掲載日 | 2024.04.18
更新日 | 2024.04.18

腸を元気に!生活習慣で整える腸内環境と腸活方法

掲載日 | 2024.04.18
更新日 | 2024.04.18
腸内環境の健康が全体的な健康に与える影響は計り知れません。現代人の多くが抱えるストレスや不規則な食生活は、腸内フローラのバランスを崩し、消化不良、肌荒れ、疲労感など様々な不調の原因となりがちです。
しかし、「腸活」という習慣を取り入れることで、これらの問題を自然と解決へ導くことが可能です。

この記事では、腸内環境についての基本的な知識から始め、腸活の具体的な効果、そしてそれを日常生活に簡単に取り入れる方法までを紹介していきます。

腸内環境とは

腸内環境とは

腸内環境とは、私たちの腸内に存在する微生物群の総称であり、そのバランスが私たちの健康に大きく影響を与えます。
この微生物群は主に大腸に生息し、善玉菌、悪玉菌、日和見菌という三つのグループに分けられます。

それぞれの菌には特定の役割があり、そのバランスが消化や免疫機能、さらには心理状態にも影響を及ぼします。

善玉菌

善玉菌は、腸内環境を健康に保つために非常に重要な役割を果たします。これらの菌は、栄養の吸収を助け、有害な細菌の増殖を抑えることで腸の健康をサポートします。
また、ビタミンの合成にも関与し、免疫系を強化する効果も持っています。代表的な善玉菌には、ビフィズス菌やラクトバチルスがあります。

悪玉菌

悪玉菌は、過剰に増えると腸内環境のバランスを崩し、便秘や下痢などの消化器系の問題を引き起こす可能性があります。
また、体内での有害物質の生成を促進し、様々な健康問題を引き起こすこともあります。悪玉菌の増加は、不健康な食生活やストレス、抗生物質の使用などによって引き起こされることが多いです。

日和見菌

日和見菌は、腸内の環境に応じて善玉菌または悪玉菌のどちらの性質も示すことができる微生物です。
これらの菌は通常、腸内の環境が健康な状態を保っている間は中立的な役割を果たしますが、腸内環境が悪化すると悪玉菌としての活動を始めることがあります。そのため、日和見菌の存在は腸内のバランスを測る重要な指標となります。

腸活とは?

腸活とは?

腸活とは、食生活や生活習慣の見直しを通じて、腸内環境を改善し、最終的に全身の健康を促進する活動のことです。
具体的には、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌を抑制して、腸内フローラのバランスを最適な状態に保つことが目的とされています。

これにより、腸の健康だけでなく、免疫機能の強化やメンタルヘルスの改善、さらには疾病予防にも効果が期待されます。

腸内環境を整えるとは?

腸内環境を整えるというのは、腸内に存在する微生物の種類とその数を適切に管理し、健康を支えるバランスを保つことを意味します。
これには、悪玉菌と呼ばれる有害な微生物の活動を抑えつつ、善玉菌を活発にすることが含まれます。

善玉菌が十分に存在することで、腸壁の保護、有害物質の解毒、必要なビタミンの合成など、腸の正常な機能が支えられます。

腸活をするメリット

腸活をするメリット

腸活を行うことで得られるメリットは多岐にわたります。腸内環境の改善は、便秘の解消やダイエット効果の向上だけでなく、免疫力の強化、肌の健康、睡眠の質の向上、さらには精神的な健康状態の改善にも寄与します。

以下、それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。

便秘が解消される

腸活によって腸内の善玉菌が増え、腸内環境が整うと、消化が促進され便通が改善します。特に発酵食品や食物繊維が豊富な食事は、腸の蠕動運動を活性化させ、便秘の解消に効果的です。

ダイエット効果がアップする

腸内環境が改善されると、体の代謝機能が向上し、不要な脂肪が燃焼されやすくなります。また、腸内フローラのバランスが整うと、食べ過ぎを防ぐホルモンの分泌が促されるため、自然と食欲がコントロールされ、ダイエット効果が期待できます。

免疫力がアップする

腸は免疫システムの大部分を担っており、腸内環境が健康な状態を保つことは、病原体や異物から体を守る免疫力を高めることに直結します。善玉菌の活動によって免疫細胞が正常に機能し、病気に対する抵抗力が向上します。

肌荒れが落ち着く

腸内環境と肌の健康は密接に関連しています。腸活によって腸内フローラが整えられると、体内の毒素が排出されやすくなり、肌荒れやニキビが改善されることがあります。清潔な腸内環境は、クリアな肌へとつながります。

睡眠の質がよくなる

腸内バクテリアは、睡眠と覚醒のサイクルを調節するメラトニンの生成に影響を与えます。腸活を行うことで、メラトニンの生産が正常化し、より深い睡眠が得られるようになります。これにより、全体的な睡眠の質が向上します。

