掲載日 | 2023.08.16
更新日 | 2024.05.24

生理前の便秘や肌荒れを腸活で改善!ホルモンバランスとの関係

掲載日 | 2023.08.16
更新日 | 2024.05.24
生理前になるとやってくる、カラダとココロの不調。

なぜかいつもよりイライラしてしまったり、ニキビができやすくなったり、頭痛やお腹の張りを感じるという人も。

生理前の不調はホルモンバランスの関係で起こるものですが、その女性特有のホルモンバランスには腸内環境も大きく関係しています。これは腸内フローラの状態がお通じだけでなく、ホルモンの分泌にも関わっているため。

生理前の不調のしくみを、KINS LABOと一緒に学んでみましょう。

生理前に肌荒れや便秘になるのはどうして?

生理前に肌荒れや便秘になるのはどうして?

「生理前に肌荒れしやすい」

「生理前には便秘になりやすい」

など体調の変化を感じる人が多い生理前。
でもその原因はそもそもなぜなのでしょうか。

これは生理を起こすために分泌される、女性ホルモンのバランスが大きく関わっています。

生理はそもそも、体が排卵して妊娠の準備をしていたが受精しなかった場合に起こるもの。

子宮は受精したら赤ちゃんのベッドにするために、子宮内膜を厚くして受精を待っています。しかし受精しなかった場合には厚くなった子宮内膜が必要なくなるため、一旦血液とともに排出されるしくみ。
これが生理のメカニズムなのです。

ホルモンが大きくかかわっている

そしてこれは子宮の中だけで起こるわけではなく、卵巣に排卵を促したり、子宮内膜を厚くしたりするのにはホルモンが大きく関わっています。
特定の女性ホルモンが分泌されることによって、子宮や卵巣に司令が出され排卵や生理が起こっているのです。

しかしこの女性ホルモンの一部には、皮脂分泌や代謝を変化させる働きのあるものも。そのため時期や分泌量によっては、肌が荒れたり便秘になったりということが起きてくるのです。

特に生理前に分泌される女性ホルモンのひとつ「黄体ホルモン」は、肌荒れや便秘、むくみ、食欲増加など様々な体調の変化の原因となっています。

女性ホルモンの変化が影響

黄体ホルモンと卵胞ホルモン

生理前の不調や生理痛は、女性ホルモンのせい。
そうなんとなく認識している方は多いでしょうが、具体的にどんなホルモンが原因なのかは意外とわからないものですよね。

生理に関係する代表的な女性ホルモンは、大きく分けて「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」の2種類。

このうち卵胞ホルモンは、排卵を起こすホルモン。生理直前ではなく生理後〜排卵期に多く分泌されています。
そして生理前に分泌が増え不調の原因となっているのが、黄体ホルモンなのです。

とはいえ黄体ホルモンは決して悪者というわけではなく、子宮内膜を厚くするなど妊娠の準備には必要不可欠。もちろん生理を起こすためにも重要なホルモンです。

しかし黄体ホルモンには同時に、

・脂肪や水分を溜め込みやすくする
・皮脂分泌を増やす
・腸の動きを鈍らせる
・イライラや眠気を引き起こす

こういった作用もあると考えられています。
生理前にイライラや便秘、肌荒れが起こりやすいのは黄体ホルモンの働きによるものが大きいんですね。

黄体ホルモンの作用

黄体ホルモンの分泌自体は、生理がある方なら必ず起こるもの。しかし普段から規則的な生活をしているかどうかによって、不調の度合いも個人差があるようです。

もともとホルモンバランスが乱れがちだったり、疲れていたりすると生理前後でホルモンバランスの乱高下状態になってしまうことも。そういった場合は生理前の不調を感じやすくなるでしょう。
日頃からホルモンバランスを整えておくことが、生理前の不調に流されないカラダをつくってくれるんですね。

自律神経のバランスも影響

自律神経は、私たちの体内で意識せずに行われる様々な生理活動を調節しています。
この神経系は大きく分けて、「交感神経」と「副交感神経」の二つから成り立っていて、これらが適切なバランスで機能することで、身体の調和が保たれます。

しかし、ストレスや生活習慣の乱れ、生理周期などによってこのバランスが崩れると、さまざまな健康問題を引き起こす可能性があります。特に、生理前は、自律神経の乱れが直接関係しているケースが少なくありません。

便秘の原因は色々ありますが、自律神経の乱れもその一つです。副交感神経が優位になると消化活動が活発になり、逆に交感神経が優位になると消化活動は抑制されます。ストレスが原因で交感神経が過剰に働くと、腸の運動が鈍くなり、便秘の一因となることがあります。

