掲載日 | 2024.05.29
更新日 | 2024.05.29

これは不正出血?生理前に出血する原因と病院に行く目安

掲載日 | 2024.05.29
更新日 | 2024.05.29
生理前の出血は、多くの女性にとって不安を感じさせる症状です。

通常の月経周期に含まれない出血は、「不正出血」と呼ばれ、その原因は様々です。

ホルモンバランスの乱れや子宮内膜症、ポリープなど、軽度のものから深刻な疾患まで幅広く考えられます。

この記事では、生理前の出血の原因として考えられる要因、そしてどのような場合に病院を受診すべきかについて詳しく説明します。

不正出血とは

不正出血とは

不正出血とは、通常の月経周期とは関係なく起こる異常な出血を指します。
生理の周期は一般的に28日程度で、出血は3日から7日間続くことが多いですが、それ以外のタイミングで出血が見られる場合、それが不正出血です。

これは、女性の健康状態や生活習慣、年齢などによって様々な要因が絡み合って引き起こされます。

不正出血は、軽度なものから深刻な健康問題を示唆する場合まで幅広くあります。
例えば、ストレスや急激な体重の変化、ホルモンバランスの乱れなどが原因となることがあります。
一方で、子宮内膜症やポリープ、子宮筋腫、さらには子宮がんなどの深刻な病状の兆候である可能性もあります。

生理前に不正出血が起きる原因

生理前に不正出血が起きる原因

生理前に不正出血が見られる場合、その原因はさまざまです。

生理前の出血は不安を感じさせることが多いですが、その多くは軽度なもので、特に心配する必要がないこともあります。
しかし、場合によっては深刻な疾患の兆候であることもあるため、原因を理解し、適切に対処することが重要です。

排卵期出血

排卵期出血は、生理周期の中間頃に見られる軽度の出血で、多くの女性が経験する一般的な現象です。排卵期出血の原因は、排卵時にホルモンバランスが変化することによるものです。

排卵が起こると、エストロゲンのレベルが一時的に低下し、その後、プロゲステロンの分泌が増加します。
このホルモンの変動が、子宮内膜に一時的な変化をもたらし、軽い出血を引き起こすことがあります。

排卵期出血の特徴としては、次のような点が挙げられます。

  • 出血の量が少ない(通常、数滴から軽い出血程度)
  • 出血の期間が短い(1〜2日程度)
  • 出血が鮮やかな赤色またはピンク色であることが多い
  • 排卵期特有の軽い下腹部の痛みを伴うことがある

排卵期出血は一般的に心配する必要はなく、自然な生理現象の一部です。
しかし、出血の量が多かったり、長期間続く場合は、他の原因が考えられるため、医師に相談することをお勧めします。

無排卵出血

無排卵出血とは、排卵が起こらない月経周期において発生する異常な出血を指します。
通常、排卵が起こるとホルモンバランスが整い、規則的な月経周期が維持されます。しかし、無排卵の周期では、ホルモンバランスが崩れ、子宮内膜が不規則に剥がれ落ちるため、出血が発生することがあります。

無排卵出血の原因には、以下のようなものがあります。

ホルモンバランスの乱れ
ストレス、急激な体重変動、過度な運動などがホルモンのバランスを乱すことがあります。

思春期や更年期
思春期や更年期には、ホルモンの変動が大きく、無排卵周期が発生しやすくなります。

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
この疾患は、ホルモンの異常により排卵が不規則になることがあります。

過度なダイエットや栄養不足
栄養バランスの欠如がホルモン分泌に影響を与え、無排卵周期を引き起こすことがあります。

無排卵出血の特徴としては、以下の点が挙げられます。

  • 月経周期が不規則になる
  • 出血の量や期間が一定しない
  • 出血が鮮やかな赤色ではなく、暗赤色や茶色っぽいことがある
  • 出血が断続的に続くことがある

無排卵出血は、長期間続く場合や頻繁に発生する場合、体に影響を及ぼす可能性があるため、医師に相談することが重要です。
特に、無排卵出血が他の健康問題と関連している場合や、生活の質に影響を及ぼしている場合には、専門的な診断と治療が必要です。

着床出血

着床出血は、受精卵が子宮内膜に着床する際に発生する軽度の出血のことを指します。

これは、妊娠初期に見られる一般的な現象で、多くの女性が経験します。

着床出血は、通常の月経とは異なり、出血量が少なく、短期間で終わることが特徴です。

着床出血の原因は、受精卵が子宮内膜に付着し、その過程で子宮内膜の一部が剥がれ落ちることによるものです。これは自然なプロセスであり、通常は心配する必要はありません。

着床出血の特徴としては、次のような点が挙げられます。

出血の量が少ない
通常、数滴から軽い出血程度で、量は非常に少ないです。

出血の期間が短い
1〜2日程度で終わることが多いです。

出血の色
鮮やかな赤色やピンク色、または茶色っぽい色をしています。

その他の妊娠初期症状
着床出血と共に、軽い腹痛や乳房の張り、疲労感などの初期妊娠症状が現れることがあります。

着床出血は通常、月経予定日の1週間前後に発生することが多いため、月経と混同されやすいです。しかし、出血量が少なく、短期間で終わることから、月経とは異なると認識できます。