鬱症状が緩和する

最近の研究では、「腸脳軸」と呼ばれる、腸と脳の間の相互作用が精神健康にも影響を与えることが指摘されています。腸内環境が整うと、ストレスホルモンのバランスが改善され、鬱症状の緩和につながる可能性があります。


生活習慣で腸活する方法

生活習慣で腸活する方法

では実際に、生活習慣の中に腸活を取り入れていく方法をご紹介していきます。

腸にいい菌を摂る

腸活を生活の一部として取り入れるには、まずは食生活から始めるのが基本です。善玉菌を増やし、腸内環境を整えるためには、腸に良い菌を積極的に摂取することが重要です。

腸に良い菌として知られる乳酸菌やビフィズス菌は、ヨーグルトや発酵食品である納豆、キムチ、味噌などの日常的な食品に含まれています。これらの食品を日々の食事に取り入れることで、自然と腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を改善することができます。また、食物繊維も善玉菌のエサとなるため、野菜や全粒穀物を積極的に摂ることも推奨されます。

食事で難しい場合はサプリメントを

日々の食事だけでは十分な量の善玉菌を摂取することが難しい場合、サプリメントを利用することも一つの方法です。
特に「腸まで生きて届く」乳酸菌を含むサプリメントは、腸内で活動する善玉菌の数を効果的に増やすことができ、腸活におすすめです。

サプリメント選びの際は、生きた菌が含まれているかどうか、またその菌の種類に注目し、自分の体質や健康状態に合ったものを選ぶことが重要です。

水溶性食物繊維やオリゴ糖を摂る

水溶性食物繊維やオリゴ糖を摂る

善玉菌を増やし、腸内環境を健康に保つためには、善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維やオリゴ糖の摂取が非常に効果的です。これらの栄養素は善玉菌の成長を促し、腸内フローラのバランスを改善するのに役立ちます。

水溶性食物繊維は、水に溶ける性質を持つ食物繊維で、腸内でゲル状に変化し、便の量を増やすことで整腸作用を促進します。また、この食物繊維は善玉菌の餌となり、その増殖を助けるため、腸内環境を健康に保つのに重要です。豆類、穀物、果物、野菜などに多く含まれており、これらを日常的に摂取することが推奨されます。

オリゴ糖は、消化されにくい糖類で、大腸に到達すると善玉菌のエサとなります。特にビフィズス菌などの善玉菌はオリゴ糖をエネルギー源として使用し、これが腸内で増殖を促します。オリゴ糖は自然に野菜や果物、全粒穀物などに含まれているほか、加工食品やサプリメントとしても手軽に摂取することができます。

このように、水溶性食物繊維やオリゴ糖を積極的に摂取することで、腸内の善玉菌を効果的に増やし、腸内環境を改善し、腸活をサポートすることが可能です。

腸内環境を乱すものを控える

腸内環境を乱すものを控える

腸活を効果的に行うためには、腸内環境を乱す原因となる食事や生活習慣を見直すことが重要です。特に、善玉菌の活動を阻害するような食品は積極的に避ける必要があります。以下に、腸内環境に悪影響を及ぼす可能性のある食生活のポイントを挙げます。

脂質や糖質に偏った食事は見直す

高脂質や高糖質の食事は、腸内の悪玉菌の増加を促し、腸内フローラのバランスを崩すことが知られています。特に加工食品やファストフードに多く含まれる脂肪や糖分は、腸内環境を悪化させる可能性があります。バランスの良い食事を心がけ、全体的な脂質や糖質の摂取量を見直すことで、腸内環境の健康を支えることができます。

グルテンに要注意

グルテンは小麦や大麦などの穀物に含まれるタンパク質で、一部の人にとっては腸内環境を乱す原因となります。特にセリアック病やグルテン不耐性のある人は、グルテンを含む食品を摂取すると腸の炎症を引き起こし、腸内フローラのバランスが大きく崩れることがあります。
グルテンに敏感な体質の人は、グルテンフリーの食品を選ぶことが推奨されます。

添加物はできるだけ控える

食品添加物は、保存性や味、見た目を良くするために多くの食品に使用されていますが、これらの化学物質が腸内環境に悪影響を与えることがあります。
特に人工甘味料や保存料、着色料などは、腸内の善玉菌を減少させる可能性が指摘されています。可能な限り自然の素材から作られた食品を選び、添加物の少ない食生活を心がけることが、腸活において重要です。

水分をしっかり摂る

水分をしっかり摂る

腸活において水分摂取は非常に重要な役割を果たします。適切な水分摂取は、消化と吸収を助け、便の質を改善し、腸内環境を健康に保つために必要不可欠です。

水分は、腸内での食物の移動をスムーズにし、便の形成を助ける重要な要素です。十分な水分を摂取することで、便が柔らかくなり、便秘の予防や解消に効果的です。また、水分は腸内の消化酵素が効率よく働くのを助け、栄養素の吸収を促進します。