生理が始まると治りやすい

生理前にはエストロゲンやプロゲステロンというホルモンのレベルが上昇し、体にさまざまな影響を及ぼします。しかし、生理が始まるとこれらのホルモンレベルが急速に低下し、ホルモンバランスが安定します。これにより、生理前に経験した不調が緩和され、体がより快適な状態に戻るのです。

また、生理前は、ホルモンの変動によって自律神経が乱れがちになりますが、生理が始まるとこの状態が改善されます。自律神経が安定することで、生理前に増えていたストレス反応が減少し、心身ともにリラックスしやすくなります。この結果、便秘や頭痛、イライラといった症状が和らぎます。

女性は便秘になりやすい

女性は便秘になりやすい

ホルモンバランスの波が影響するため、女性は男性と比べると便秘になりやすい傾向にありますが、それ以外にも女性が便秘になりやすい理由はあります。

女性は男性に比べて、ストレスを内に溜め込みやすい傾向にあります。このストレスが自律神経に影響を与え、腸の動きを鈍化させることも便秘の一因となります。加えて、女性の中にはダイエットや不規則な食生活が原因で食物繊維の摂取が不足している場合もあり、これが便秘を引き起こす要因になっています。

また、女性は男性と比べると筋肉が少ない傾向にあり、腸への刺激が少なかったり、便を押し出す力が弱いため、便秘になりやすいという特徴があります。

便秘が続くとどうなる?

女性は便秘になりやすい

便秘は一時的な不快感にとどまらず、長期間にわたって続くと様々な健康問題を引き起こす可能性があります。以下では、便秘によって引き起こされる代表的な症状を四つ紹介します。

肌荒れが起きる

便秘が続くと、体内に老廃物が滞りがちになります。これにより、体外に排出されるべき有害物質が血液を通じて全身に運ばれ、肌トラブルの原因となることがあります。特に、ニキビや吹き出物、肌のくすみなどが現れやすくなります。健康な肌を保つためにも、便通の改善は非常に重要です。

イライラしやすくなる

便秘による不快感は、ストレスやイライラといった精神的な症状を引き起こすことがあります。体内の不快感が持続することで、心のバランスも乱れ、些細なことでイライラしたり、集中力が低下したりすることがあります。心身の健康を保つためにも、スムーズな便通は欠かせません。

腸内環境が悪化する

便秘が続くと、腸内の老廃物が長時間停滞することになります。これにより、有害な細菌が繁殖しやすくなり、腸内環境のバランスが崩れます。腸内フローラの健康は、消化吸収だけでなく、全身の健康にも大きく影響を与えるため、便秘による腸内環境の悪化はさまざまな健康問題の原因となり得ます。

免疫力が低下する

腸内環境の悪化は、免疫力の低下にもつながります。腸は免疫機能の大部分を担っており、腸内フローラのバランスが崩れると、免疫機能が正常に働かなくなる可能性があります。これにより、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、花粉症などのアレルギー反応が出やすくなったりすることがあります。便秘の解消は、免疫力を維持する上でも重要です。

腸内細菌がホルモンバランスに与える影響

腸内細菌がホルモンバランスに与える影響

では菌とホルモンバランスに何の関係があるの?と感じた方も多いでしょう。
実は腸内細菌は、ホルモンバランスにも大きな影響を与えているのです。

「ホルモンは脳でつくられ脳で分泌される」
そんなイメージを抱いている方は多いかもしれません。
しかし実際には、食べたものから吸収した栄養をもとに、「腸」で作られているホルモンもたくさんあります。

腸で作られるホルモンたち

「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質の「セロトニン」も、90%は腸で作られています。これは腸内細菌がセロトニンの合成に関係しているため。
そのほかにも腸内では「セクレチン」「コレシストキニン」「インクレチン」といった消化に関わるホルモンが合成されています。

ホルモンバランスを正常に保つには、腸内環境が整っていることも大切なのが分かりますね。幸福感を感じさせるセロトニンも腸で作られるとなると、私達のメンタルにも腸内細菌が大きく関わっていそうです。

腸内細菌とセロトニンの関係についてはこちら

これは女性ホルモンに関しても例外ではなく、腸内環境は女性ホルモンの分泌にも関連しているといわれています。

女性ホルモンと腸内環境

みなさんは「大豆食品は女性ホルモンにいい」という話を聞いたことがあるのではないでしょうか。これは大豆に含まれる「イソフラボン」が女性ホルモン様の働きをするため。
しかし実はイソフラボンが女性ホルモンのような働きをするには、腸内で「エクオール」という物質に変わる必要があります。このエクオールの生産に関わっているのが、腸内細菌である「エクオール産生菌」。