着床出血が見られた場合、それが妊娠の兆候である可能性がありますので、心当たりがある場合には、妊娠検査薬を使用することをお勧めします。着床出血自体は心配する必要はありませんが、出血が長引く、量が多い、強い腹痛を伴う場合は、他の原因が考えられるため、早めに医師に相談することが重要です。

更年期不正出血

更年期不正出血とは、更年期に差し掛かる女性が経験する異常な出血を指します。
更年期は、卵巣の機能が低下し、月経が終了する前後の期間を指し、一般的に45歳から55歳の間に起こります。この時期には、ホルモンバランスが大きく変動するため、不正出血が発生しやすくなります。

更年期不正出血の特徴としては、以下の点が挙げられます。

月経周期の不規則化
月経周期が長くなったり短くなったりする。

出血量の変動
出血量が多かったり少なかったり、不規則になる。

出血の頻度
出血が頻繁に起こることがある。

その他の更年期症状
ほてり、発汗、不眠、情緒不安定などの更年期特有の症状が伴うことがある。

更年期不正出血は、更年期における一般的な現象であることが多いですが、まれに深刻な健康問題を示すことがあります。特に以下のような場合には、早めに医師に相談することが重要です。

  • 出血が非常に多い
  • 出血が長期間続く
  • 強い痛みを伴う
  • 性交後の出血

更年期不正出血の原因を特定し、適切に対処することで、更年期をより快適に過ごすことができます。

外傷や皮膚疾患による出血

外傷や皮膚疾患による出血も、生理前に見られる不正出血の原因となることがあります。これらの原因による出血は、ホルモンバランスや子宮内の問題とは異なり、外部からの影響や皮膚の状態によるものです。

外傷による出血

外傷による出血は、性行為や激しい運動、事故などによって膣や外陰部が傷つくことで発生します。以下は、外傷による出血の一般的な原因です。

性交
特に激しい性交や潤滑不足の状態での性交は、膣壁を傷つけることがあります。これにより、軽い出血が起こることがあります。

スポーツや運動
激しい運動やスポーツによって、膣や外陰部に衝撃が加わり、出血することがあります。

事故や外傷
転倒や外部からの衝撃によって外陰部や膣が傷つき、出血することがあります。

外傷による出血は通常一時的なもので、傷が治ると自然に止まります。しかし、出血が続く場合や痛みがひどい場合は、医師の診断を受けることが必要です。

皮膚疾患による出血

皮膚疾患による出血は、膣や外陰部の皮膚に問題がある場合に発生します。以下は、皮膚疾患による出血の一般的な原因です:

膣炎
膣の炎症(膣炎)は、感染やアレルギー反応、ホルモンバランスの変化によって引き起こされることがあります。膣炎によるかゆみや炎症がひどくなると、出血することがあります。

外陰炎
外陰部の炎症(外陰炎)も、膣炎と同様に感染やアレルギー反応、摩擦などが原因で発生し、出血を伴うことがあります。

性器ヘルペス
性器ヘルペスは、ヘルペスウイルスによる感染症で、外陰部や膣に痛みを伴う水疱や潰瘍ができることがあります。これが破れると出血することがあります。

乾燥や刺激
外陰部や膣の皮膚が乾燥したり、刺激を受けたりすることで、ひび割れや出血を引き起こすことがあります。

外傷や皮膚疾患による出血は、原因となる問題を適切に対処することで改善されます。清潔を保つことや、刺激物を避けることが重要です。また、症状が改善しない場合や痛みがひどい場合は、医師の診断を受けることが必要です。

腫瘍による出血

腫瘍による出血は、生理前の不正出血の原因として考えられることが多く、特に注意が必要です。
腫瘍には良性のものと悪性のものがありますが、どちらも不正出血を引き起こす可能性があります。

以下では、子宮筋腫、子宮頸管ポリープ・子宮内膜ポリープ、子宮頸がん、子宮体がんの4種類の腫瘍による出血について説明します。

子宮筋腫(良性腫瘍)

子宮筋腫は、子宮の筋層に発生する良性の腫瘍です。女性の約20〜30%が子宮筋腫を持つと言われています。

子宮筋腫は、以下のような特徴を持つ不正出血を引き起こすことがあります。

過多月経
月経の出血量が増加し、長期間続くことがあります。

中間期出血
月経周期の途中で不正出血が発生することがあります。

性交後の出血
筋腫の位置によっては、性交後に出血が見られることがあります。

子宮筋腫が原因で不正出血が続く場合や、出血量が多い場合は、医師に相談し、適切な治療を受けることが必要です。

子宮頸菅ポリープ・子宮内膜ポリープ(良性腫瘍)

