おりものが多い…考えられる原因と膣内フローラを整える方法
例えば、ストレスやホルモンバランスの乱れ、感染症などが考えられます。
この記事では、おりものの基本的な知識から、なぜおりものが多くなるのか、またその対処法について詳しく解説します。さらに、年代やホルモンの変化によって異なるおりものの特徴についても触れ、読者の皆様が自分の体をよりよく理解し、適切なケアを行うための情報を提供します。
おりものって何?
おりものとは、女性の膣や子宮頸部から分泌される粘液のことを指します。この粘液は、膣の内部を清潔に保ち、感染症から守る役割を果たしています。
通常、おりものは透明または乳白色で、無臭か軽い酸味のある匂いがします。量や質は、月経周期やホルモンバランス、年齢などによって変化します。特に排卵期や妊娠初期には、おりものの量が増えることが一般的です。おりものの役割については、次の章で詳しく説明しますが、日常的に体の状態を知るための重要なサインであることを理解しておくと良いでしょう。
おりものの役割
おりものは、女性の健康を維持するために欠かせない重要な役割を果たしています。膣の環境を清潔に保つだけでなく、受精を助ける機能も持っています。ここでは、おりものの2つの主要な役割について詳しく説明します。
膣の自浄作用
おりものは、膣内の自浄作用を助ける役割を果たします。膣の内部を洗い流し、細菌や異物を排出することで、感染症を予防します。おりものに含まれる乳酸菌や酵素が、膣内のpHバランスを維持し、健康な環境を保つために働いています。
これにより、病原菌の増殖を抑制し、膣内の健康を守ることができます。
受精の手助け
おりものは、受精のプロセスにも重要な役割を果たします。排卵期に分泌されるおりものは、精子が子宮頸部を通過しやすくするための潤滑剤として働きます。また、排卵期のおりものは通常よりも粘度が低く、精子が移動しやすい環境を提供します。
これにより、精子が卵子に到達する確率を高め、受精の成功率を向上させます。
おりものとデーデルライン桿菌
おりものは、女性の健康維持に欠かせないものであり、その中でも重要な役割を果たしているのがデーデルライン桿菌(ラクトバチルス)です。デーデルライン桿菌は、膣内の健康を保つために必要不可欠な存在であり、膣内の環境を健康に保っています。
デーデルライン桿菌は、膣内に常在する善玉菌の一種であり、乳酸を生成します。この乳酸が膣内のpHを酸性に保つことで、有害な細菌やカビの増殖を抑制します。膣内の環境を健康に保つためには、この酸性環境が非常に重要です。
デーデルライン桿菌の役割
デーデルライン桿菌が生成する乳酸は、膣内のpHを約3.8~4.5の酸性に保ちます。この酸性環境は、病原菌やカビの増殖を抑え、感染症の予防に寄与します。特に膣炎や膀胱炎のリスクを低減する効果があります。
バランスの維持
健康な膣内では、デーデルライン桿菌が優勢を占めており、他の細菌や微生物とのバランスを保っています。このバランスが崩れると、膣内の健康が損なわれることがあります。例えば、抗生物質の使用やストレス、ホルモンバランスの変化などが原因で、デーデルライン桿菌の数が減少することがあります。
自然治癒力の向上
デーデルライン桿菌が膣内で優勢を保つことで、膣の自然治癒力が高まります。おりものを通じてデーデルライン桿菌が補充されることで、膣内環境が正常に維持され、軽度の感染や炎症が自然に治癒しやすくなります。
生理周期のおりものの変化
女性の体は、生理周期を通じてホルモンバランスの変化に応じてさまざまな変化を経験します。その一つがおりものの状態です。おりものの色やにおい、量は、周期のどの段階にあるかによって異なります。
卵胞期
卵胞期は、生理が終わった後から排卵までの期間を指します。この期間のおりものは、比較的少量で、透明または白っぽく、さらさらとした質感です。においはほとんどなく、膣内が清潔に保たれている状態を示しています。
この時期はエストロゲンの分泌が増えるため、膣内環境も整いやすくなります。
排卵期
排卵期は、卵子が卵巣から放出される時期で、おりものの量が最も多くなる期間です。この期間のおりものは、透明で伸びやすい粘性を持ち、生卵の白身のような質感になります。においは通常ほとんどありませんが、少し甘い香りを感じることもあります。排卵期のおりものは精子が移動しやすい環境を作り、受精を助ける役割を果たしています。
黄体期
黄体期は、排卵後から次の生理が始まるまでの期間です。この期間のおりものは、量が徐々に減少し、白っぽくクリーム状の質感になります。においは弱く、膣内がやや乾燥しやすい状態です。黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で、おりものの量と質が変化します。