エクオール産生菌は15種類ほどあると考えられていて、主に大腸に住んでいます。大豆イソフラボンとエクオール産生菌が出会うことで、女性のホルモンバランスに重要なエクオールを作り出すことができるのです。
しかしこのエクオール産生菌は誰もが持っているわけはないうえに、持っていたとしても腸内環境が悪ければ活発に働いてくれません。

腸内環境が乱れ悪玉菌が優勢になってしまっていると、本来働くべき善玉菌の働きが鈍ってしまうのです。エクオール産生菌がしっかり働くためにも、腸内フローラのバランスが整っていることが大切
また生理前だけでなく、生理痛に腸内環境が関わっているという説も。

生理痛が起こるメカニズムには、「プロスタグランジン」というホルモンの一種が関係しています。
プロスタグランジンは、子宮を収縮させる働きがあるホルモン。何らかの原因で過剰に分泌されると、生理時に痛みを感じやすくなるのです。

そして近年の研究では、プロスタグランジンと腸内環境が関わっているという報告も。悪玉菌のひとつであるカンジダ菌が腸内に多いと、プロスタグランジンの一種が産生されやすくなるのだそうです。

まだ未解明の部分も多い菌とホルモンの関係ですが、私達のホルモンバランスには腸内環境が大きく関わっていると考えてよいでしょう。

生理前の不調を和らげるための3つの習慣

生理前の不調を和らげるための3つの習慣

生理前に黄体ホルモンが分泌されること自体は、避けられないもの。
ただ、普段から腸内環境を整えバランスの良い生活をしていることで、生理前の不調に影響されづらくなります。

そこで、生理前に落ち込まないココロとカラダのためには、

1.脂質や糖質を控える
2.発酵食品などで善玉菌を増やす
3.水溶性食物繊維を摂る

といった基本的な菌ケアが役立ちます。

脂質や糖質を控える

脂質や糖質を控える

生理前は特に、いつも以上に脂っこいものや甘いものが食べたくなる、つい食べ過ぎてしまう、そんな経験はありませんか?
これは、生理前に女性の身体で起こっていることと関係している可能性があります。

生理前になると、女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少し、黄体ホルモン(プロゲステロン)が上昇します。
黄体ホルモン(プロゲステロン)が上昇し基礎代謝率が増えると、増えた代謝の分、食欲も増すと考えられているのです。

卵胞ホルモン(エストロゲン)が減少すると、脳内では幸福感を感じさせる「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンが低下し、スナックやチョコレート、揚げ物など炭水化物や脂質・糖質の多い食事が好まれやすくなります。糖分はトリプトファンからセロトニンを増やす作用があり、一時的にセロトニンが増えることで気分が落ち着くことが分かっています。

しかし、一時的な気分の落ち着きのために過食や過剰な脂質・糖質の摂取をすると、血糖値が急激に上昇します。
急激な血糖値の上昇はインスリンの過剰な分泌を引き起こし、これによって血糖値の乱高下が起こり、「もっと食べたい」という欲求やイライラ、不安感など生理前の不調症状が強くなってしまうと考えられているのです。

生理前の不調を悪化させないためにも、脂質や糖質は控えることをおすすめします。

甘いものがほしい時はたんぱく質不足かも

甘いものがほしい時はたんぱく質不足かも

生理前に甘いものを特に強く欲するのは、体がエネルギー補給を求めているサインかもしれません。しかし、この欲求が示しているのは単なるカロリー補給の必要性だけではなく、栄養バランスの偏り、特にたんぱく質不足を暗示していることがあります。

豆腐や納豆、鶏胸肉や魚など、低脂肪で高たんぱく質の食品を積極的に取り入れることで、甘いものへの過剰な欲求を抑えることができます。また、たんぱく質をしっかり摂ることで、満足感が得られ、無意識の間食を減らす助けにもなります。

甘いものがほしい時ははちみつがおすすめ

生理前の甘いものは良くない、と頭では分かっていても、食べたくなってしまうもの。そんな時は、白砂糖の代わりにはちみつがおすすめです。
実は糖質と血糖値の上昇にはGI値が関係しており、GI値の低い食品を意識的に選ぶようにすることで血糖値の急激な上昇を抑えることができるのです。

GI値とは、食後血糖値の上昇を示す指標であるグライセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品に含まれる糖質の吸収度合いを示します。
つまりこのGI値が高い食材を食べると血糖値が急上昇し、反対にGI値が低い食材を食べると血糖値の上昇は緩やかになります。

