白米を玄米に変えるだけ!効果や体にいい理由
「白米より、玄米のほうが体にいい?」
漠然とそんなイメージを抱いているけれど、具体的にどう違うのかピンとこない方も多いのではないでしょうか。
KINS LABOでも菌ケアの視点から、これまでも「白い炭水化物より茶色い炭水化物を」とオススメしてきました。お米であれば白米より、茶色い玄米のほうが菌ケアには適しているということになります。
そしてKINS LABOが玄米をおすすめするのには、もちろんちゃんとした理由があるんです。
今回は玄米が菌ケアに優れている理由、その意外なパワーについて解説します。
白米と玄米の違い
そもそも白米と玄米の違いって何だろう?と感じている方もいるでしょうが、この2つはもともとは同じ稲の実(お米)です。
ただ精製の度合いが違っていて、玄米は稲の実についている一番外側の殻だけを取った状態。糠(ぬか)と呼ばれる薄い皮や、胚芽などはそのまま残っています。
対して白米は精製することで、糠や胚芽も取り除いています。こうすることで糠がなくなるぶん水を吸収しやすくなり、調理に時間がからず利便性が上がるのです。
玄米は白米に比べると、糠の層をまとっているため水分吸収に時間がかかります。玄米を炊く時に事前に水に漬けなければいけないのは、このためなんですね。
しかし調理に手間がかかってしまう玄米ですが、白米に比べ栄養が豊富という長所が。
玄米にはどんな栄養があるのかも、具体的に説明していきましょう。
白米より玄米がカラダに良い理由
白米は精製の過程で糠や胚芽を取り除いていますが、実はこの糠や胚芽には多くの栄養が含まれています。
実はビタミンやミネラル、食物繊維といった重要な栄養素を多く含んでいる、糠や胚芽。この部分をそのまま残しているので、玄米は白米よりもかなり栄養が豊富なのです。
玄米と白米のカロリーはほぼ同じくらいでありながら、なんと玄米の食物繊維は白米の約6倍。さらにビタミンEは約12倍にもなります。
栄養面を考えたら、玄米は白米よりとても優秀。
また玄米が白米より固めであることも、カラダに良いポイントのひとつなのです。
白米は水分を含みやすく、もちっと柔らかく甘みのある食べ心地。でも玄米はそれに比べるとパサッとしていて弾力があり、やや固めに感じます。
しかしこの適度な固さが、よく噛んで時間をかけて食べることにもつながるのです。しっかり咀嚼して食べることで、満腹中枢を刺激してくれるのも玄米の特長。
少量でもお腹いっぱいになったと感じやすく、ダイエットにもぴったりな食品なのです。
玄米の皮やぬかには「菌」のエサが豊富!
玄米は菌ケアの視点から見ても、白米に比べ優秀なポイントがたくさんです。
皮や糠が残っていることでビタミンやミネラルに加え、食物繊維も豊富な玄米。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」の2種類がありますが、玄米に多く含まれるのは不溶性食物繊維です。
直接的に菌のエサとなりやすいのは水溶性食物繊維なのですが、この不溶性食物繊維は便通を安定させるのに大きく関わっています。
水溶性食物繊維と不溶性食物繊維はどちらかだけではなく、バランスよく一緒に摂ることが大切。その割合は水溶性1:不溶性2くらいが理想的ともいわれています。
野菜や海藻類から水溶性食物繊維を摂ると同時に、玄米で不溶性食物繊維を補うのは菌ケアの視点からもバッチリな食事法。
水溶性食物繊維は善玉菌のエサとなり、さらに水溶性と不溶性の相乗効果で食べたものをスムーズに排泄する助けになるのです。
玄米食を始めるのにオススメの人
玄米食は白米に比べ多少手間はかかりますが、栄養や菌ケアを考えたらどんどん取り入れたい食事法。
菌ケアの観点からも、単純に栄養補給やダイエットの観点からもオススメできるのが玄米なのです。
特に玄米食は
・菌ケアを始めたいけど何からしたらいいかわからない
・グルテンフリー生活をしている
という方にもぴったり。
玄米はそれだけで安定したビタミン・ミネラル・不溶性食物繊維を摂ることができます。そこに水溶性食物繊維が補える野菜・海藻・きのこ・豆類などのおかずをプラスすれば、簡単にバランスの取れた菌ケアごはんが実現。
そこに漬物やキムチ、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品も加えたら、善玉菌も摂れてさらに菌ケア効率がアップします。
「菌ケアを始めようと思っても、何から食べたらいいかわからない」という方でも、「玄米+野菜中心のおかず+発酵食品」というシンプルな組み合わせを実践するだけで、理想的な菌ケアごはんになるのが嬉しいですね。
またグルテンフリーを実践している方にも、玄米はぴったり。
グルテンフリーではあらゆる小麦製品(パン・うどん・パスタ・オートミールなど)を食べることができません。しかし実はグルテンを含む小麦のような穀物には、食物繊維・ビタミンB郡・ミネラル・鉄分などの重要な栄養素も含まれているのです。
グルテンフリー生活では小麦からそういった栄養素を摂れないので、どうしても食物繊維やビタミンB郡が不足しがちに。そんな時に玄米は、足りない栄養を補える便利な食材となってくれますよ。
玄米を美味しく食べるために、選び方と炊き方のコツ
玄米と白米では、玄米のほうが栄養豊富。
しかし実は玄米のほうが、白米より高価なことも多いのをご存知でしょうか?
