【納豆×キムチ×◯◯】で腸活効果10倍?
発酵食品最強の組み合わせとは
美容や健康維持のために欠かせない発酵食品。
この記事では、腸活目線で気をつけたい生活・食習慣のポイントと、納豆やキムチなどの発酵食品にプラスすることで、さらに効果的な食べ方が期待できる食品について解説していきます。
腸活のポイント – 菌ケア3箇条
腸活とは、腸内環境をより良い状態に維持するために、食生活や運動などの生活習慣に工夫をすることを指します。
腸内の環境は身体全身の環境に関係すると言っても過言ではないほど、腸の状態は身体全身の健康状態や免疫機能にも影響を与える大切なもの。
腸活で健康を維持したいけれど、具体的にどんなことに気をつけたら良いのか分からない、という方のために、KINSが提唱する腸内環境改善のための菌ケア*3箇条をご紹介しましょう。
*菌ケア:美容や健康維持のために菌でケアすること
菌ケア3箇条|①菌を取り入れる
1つ目は、菌を取り入れることです。
これはプロバイオティクスとも呼ばれ、身体の健康にとって良い効果をもたらす菌(善玉菌)を摂取することを指します。
善玉菌の例としてはビフィズス菌や納豆菌、麹菌などがあり、これらを含む食品をプロバイオティクス食品と言います。
・納豆
・キムチ
・ヨーグルト
・ぬか漬け
・味噌
プロバイオティクス食品として、納豆やキムチをはじめ多くの発酵食品が挙げられていることからも、発酵食品が腸活に良いとされる理由がわかりますね。
菌ケア3箇条|②エサを与えて菌を育てる
2つ目は、善玉菌のエサを与えて善玉菌を育てることです。
これはプレバイオティクスといい、先述のプロバイオティクスが善玉菌そのものを摂取することを指すのに対して、プレバイオティクスは善玉菌を育てるためのエサとなる成分や食品を摂取することを指します。
善玉菌のエサとなる成分の具体的な例としては、食物繊維やオリゴ糖などがあります。
・大豆
・ごぼう
・玉ねぎ
・バナナ
・牛乳
・ヨーグルト
せっかく取り入れた善玉菌を育て、増やすためにはエサが必要。継続して取り入れる習慣が大切です。
菌ケア3箇条|③菌の邪魔をしない
3つ目は、菌の邪魔をしないというものです。
実は、無意識の習慣が、時として腸内で善玉菌が有益な働きをするのを邪魔してしまうことも。
菌の邪魔をしてしまう?生活習慣
通常、私たちの腸内では、便を排出するためにぜん動運動という腸の筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことによる押し出し運動が行われ、この働きによって便がスムーズに排出されています。
しかし、運動不足によってこのぜん動運動の働きが低下すると、便秘や腸内環境の乱れを引き起こす可能性があるのです。
また、睡眠不足やストレスも腸内環境を乱す原因に。
こうした生活習慣を改めることで、菌の邪魔をしない環境を整えることが大切です。
菌の邪魔をしてしまう?食習慣
動物性タンパク質の摂りすぎや脂っこい食事、カップ麺などのファーストフードが多い食生活。これらに多く含まれる食品添加物も、腸内環境のバランスを崩す原因となり得ます。
多くの食品添加物は、食品の保存期間を延ばし、見た目や風味を向上させるために使用され、これらの添加物の中には抗菌作用があるものが含まれることがあります。
この抗菌物質は、腸内で善玉菌や悪玉菌を区別せずに抑制する可能性があり、善玉菌が減少することで腸内環境の乱れにつながると考えられているのです。
また、悪玉菌のエサとなり得る白砂糖やリーキーガット症候群などの不調を引き起こすこともあるグルテンを含む小麦製品なども、できるだけ控えることで善玉菌の邪魔をしない食生活に繋がると言えます。
グルテンとリーキーガット症候群についての詳しい記事はこちら▼
納豆が最強の発酵食品と言われる理由
ここまでは、腸活において大切な菌を取り入れ・育て・邪魔をしないという3つのポイントと、腸内環境を整えるためには発酵食品を摂ることが効果的であることを解説しました。
発酵食品の中でも、特に納豆はスーパーフードとも言われ、注目されている食品。
実は、納豆菌にはすごいパワーがあるのです。
スーパーフード納豆についての詳しい記事はこちら▼
納豆菌がまとう鎧(よろい)?芽胞とは
納豆菌は、芽胞(がほう)と呼ばれる殻を作る能力を持っています。
この鎧のような芽胞があるおかげで、納豆菌は熱や乾燥に強いという特徴があります。
芽胞に守られている納豆菌は胃酸や胆汁酸にも耐え、生きたまま腸に届いて善玉菌を活性化させることで悪玉菌の増殖を抑えることができると考えられているのです。
納豆菌は糖化菌のひとつ|糖化菌とは?