白砂糖はこのGI値が高い「高GI値食品」に該当するため、特に生理前やダイエット中などは控えたい食品のひとつ。はちみつは白砂糖よりもGI値が低く、特にルーマニア産のアカシアはちみつは他のはちみつに比べても低GI食品として知られ、クセのない上品な甘みが人気です。

チョコレートがほしい時はマグネシウム不足かも

チョコレートがほしい時はマグネシウム不足かも

生理前になるとチョコレートが無性に食べたくなる経験をしたことがある方は少なくないでしょう。この欲求は、単なる甘いものへの渇望ではなく、体内のマグネシウム不足が原因かもしれません。

マグネシウムは300以上の酵素反応をサポートし、筋肉や神経機能の正常化、心拍数の安定、骨の健康維持など、体の多くの重要な機能に関与しています。特に、生理前にはホルモンの変動によって体内のマグネシウムが使われやすくなり、不足しがちになることがあります。マグネシウムの不足は、ストレスレベルの上昇やPMS(月経前症候群)の症状を悪化させることがあるため、特に注意が必要です。

チョコレートへの欲求を健康的に満たすためには、マグネシウムを豊富に含む他の食品を積極的に取り入れることがおすすめです。ほうれん草、カボチャの種、アーモンド、ひよこ豆、黒豆などはマグネシウムを多く含み、日々の食事に取り入れやすい選択肢です。これらの食品を意識的に摂取することで、マグネシウム不足を補い、生理前の不調を軽減することができます。

生理痛緩和にも効果があるココア

生理痛緩和にも効果があるココア

ココアは、生理中にもおすすめの飲み物です。
生理がはじまると体温は下がり、プロスタグランジンの働きで血管が収縮します。そのため、血行が悪く、体は冷えやすい状態にあります。
すると、血行不良によって痛みの元となるプロスタグランジンが胎盤内で滞ってしまい、その結果、痛みが強くなるという悪循環に。

ココアに含まれるポリフェノールは血管を広げるはたらきを持つため、血流の量を増やして体を温める効果があります。
さらに、ココアにはマグネシウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれており、これらのミネラルは筋肉の緊張を緩和することで生理痛の軽減にも役立つと言えます。

ココアを飲む際に気をつけたいのは、白砂糖です。
市販されているココアには白砂糖が入ったものが多いため、無意識のうちにたくさんの白砂糖を摂取してしまう可能性も。ココアを選ぶ際は、パッケージなどをよく確認し、「100%ピュアココア」や「純ココア」と記載されているものを選ぶと良いでしょう。

ココアの苦味が気になる方は、はちみつを加えると甘くて飲みやすくなりますよ。

油っこいものを食べたい時はカリウム不足かも

油っこいものを食べたい時はカリウム不足かも

生理前に油っこい食べ物が無性に食べたくなることは珍しくありません。このような特定の食べ物が食べたくなってしまうのは、栄養素の不足が原因であることが多いですが、油っこいものへの欲求はカリウム不足が一因かもしれません。

カリウムは体内で重要な役割を果たす電解質の一つで、細胞内の液体バランスの調節、筋肉の収縮、神経伝達、血圧の調整などに関与しています。適切なカリウムレベルは、心身の健康維持に欠かせません。特に、生理前はホルモンの変動により体内の水分バランスが崩れがちになり、カリウムの重要性が増します

油っこい食べ物への過剰な渇望に対処するためには、カリウムを豊富に含む食品を意識的に摂取することが効果的です。バナナ、オレンジ、サツマイモ、アボカド、ほうれん草、トマトなどは、カリウムの良い供給源です。これらの食品を日々の食事に取り入れることで、カリウムレベルを適切に保ち、不要な食べ物への渇望を抑えることができます。

発酵食品などで善玉菌を増やす

発酵食品などで善玉菌を増やす

生理前の不調を和らげるためには、腸内環境を整えることが大切です。
そのためには、腸内に棲みついている腸内細菌のうち、善玉菌を増やすことがポイントになります。

善玉菌は悪玉菌の増殖を抑えて腸内環境を改善する働きを持つ、体にとって良い菌。しかし、善玉菌は自力で増えることはできないため、普段の生活で善玉菌が増えやすくなるような習慣を持つ必要があります。