これは玄米の生産には、白米より手間がかかる一面があるため。白米では精製して糠や胚芽を取り除きますが、この糠などの部分は農薬が残りやすいという特性があるのです。
白米では取り除いてしまうので、栽培に農薬を使っていてもそこまで影響がありません。しかし糠や胚芽を残してそのまま食べることになる玄米では、農薬の使用は大きなポイントとなってきます。
このため玄米は低農薬や無農薬で作られることが多く、栽培に手間がかかるので若干高価になりがちなのです。
しかし無農薬で糠や胚芽を残した玄米なら、安心してカラダに必要な栄養を効率よく摂ることができます。玄米を選ぶ際には、多少高価でも無農薬のものを選びましょう。
また、玄米と白米では水分吸収のしかたが異なるので、炊き方にもコツが必要。玄米を炊く場合はしっかり水に漬けることが大切です。
玄米は白米のように「研ぐ」必要はなく、さっともみ洗いをして6時間以上は水に漬けておきます。しっかりと玄米に水を吸収させてから炊くことで、硬くなりがちな玄米もフワッと炊き上げることができるのです。
ただ毎日のこととなると、玄米を浸漬するのが面倒に感じるかもしれません。
土鍋や普通の炊飯器で炊く場合は、やはりしっかり玄米を浸漬するほうがベター。でもそれが面倒に感じられてきたら、「玄米モード」のある炊飯器や酵素玄米専用の炊飯器を購入してしまうのも手です。
玄米モードのある炊飯器では、ほとんどのものが浸漬しなくても白米と同じように炊くだけでOK。普通に洗ってスイッチオンするだけで、玄米を柔らかく炊き上げてくれますよ。
また酵素玄米の作れる炊飯器も便利なアイテム。必要な材料と玄米を入れて炊飯し保温しておくだけで、発酵が進み手軽に酵素玄米が作れます。
酵素玄米もまた、優秀な発酵食品のひとつ。もちもちしておいしいうえに発酵のチカラも加わって、オススメな菌ケアごはんです。
どうしても苦手という方は雑穀米を
玄米は白米より栄養も豊富で、菌ケアの視点からもオススメな食材。しっかり噛んで食べることで満足感も得られ、ダイエットの観点からも積極的に摂りたいものです。
ただ白米やパンの主食に慣れてしまっていると、玄米の味や食感がどうしても苦手という人もいるかもしれません。
しっかり浸漬することで柔らかくなったり、発酵玄米にすることで食べやすくなったりはするのでKINSとしては1度は試してみてほしいところ。ただそれでも苦手な方には雑穀米などもオススメです。
一般的に雑穀米とは、色々な種類の穀物を白米に混ぜたもののこと。スーパーなどでも白米に入れるだけの「雑穀米ミックス」のようなものが売られていますよね。
雑穀の種類は様々ですが、黒米・キヌア・赤米・大麦・もちきび・ひえ・あわ・アマランサスのような穀類がよく使われます。
それぞれに栄養素を多く含み、白米だけを単体で食べるよりもずっと効率よく栄養補給ができるのが雑穀米の魅力。
特に大麦は水溶性・不溶性両方の食物繊維が含まれていて、善玉菌の働きをサポート。またアマランサスもカルシウムがなんと白米の23倍と、「驚異の穀物」と呼ばれるほどの栄養を秘めています。
玄米はちょっと苦手、という方はぜひ雑穀米も取り入れてみてくださいね。
また「玄米は摂りたいけど、それだけだと食べづらい」という場合には、玄米と白米を混ぜてみるのも食べやすくする裏ワザです。
今回は玄米と白米の違い、玄米の菌ケアとしてのメリットなどをお伝えしました。
菌ケアに大切なのは、毎日の食習慣。ぜひ玄米を取り入れて、カラダにやさしい菌ケアごはんを実践してみてくださいね。
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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