生理前
生理前の数日間は、おりものの量が再び増えることがあります。この時期のおりものは、黄色みを帯びることがあり、粘度が高くなることがあります。においは少し強くなることもありますが、通常は不快なものではありません。生理前のホルモン変動により、膣内環境が変化しやすくなるためです。
妊娠時期のおりもの
妊娠すると、体内のホルモンバランスが大きく変化し、それに伴いおりものの状態も変わります。おりものの量や質、色、においなどが妊娠の進行に応じて変化し、これらの変化を知ることで妊娠の兆候を早期に察知することができます。
妊娠初期のおりもの
妊娠初期には、エストロゲンとプロゲステロンの増加により、おりものの量が増えることがあります。この時期のおりものは、透明または乳白色で、粘り気があります。においはほとんどなく、無臭か軽い酸味を感じる程度です。
また、妊娠初期には免疫機能が変わり、膣内を清潔に保つためにおりものが増えることが一般的です。
妊娠中期から後期のおりもの
妊娠が進むにつれて、おりものの量はさらに増えることがあります。おりものの色は透明から白色で、質は滑らかで粘り気があります。妊娠中期から後期にかけて、おりものが多くなるのは正常な現象であり、膣内を清潔に保ち、感染を防ぐためです。
ただし、異常な色やにおい、かゆみなどがある場合は、感染症の可能性があるため、医師に相談することが必要です。
妊娠初期と生理前のおりものの違い
妊娠初期と生理前のおりものは似ている点も多いため、違いを見極めるのは難しい場合があります。しかし、いくつかの特徴に注目することで、違いを把握することができます。
量と質 | 妊娠初期のおりものは、通常よりも量が多く、粘り気があります。 生理前のおりものは、個人差があるものの、量が減少する傾向があります。 |
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色 | 妊娠初期のおりものは、透明または乳白色であることが多いです。 生理前のおりものも同様の色を持ちますが、黄色みを帯びることもあります。 |
におい | 妊娠初期のおりものは、ほとんど無臭か軽い酸味があるだけです。 一方、生理前のおりものは、ホルモンバランスの変化により、においが少し強くなることがあります。 |
その他の症状 | 妊娠初期には、おりものの変化以外にも、乳房の張りや吐き気、疲れやすさなどの症状が現れることがあります。 これに対して、生理前には、腹痛や胸の張り、イライラなどのPMS(生理前症候群)の症状が見られることが一般的です。 |
年齢によるおりものの変化
おりものは女性のライフステージによってその量や質、色、においが変化します。年齢によるホルモンバランスの変動や体の成長・老化の過程で、おりものの状態も異なってきます。
ここでは、10代から閉経後までの年代別のおりものの変化について詳しく説明します。
10代のおりもの
10代の女性は、思春期に入りホルモンバランスが大きく変化します。この時期のおりものは、初潮の前後から始まり、量は少なめで、透明または白っぽくさらさらとした質感です。においもほとんどありません。
この時期のおりものは、膣内の自浄作用を助け、感染症から守る役割を果たします。また、月経周期がまだ安定していないため、おりものの状態も変わりやすいです。
20代~30代前半のおりもの
20代から30代前半の女性は、ホルモンバランスが安定し、生殖能力が最も高い時期です。この期間のおりものは、量が多く、排卵期には特に増加します。
おりものは透明で粘り気があり、卵白のような質感です。においは軽い酸味がありますが、通常は無臭に近いです。
この時期のおりものは、膣内を清潔に保つだけでなく、受精を助ける役割も果たします。
30代後半~40代のおりもの
30代後半から40代にかけて、女性は徐々にホルモンバランスが変化し始めます。
この時期のおりものは、量が減少し、質も変わってくることがあります。おりものの色は透明から白色で、粘り気が少なくなることが一般的です。においも弱まりますが、ストレスや生活習慣の影響で変化することがあります。
また、閉経に向けてホルモンの変動が大きくなるため、おりものの状態が不安定になることがあります。
閉経後のおりもの
閉経後の女性は、エストロゲンの分泌が大幅に減少します。このため、おりものの量は著しく減少し、膣内の乾燥が進みます。おりものは少量で、透明から薄黄色、または白っぽい色をしており、粘り気もほとんどありません。
においは軽い酸味がありますが、強くないです。閉経後は膣の自浄作用が低下し、感染症にかかりやすくなるため、適切なケアが必要です。
おりものが多い!気にした方がいいラインは?
