肌のくすみは、紫外線の影響によるメラニン色素の過剰な生成が原因になることが多いため、紫外線対策が非常に重要です。紫外線による肌へのダメージは、肌のくすみだけでなく、シワやたるみなどの早期老化の原因ともなります。

外出時間が長い日は、日焼け止めをこまめに塗り直したり、長袖や帽子など、物理的に紫外線をカットすることも大切です。

また、目から紫外線が入ると、身体は紫外線を浴びていると勘違いしてしまうので、サングラスをかけることも重要です。

お肌に優しい日焼け止めで他のトラブルを防ぐ

日焼け止めには色々な種類がありますが、毎日塗るものなのでお肌に優しいものがおすすめです。

紫外線カット効果が強いものは、その分お肌への負担が大きくなってしまいます。ウォータープルーフなど、クレンジングが必要なものはさらに、お肌に負担がかかります。
また、落ちにくいものは洗浄力の強いクレンジングが必要になってくるので、結果としてお肌の乾燥を招いてしまいます。

普段使うものに関しては、お湯や石けんで落ちる、お肌に優しいものを使ったり、日傘やフェイスマスクなど、他のアイテムを併用して紫外線対策をするのがおすすめです。

それぞれのタイプに合わせたくすみ対策を!

それぞれのタイプに合わせたくすみ対策を!

お肌のくすみには様々な原因があり、それぞれ異なる対策が必要です。

血行不良による青白いくすみは、適度な運動やマッサージで血流を改善することが効果的です。紫外線による茶色くすみは、日焼け止めの使用や外出時の紫外線対策が重要です。糖化による黄ばみくすみには、糖質の摂取を控え、抗糖化食品の摂取が推奨されます。また、肌の乾燥が原因で起こるくすみには、保湿を心がけ、水分と油分をバランス良く補うことが大切です。さらに、古い角質がたまっている場合は、ターンオーバーを促進し、明るい肌を取り戻すことができます。

各タイプのくすみに合わせた適切なケアを行うことで、肌の健康と輝きを保つことができます。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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