子宮頸管ポリープや子宮内膜ポリープは、子宮頸管や子宮内膜に発生する良性の腫瘍です。これらのポリープも不正出血を引き起こすことがあります。

子宮頸管ポリープ
子宮頸管に発生するポリープは、性交後や生理前に軽い出血を引き起こすことがあります。

子宮内膜ポリープ
子宮内膜に発生するポリープは、月経周期の途中での出血や月経量の増加を引き起こすことがあります。

ポリープが大きくなると、出血の頻度や量が増えることがあるため、医師の診断を受けて適切な治療を行うことが重要です。

子宮頸がん(悪性腫瘍)

子宮頸がんは、子宮の入り口である子宮頸部に発生する悪性腫瘍です。初期段階では症状がないことが多いですが、進行すると不正出血が見られることがあります。

性交後の出血
性交後に出血が見られることが多いです。

不正出血
月経周期に関係なく、不正出血が頻繁に見られることがあります。

異常なおりもの
悪臭を伴うおりものや、血が混じることがあります。

子宮頸がんは、早期発見が重要であり、定期的な検診(子宮頸がん検診)を受けることが推奨されます。

子宮体がん(悪性腫瘍)

子宮体がんは、子宮内膜に発生する悪性腫瘍です。閉経後の女性に多く見られますが、閉経前でも発生することがあります。

月経異常
月経周期が不規則になり、月経量が増加することがあります。

不正出血
特に閉経後に出血が見られる場合は要注意です。

腹痛
進行すると、下腹部の痛みや圧迫感が生じることがあります。

子宮体がんも早期発見が重要であり、異常を感じた場合は早めに医師に相談することが必要です。

これらの腫瘍による出血は、早期に発見し治療することで予後が大きく改善することが多いため、定期的な検診や異常を感じた際には速やかに医療機関を受診することが重要です。

不正出血が気になる!病院に行く目安

不正出血が気になる!病院に行く目安

不正出血が見られた場合、その原因が軽度なものであることも多いですが、時には深刻な疾患が隠れていることもあります。

以下のような症状が見られる場合には、早めに医療機関を受診することが重要です。

出血量が多いケース

  • 月経以上の出血量:通常の月経よりも出血量が多い場合は、何らかの異常がある可能性があります。
  • 頻繁な出血:生理周期に関係なく、頻繁に出血が見られる場合は、ホルモンバランスの乱れや子宮内の問題が考えられます。
  • 大量出血:出血量が多く、日常生活に支障をきたす場合や貧血の症状が出る場合は、速やかに医師の診断を受けることが必要です。

不正出血がずっと続くケース

  • 2週間以上続く出血:出血が2週間以上続く場合、子宮内膜の異常やホルモンバランスの乱れが考えられます。
  • 不規則な出血が続く場合:月経周期に関係なく、不規則な出血が数ヶ月続く場合は、子宮や卵巣の異常が疑われます。

痛みが伴うケース

  • 強い腹痛:出血と共に強い腹痛がある場合は、子宮内膜症や子宮筋腫などの可能性があります。
  • 性交時の痛み:性交時に痛みを感じる場合は、子宮頸がんや膣の炎症が原因である可能性があります。
  • 下腹部の圧迫感や痛み:下腹部に圧迫感や痛みがある場合は、腫瘍や炎症の可能性があります。

その他の症状が伴うケース

  • 異常なおりもの:悪臭を伴うおりものや、血が混じるおりものが見られる場合は、感染症や子宮の異常が考えられます。
  • 発熱や体調不良:発熱や全身の体調不良が伴う場合は、感染症や炎症が進行している可能性があります。
  • 更年期後の出血:閉経後に出血が見られる場合は、特に注意が必要です。子宮体がんや子宮頸がんの可能性があります。

これらの症状が見られた場合には、放置せずに速やかに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが重要です。早期に対処することで、症状の改善や重篤な疾患の予防が可能になります。健康を維持するためには、異常を感じた時に迅速に行動することが大切です。

迷ったら病院を受診しよう

迷ったら病院を受診しよう

生理前の不正出血は、多くの女性にとって不安を感じさせる症状ですが、その原因は多岐にわたります。

排卵期出血や無排卵出血、着床出血、更年期不正出血、外傷や皮膚疾患による出血、腫瘍による出血など、様々な要因が考えられます。
特に腫瘍による出血は、子宮筋腫やポリープ、子宮頸がん、子宮体がんといった深刻な疾患が原因となることもあります。これらの出血は早期に発見し、適切に対処することが重要です。

不正出血が見られた場合には、その量や期間、痛みの有無などを注意深く観察し、異常が続く場合は速やかに医療機関を受診することが推奨されます。
特に出血が多い、長期間続く、強い痛みを伴う、異常なおりものが見られる場合は、専門医の診断を受けることが重要です。

定期的な検診を受けることで、健康状態を把握し、早期に異常を発見することが可能です。

自身の体調変化に敏感になり、異常を感じたら速やかに対応することで、健康を維持し、安心して日々を過ごしましょう。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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