おりものの量は個人差があり、一概に「これくらいが多い」と言える基準はありません。しかし、自分の通常の状態と比較して明らかに量が増えた場合や、おりものシートをつけてもはみ出すほどの量がある場合は、注意が必要です。ここでは、おりものの量が多くなった時に気にすべきポイントについて説明します。
おりものの量が一時的に増えることは、ホルモンの変動やストレス、体調の変化など、様々な要因によって起こることがあります。しかし、以下のような状況が続く場合は、体の異常を示している可能性があるため、専門医に相談することをお勧めします。
以前と比べて急激に増えた
もし、通常のおりものの量と比較して急に増えた場合、特にその変化が突然で著しい場合は、何らかの体調変化が原因である可能性があります。感染症やホルモンの乱れなど、様々な要因が考えられます。
おりものシートをつけてもはみ出すほどの量
おりものシートを使用しても量が多すぎて吸収しきれない場合、通常の範囲を超えていると考えられます。このような場合も、体内で何か異常が起きている可能性があります。
異常な色やにおい、かゆみを伴う場合
おりものの量が多くなるだけでなく、色が黄色や緑色に変わったり、強いにおいがしたり、かゆみや痛みがある場合は、感染症の可能性があります。特にカンジダ症や膣炎、性感染症などが考えられるため、早めに医師の診察を受けることが重要です。
他の症状を伴う場合
おりものの増加に加えて、腹痛や発熱、不正出血などの他の症状がある場合も、何らかの健康問題が隠れている可能性があります。このような症状がある場合は、速やかに医療機関に相談することをお勧めします。
おりものの量が多いこと自体は必ずしも異常ではありませんが、自分の通常の状態と比較して異常を感じた場合は、専門医に相談して適切な対処をすることが大切です。
おりものが多い!考えられる原因とは
おりものの量が増えることには、さまざまな原因が考えられます。通常、おりものの量は個人差があり、ホルモンバランスや体調の変化によっても変動します。
ここでは、おりものが多くなる主な原因について詳しく説明します。
ホルモンによるもの
ホルモンの変動は、おりものの量に大きく影響を与える要因の一つです。女性の体は、生理周期や妊娠などの過程でホルモンのバランスが変化し、その結果、おりものの量も変動します。
排卵期、黄体期は増えやすい
生理周期の中で、おりものの量が特に増える時期があります。それが排卵期と黄体期です。
排卵期 | 排卵期は、卵子が卵巣から放出される時期で、この時期のおりものは特に量が増えます。 排卵期のおりものは、透明で伸びやすい粘性があり、卵白のような質感です。 これは、精子が子宮頸部を通過しやすくするための自然な生理現象です。 |
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黄体期 | 排卵後の黄体期には、プロゲステロンの分泌が増加し、これによりおりものの量が増えることがあります。 この時期のおりものは、白っぽくクリーム状の質感になることが一般的です。 |
妊娠初期は増えやすい
妊娠初期も、おりものの量が増える時期です。
妊娠が成立すると、体内でエストロゲンとプロゲステロンの分泌が増加し、おりものの量が増えることがあります。妊娠初期のおりものは、透明または乳白色で粘り気があります。これは、膣内を清潔に保ち、感染症を防ぐための自然な反応です。
これらのホルモンの変動によるおりものの増加は、通常の生理現象の一部であり、心配する必要はありません。
婦人科系疾患
婦人科系疾患は、おりものの量や質に大きな影響を与えることがあります。
子宮体がん、子宮頸がん
子宮体がんは子宮内膜に発生するがんで、おりものの増加が初期症状の一つとして現れることがあります。おりものは、血液が混じっていることがあり、茶色やピンク色をしていることが多いです。また、不正出血が伴うこともあります。
子宮頸がんは子宮頸部に発生するがんで、おりものの量が増えることがあります。おりものの色は茶色や血液が混じった赤色になることが多く、においが強くなる場合もあります。不正出血や性交時の出血が見られることがあります。
子宮内膜炎、卵管炎
子宮内膜炎は子宮内膜に炎症が起こる病気で、細菌感染が主な原因です。おりものの量が増え、黄色や緑色を帯びることがあり、悪臭を伴うことがあります。また、下腹部の痛みや発熱を伴うこともあります。
卵管炎は卵管に炎症が生じる病気で、クラミジアや淋菌などの性感染症が原因となることが多いです。おりものの量が増え、黄色や緑色を帯び、悪臭を伴うことがあります。さらに、下腹部の痛みや発熱、性交痛などの症状も見られます。
カンジダ膣炎