善玉菌を増やすためには、善玉菌そのものや善玉菌を育てて増やすための「エサ」を食事から摂取することを心がけると良いでしょう。

例えば発酵食品や食物繊維、オリゴ糖など、腸内で善玉菌のエサとなるものを毎日の食事にバランスよく取り入れることで、腸内環境を整える食生活を習慣化しましょう。

味噌や漬物など和食がおすすめ

日本の伝統的な食文化には、豊富な発酵食品が含まれています。味噌や漬物は、それらの中でも特に善玉菌を増やし、腸内環境を改善するのに役立つ食品です。
味噌に含まれる乳酸菌や酵母は、腸内の善玉菌を増やし、悪玉菌の増殖を抑制します。また、漬物に含まれる乳酸菌は、腸の動きを活発にし、便秘の改善にも有効です。これらの食品を日常的に取り入れることで、自然と腸内フローラを健康に保つことができます。

ヨーグルトは植物性がおすすめ

ヨーグルトは乳酸菌を豊富に含む代表的な発酵食品で、腸内環境の改善に効果的です。近年、乳製品に敏感な人や乳製品を避けたい人のために、植物性ミルク(大豆、アーモンド、オーツ麦など)を原料とした植物性ヨーグルトが注目を集めています。
植物性ヨーグルトは、乳製品由来のものと同様に健康的な腸内フローラをサポートしますが、コレステロールが低く、乳糖不耐症の人でも消化しやすいというメリットがあります。

様々な種類の植物性ヨーグルトを試し、自分に合ったものを見つけることで、毎日の腸活に取り入れやすくなります。

水溶性食物繊維を摂る

水溶性食物繊維を摂る

消化吸収されずに大腸まで到達し、腸内で善玉菌のエサとなる食物繊維。
腸内環境の改善に欠かせないと言っても過言ではない食物繊維ですが、中でも水溶性食物繊維は生理前にこそ意識して摂りたい栄養素です。

生理前に増える黄体ホルモンには、便の水分を吸収して便を硬くしてしまう働きや、排便を促す腸の蠕動(ぜんどう)運動を低下させる働きがあります。
そのため、この黄体ホルモンが増える生理前は、便秘になりやすくなる傾向があるのです。

水溶性食物繊維は水に溶けてゲル状に変化し、便の水分量を高め、便のかさを増やすことで便通をよくする働きがあります。また、糖の消化吸収スピードを遅くして急激な血糖上昇を抑える働きもあるため、生理前のイライラにも効果が期待されています。

ねばねばした食品を積極的に摂る

水溶性食物繊維が豊富な「ねばねばした食品」の摂取は、健康的な腸内環境を支えるために特におすすめです。例えば、オクラ、納豆、山芋(長芋)、海藻類(昆布やわかめ)、そしてモロヘイヤなどがこのカテゴリーに該当します。

これらの食品に含まれる粘質成分には、腸内で水分を保持し、便の柔らかさを保つ効果があります。また、これらの成分は腸内の善玉菌の増加を促し、有害物質の吸収を防ぐ役割も担っています。

お味噌汁にオクラやわかめを加える、納豆をごはんやサラダにトッピングする、モロヘイヤをスープやおひたしにするなど、様々な食事に簡単に取り入れることができるので、ぜひやってみてください。

キノコ類は低カロリーでダイエットにも

キノコ類は、食物繊維が豊富で低カロリーなため、ダイエットにも向いている食材です。
キノコ類はその種類によって水溶性食物繊維も不溶性食物繊維も含んでるため、体調や期待する効果によって種類を選ぶと良いでしょう。

例えば、生理前の便秘傾向にある時には水溶性食物繊維が豊富に含まれている「なめこ」を選ぶと、便の水分量を高めて便通をよくする働きが期待できます。

好きなジュースで手作り寒天ゼリー

テングサなどから作られる水溶性食物繊維が豊富に含まれている寒天も、おすすめの食材です。

生理前に甘いものが食べたくなったら、お好きなジュースで手作り寒天ゼリーを作ってみるのはいかがでしょうか。
砂糖不使用の100%フルーツジュースを使用すれば、ヘルシーでさっぱりとした美味しいゼリーを簡単に作ることができます。
甘みをプラスしたい時には、アガベシロップや甜菜糖を加えるのがおすすめです。

腸内環境を整えて生理前の便秘を改善しよう

腸内環境を整えて生理前の便秘を改善しよう

生理前に起こりがちな不調の正体とその原因、それを改善するために腸内環境を整えることが大切であることについて解説しました。

月に1度のペースで訪れる心と体の不調は、ずっと付き合っていくものと諦めて我慢し続けている方も多いはず。
腸内環境を整える食習慣を送ることで、体の中から健康に、そして悩ましい不調を軽減できれば、毎日がずっと過ごしやすくなるはずです。

無理せず続けやすそうなものから、始めてみてくださいね。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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