糖化菌は、消化酵素であるアミラーゼを作り出し、デンプンを糖に分解します。
腸内環境に良いとされる乳酸菌やビフィズス菌は、この糖をエサにして増殖することが分かっています。
実は、納豆菌もこの糖化菌のひとつ。
さらに、この糖化菌は乳酸菌との相性がバツグンであるということも分かっています。
菌の競合関係・共生関係
菌と菌の相性。
最強の菌と呼ばれる納豆菌と他の善玉菌を掛け合わせたら、掛け合わせた善玉菌が弱まってしまったり、逆に納豆菌の働きが弱まってしまうのではないかと不安に思う方もいらっしゃるかもしれません。
このように、同じ環境下にある2つの菌のどちらか一方が他方を抑制することを競合関係にあるといいます。
対して、一方が生息地を提供し、他方が栄養を供給するなど、お互いに利益を得る関係を共生関係といいます。
納豆菌と乳酸菌の場合は、それぞれが有益に働き共存する共生関係にあると考えられており、それゆえ乳酸菌を多く含むキムチと納豆はベストな食べ合わせであると言えるのです。
最強の食べ合わせは【納豆×キムチ×◯◯】
そこに加えることで効果を10倍にするとも考えられている成分こそが、デンプンです。
前述の通り、納豆菌は消化酵素であるアミラーゼを作り出し、デンプンを糖に分解することで他の善玉菌のエサを増やします。
このエサの元となるデンプンが加わることで、納豆菌の持つ健康効果がさらに高まると考えられているのです。
デンプンとは、植物が光合成によって実や根などに貯蔵した炭水化物のこと。
デンプンは、ジャガイモやさつまいもなどの芋類の他、米にも多く含まれています。
つまり、納豆とキムチにプラスすることで効果をアップさせるための組み合わせとは、納豆×キムチ×ご飯(お米)です。
白米を玄米に代えたり、もち麦をプラスする工夫も
普段から納豆×キムチ×ご飯(お米)の組み合わせで食べていた方も、これから試してみようという方にも、おすすめしたいのが、白米を玄米に代えてみるというもの。
玄米は、稲の実からもみ殻だけを取り除いた状態のもので、ぬかや胚芽がそのまま残っています。そのため、白米にはないぬかや胚芽に含まれるビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。
さらに、玄米は食後の血糖値上昇を示すGI値が白米よりも低く、噛みごたえがあって満腹感を得やすいため、ダイエットにも向いていると言えます。
より食べやすさを求めるなら、白米を炊く際にもち麦を加えるのもおすすめです。
もち麦とはもち性の大麦を指し、食物繊維やマグネシウムやカリウムの他、アミロースというデンプンや粘りが強いアミロペクチンを含んでいて、もっちり・プチプチとした食感が特徴。
白米だけで食べるよりも多くの栄養を摂ることができ、また白米よりも粒が大きいもち麦を炊飯の際にプラスすれば、お腹にも嬉しいカサ増しになることでしょう。
もっとこだわるなら、自然発酵の納豆を選んで
納豆の発酵方法には、1種類の菌で発酵・培養をする単菌発酵(培養)と2種類かあるいはそれ以上の細胞腫や組織を一緒に発酵・培養する共発酵(培養)があります。
一般的にスーパーなどで売られている納豆の大半は、効率的な製造と一定の品質を確保するために人工発酵による単菌培養が採用されています。
これに対して自然発酵の手法が取られた納豆は、入っている納豆菌が複数種類に渡る共発酵(培養)であり、2種類以上の菌を発酵させることによって、単菌のもの以上に代謝産物が増えて健康への効果が期待できるのです。
納豆といってもその種類はさまざま。選ぶ納豆の種類によって風味や栄養成分が異なるため、好みや健康への期待に応じて選んでみてはいかがでしょうか。
最強の組み合わせでもっと美味しく健康に
どんなに身体に良いとされる食品でも、一度食べただけでは効果的とは言えないもの。継続して食べることで常にお腹の中に善玉菌が棲みやすい環境を整えることが大切です。
そのためにも、無理をして食べ続けるのではなく、美味しく続けられる習慣が1番ですね。
納豆×キムチ×ご飯に水溶性食物繊維が豊富なオクラをプラスしてみたり、お味噌汁を加えてみたりと、ぜひ工夫しながら続けてみてください。
「菌をケアすることが当たり前の世の中にしたい!」
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菌ケアの専門家「下川先生」の菌ケア大学チャンネルはこちら▼
【納豆✖️キムチ】効果10倍?糖化菌・乳酸菌・デンプンが一度に取れる最強レシピ
【参考文献】
・ 糖化菌・乳酸菌・澱粉のかけ合わせ
東亜薬品工業:https://www.toabio.co.jp/cms/toa/img/healthfood/BM.pdf
・腸内細菌の改善
Zhang N, et al. Functionaloligosaccharide fermentation in thegut: Improving intestinal health andits determinant factors-A review.Carbohydr Polym. 2022 May15;284:119043. doi:10.1016/j.carbpol.2021.119043.
・免疫力の向上
Sun P, et al. Effects of Bacillussubtilis natto on performance andimmune function of preweaningcalves. Journal of Dairy Science.2010 Dec;93(12):5851-5855. ISSN0022-0302. doi: 10.3168/jds.2010-3263.
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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