カンジダ菌が過剰に増殖することで起こる感染症です。おりものは白く、ヨーグルト状やカッテージチーズ状の質感になります。強いかゆみや灼熱感、赤みなどを伴うことが多いです。カンジダ膣炎は、抗生物質の使用や免疫力の低下が引き金となることがあります。
感染症
感染症は、おりものの量や色、においに変化をもたらすことがあります。
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、性感染症の一つで、クラミジア・トラコマティスという細菌が原因です。初期には症状が現れにくいですが、進行すると以下のような症状が現れます。
おりものの変化 | おりものの量が増え、白色から黄色に変化することがあります。 においは通常それほど強くありません。 |
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その他の症状 | 排尿時の痛みや不快感、性交時の痛み、下腹部の痛みが見られることがあります。 放置すると、骨盤内炎症性疾患(PID)を引き起こすことがあります。 |
細菌性膣炎
細菌性膣炎は、膣内の常在菌バランスが崩れ、悪玉菌が増殖することで発生します。ガードネレラ菌などが原因となることが多いです。
おりものの変化 | おりものの量が増え、灰白色または黄色がかった色をしていることがあります。 特有の魚のような強いにおいがします。 |
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その他の症状 | かゆみや灼熱感、膣内の不快感を伴うことがあります。 |
トリコモナス膣炎
おりものの変化 | おりものの量が増え、黄色や黄緑色を帯びることがあります。 泡状になることが多く、悪臭を伴います。 |
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その他の症状 | 強いかゆみや灼熱感、排尿時の痛み、不快感が見られることがあります。 男性にも感染し、尿道炎を引き起こすことがあります。 |
菌のバランスが崩れている
膣内の健康は、善玉菌と悪玉菌のバランスによって保たれています。
このバランスが崩れると、膣内の環境が悪化し、おりものの量が増えることがあります。
ウォシュレットや石けんで洗いすぎている
ウォシュレットや石けんを使って膣内を過剰に洗うことで、膣内の善玉菌まで洗い流してしまうことがあります。善玉菌が減少すると、悪玉菌が増殖しやすくなり、膣内のバランスが崩れます。
膣内の菌のバランスが崩れることで、おりものの量が増えることがあり、色やにおいも変わることがあります。膣内が乾燥してかゆみや灼熱感を感じることもあります。
おりものシートの交換頻度が少ない
おりものシートの交換頻度が少ないと、湿気や温度が高くなり、細菌が繁殖しやすくなります。これにより、膣内の環境が悪化し、おりものの量が増えることがあります。
お長時間同じおりものシートを使い続けると、おりものが黄色く変色したり、においが強くなることがあります。また、かぶれやかゆみを引き起こすこともあります。
身体が冷えている
身体の冷えは、血液循環を悪化させ、ホルモンバランスや代謝にも影響を与えます。これにより、膣内の環境が変化し、おりものの量が増えることがあります。
冷たいものの摂りすぎ
冷たい飲み物や食べ物を過剰に摂取することで、体内が冷え、血液循環が悪化します。特に内臓が冷えると、全身の血流が滞り、ホルモンバランスが乱れることがあります。
特に女性は筋肉がつきにくく、身体が温まりにくいので、身体が冷えやすくなっています。
湯船に浸からずシャワーで済ませてしまう人や、アイスコーヒーをよく飲む人、飲み物にいつも氷を入れている人は身体が冷えて、それが原因でおりものが増えている可能性があります。
身体に熱がこもっている
身体に熱がこもることは、体内の代謝やホルモンバランスに影響を与え、膣内の環境を変化させる要因となります。体内の熱がこもると、炎症反応が起こりやすくなり、これが膣内にも影響を及ぼし、おりものの量が増えることがあります。
小麦製品、砂糖、乳製品の摂りすぎ
パンやパスタなどの小麦製品を過剰に摂取すると、体内で炎症反応を引き起こすことがあります。小麦にはグルテンが含まれており、一部の人にとっては消化しにくく、体内で炎症を引き起こす原因となります。この炎症が膣内環境にも影響を及ぼし、おりものの量が増えることがあります。
砂糖の過剰摂取や乳製品の摂りすぎも、体内で炎症を引き起こすことがあります。砂糖は、酵母菌(カンジダ菌)の増殖を助長し、膣内のバランスを崩す原因になりますし、乳製品に含まれる脂肪分が多いと、体内で熱がこもりやすくなります。これも膣内環境に影響を与え、おりものの量が増える原因となります。
膣内の菌のバランスを整える方法