一般的に、成人は1日に約2リットルの水分を摂取することが推奨されていますが、個人の活動量や気温、湿度などの環境要因によって必要な水分量は異なります。水分摂取は、水だけでなく、お茶やスープ、果物などからも摂取することができます。ただし、カフェインやアルコールの摂取は脱水を招く可能性があるため、これらの飲料の過剰摂取は避けるべきです。

水分を摂る時は、一度に大量に摂るのではなく、一日を通じてこまめに摂ることが重要です。特に、起床後や食事前に水を飲む習慣をつけると、腸の動きが活発になりやすいです。また、運動や高温の環境下では、通常よりも多くの水分を失うため、積極的に水分補給を行う必要があります。

軽い運動やストレッチを取り入れる

水軽い運動やストレッチを取り入れる

日常生活に軽い運動やストレッチを取り入れることは、腸の健康を促進し、便通を改善するために効果的です。

運動は全身の血流を良くし、それによって腸にも十分な血液が供給されるようになります。これが腸の健康を保ち、消化吸収を助ける重要な要素となります。軽い有酸素運動、例えばウォーキングやジョギング、水泳などは、腸の動きを活発にし、便秘解消に有効です。また、定期的な運動はストレス解消にもつながり、ストレスが原因で起こる便秘の改善にも効果的です。

また、日々のストレッチは、腸の位置を整えることに役立ち、内臓の働きを活性化します。特に腹部を中心に行うストレッチは、腸の蠕動を助け、便通を促進します。簡単な腹部ストレッチやヨガのポーズ(たとえば、ねじりのポーズや前屈)は、腸に直接的な刺激を与え、腸内のガスの移動や便の排出を助けることができます。

運動が苦手な方はマッサージを

運動が苦手な方や、高齢で運動が難しい方には、腹部マッサージがおすすめです。腹部を優しくマッサージすることで、腸の蠕動運動を手助けし、便通を改善する効果があります。

マッサージは、お風呂上がりのリラックスした状態で行うと、より効果的です。マッサージの際は、腹部を時計回りに優しく圧迫するようにして、内臓の動きを助けることがポイントです。

睡眠はきちんととる

睡眠はきちんととる

適切な睡眠は腸内フローラのバランスを整えるのに役立ちます。睡眠不足はストレスホルモンのレベルを上昇させ、それが腸内フローラの不均衡を引き起こすことがあります。また、睡眠不足は免疫系の機能低下を引き起こすため、腸の健康も損なわれる可能性があります。逆に、十分な睡眠は消化器系の機能を正常に保ち、腸内の善玉菌の活動を促進します。

定期的な睡眠時間
毎日同じ時間に寝ることで体内時計を整え、睡眠の質を向上させます

リラクゼーション技法の導入
寝る前に瞑想や深呼吸、リラックスできる読書を行うことで、より深い睡眠を促すことができます

快適な睡眠環境
寝室を暗くし、適切な温度に保つこと。また、寝具の快適さも睡眠の質に影響します

カフェインやアルコールの摂取制限
特に寝る数時間前のカフェインやアルコールの摂取は睡眠の質を損ねるため、控えめにします。

良質な睡眠を確保することで、体全体の健康が保たれ、自然と腸内環境も整います。これは、腸活の効果を最大化し、より健康な生活を送るために不可欠です。

毎日決まった時間にトイレに行く

腸の健康を維持し、効果的な腸活を行うためには、毎日決まった時間にトイレで排便を試みる習慣を身につけることが推奨されます。この習慣は、「排便リズム」とも呼ばれ、腸を定期的に活動させることで自然な便通を促します。

人間の体はリズムを持って機能しており、食事や睡眠と同様に、排便も一定のリズムを持って最適に機能します。毎日同じ時間にトイレに行くことで、腸はその時間に活動することを学び、排便がしやすくなります。これにより、便秘や下痢などの腸の問題を予防しやすくなり、腸内環境の改善につながります。

生活習慣を整えて腸内環境を整えよう

睡眠はきちんととる

腸活は、私たちの健康にとって非常に重要な役割を果たします。適切な腸内環境は消化や免疫機能の向上、精神的な健康の維持に寄与し、全体的なウェルビーイングを支えます。この記事で紹介した方法は、日々の生活に簡単に取り入れることができ、効果的に腸活を行うための基盤となります。

  • 善玉菌を増やす食品の摂取、水溶性食物繊維やオリゴ糖を意識的に摂ることで、腸内フローラのバランスを整えます。
  • 腸内環境を乱す食品の摂取を控え、水分を十分に摂取することで、消化器系の健康を保ちます。
  • 軽い運動やストレッチ、さらには定期的なトイレタイムの確保といった身体活動も腸活には欠かせません。
  • 最後に、良質な睡眠を確保することも、腸の健康と密接に関連しています。

これらの習慣を積極的に取り入れることで、健康な腸活ライフを送ることが可能です。腸活を日常の一部として実践し、より健康で活力のある毎日を目指しましょう。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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