膣内の健康を維持するためには、善玉菌と悪玉菌のバランスが非常に重要です。このバランスが崩れると、感染症や不快な症状が発生しやすくなります。ここでは、膣内の菌のバランスを整えるためのいくつかの方法を紹介します。
乳酸菌やビフィズス菌をしっかり摂る
膣内の菌のバランスを整えるために、乳酸菌やビフィズス菌をしっかり摂取することは非常に効果的です。これらの善玉菌は腸内環境を改善するだけでなく、膣内の健康維持にも役立ちます。
乳酸菌の役割
乳酸菌は乳酸を生成し、膣内のpHを酸性に保つことで、悪玉菌の増殖を抑えます。これにより、膣内の健康が維持され、感染症の予防にもつながります。ヨーグルトや乳酸菌飲料、発酵食品(キムチ、納豆、味噌など)を日常的に摂取することが推奨されます。
ビフィズス菌の役割
ビフィズス菌も腸内環境を整える働きがあり、これにより全身の免疫力が向上します。腸内環境が整うことで、膣内の善玉菌のバランスも改善されやすくなります。ビフィズス菌は、乳製品やサプリメントで摂取することができます。
乳酸菌やビフィズス菌を摂取する際は、プロバイオティクスを含む食品を選び、継続的に摂ることが大切です。これにより、腸内および膣内の善玉菌のバランスを整え、健康を維持することができます。
小麦製品、砂糖、乳製品を控える
小麦製品、砂糖、乳製品の過剰摂取は、体内で炎症を引き起こしやすくなり、膣内の環境に悪影響を及ぼすことがあります。これらの食品を控えることで、膣内の菌のバランスを整えやすくなります。
小麦製品の代わりに、米粉を使用した製品を選ぶと良いでしょう。米粉はグルテンフリーで、消化が良く、炎症を引き起こしにくいです。
砂糖の代わりには、アガベシロップやハチミツを使用すると、体内の炎症を抑えることができます。これらの代替甘味料は、血糖値の上昇を緩やかにし、健康的です。
乳製品の代わりには、豆乳やアーモンドミルクなどの植物性ミルクを使用することで、膣内の菌のバランスを保ちやすくなります。豆乳は植物性で、消化が良く、栄養価も高いのでおすすめです。
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おりものが多い時はおりものシートをこまめに交換する
おりものが多いときに、おりものシートを長時間使用することは、膣内の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。おりものシートにおりものがついたままにしていると、雑菌が繁殖しやすくなり、膣内の菌のバランスを崩す原因になります。
おりものシートは、2〜3時間ごとに交換することが理想的です。こまめに交換することで、膣内の環境を清潔に保ち、雑菌の繁殖を防ぐことができます。おりものシートを使用する際は、無香料・無添加のものを選び、肌に優しい素材を使用することが大切です。また、外出時にも替えのシートを持ち歩くと便利です。
デリケートゾーンを洗う時は膣の中まで洗わない
デリケートゾーンを清潔に保つことは重要ですが、膣の中まで洗ってしまうと善玉菌まで洗い流してしまい、菌のバランスを崩す原因となります。
膣内にはデーデルライン桿菌などの善玉菌が存在し、これが膣内の酸性環境を維持し、悪玉菌の増殖を防ぎます。膣内を洗いすぎると、これらの善玉菌が減少し、バランスが崩れることがあります。
デリケートゾーンを洗う際は、外陰部のみを優しく洗うようにしましょう。無香料・無添加のマイルドな石けんを使用し、膣内には直接洗浄剤を使用しないことが大切です。
また、膣内を洗浄したい時は、専用の洗浄液を使用するのがおすすめです。善玉菌を洗い流さず、膣の中を綺麗にできるので、おりものが気になる時や生理の終わりかけでにおいが気になるような時に使うと、スッキリします。
膣内フローラを整えておりもののトラブルを改善しよう
膣内フローラを整えることは、おりもののトラブルを改善するための重要なステップです。
膣内には善玉菌と悪玉菌が共存しており、バランスが保たれていることで健康が維持されます。しかし、生活習慣や食事、ストレスなどが原因でこのバランスが崩れると、おりものの量が増えたり、不快な症状が現れることがあります。
乳酸菌やビフィズス菌を摂取し、小麦製品や砂糖、乳製品を控えること、おりものシートをこまめに交換し、デリケートゾーンを適切にケアすることが大切です。
これらの方法を取り入れることで、膣内の菌のバランスを整え、おりもののトラブルを予防・改善することができます。自分の体のサインを見逃さず、日々のケアを心がけて健康な膣内環境を保ちましょう。
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
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