腸活で和らぐ花粉症!菌と花粉症の関係について全力でまとめてみた!
今年もこの季節になってしまいました。
ユーザーのみなさまの中にはしんどい症状に悩まされている方も多いようです。
はい、そうなんです!
花粉症と菌、これも実は密接な関わりがありまして。菌ケアをしっかり行うと、花粉症の諸症状が緩和される可能性があるんですね。これは複数の論文で示されている事項となりますので、今回はそれらを調査してまとめ、ご報告させていただきます。
現に、去年の花粉症シーズンは症状が酷かったものの、実験的にしっかりめの菌ケアを行ったKINSメンバーの中には、症状が出なくなった人もいます。(魚メインの食事+毎食玄米+小麦食を減らした)
ぜひこの記事を読んで菌と花粉症の関係を理解し、ちょっとでも症状が和らぐような日常生活を意識してみてください!
と言うわけで、以下このnoteの内容となります。興味があるところ、面白そうなところから読んでいただいても大丈夫なように書いています。しっかり知識を得たい方は上から順にどうぞ!
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環境省がまとめた「花粉症の原因」
花粉症に関しては、環境省がまとめた「花粉症環境保健 マニュアル」と言うものがあります。最新版は「2022/3月版」、まさに”今”まとめられたものです!
我が国における花粉症の変遷や対処法、原因や治療が記述されています。いくつかの省庁が連携して、科学的な知見をまとめたものです。それだけ日本においては花粉症に悩む人が多く、それによる経済的な損失が大きい。と言うことですね。
日本における花粉症は1960年代に報告され始め、罹患者は年々増加傾向にあるようです。特に欧米諸国では昔から似ている症状が報告されていることから、食生活など生活習慣の欧米化によるライフスタイルの変化の影響を指摘する意見もあります。
他にも原因として挙げられているのはこちら
飛散する花粉数の増加、食生活の変化、腸内細菌の変化や感染症の減少などが指摘されている他、最近の研究では花粉症の症状を悪化させる可能性があるものとして、空気中の汚染物質や喫煙、ストレスの影響、都市部における空気の乾燥などが考えられています。
出典:花粉症環境保健マニュアル2022
複数の要因が絡むことは明確ですが、その中には「腸内細菌の変化」と言う文字が! 菌と花粉症の関係については、環境省ですら着目しているところ、と言うことですね!
ちなみに、日本において花粉症を有する人の数は正確なところは分かっていないようです。
全国的な調査としては、全国の耳鼻咽喉科医とその家族を対象とした鼻アレルギーの全国調査が1998年、 2008年、2019年とほぼ10年おきに3回実施されています。それによると、花粉症の有病率は1998年が19.6%、2008年が29.8%、2019年には42.5%で10年ごとにほぼ10%増加しています。
「花粉症」と、ひとことに言ってもその原因は「スギ」「イネ」「ブタクサ」などなど。様々なアレルゲンによるものが知られていますが、全て一括りにすると日本人の「2人に1人」に近い割合で症状が現れているという、まさに国民病と言っても過言ではない割合です。恐ろしい!
私自身も過去に罹患経験があるので、そのしんどさは身に染みています……確かにその頃は、仕事のストレスも鬼のようでしたし、酒もタバコもバンバン嗜んでいましたし、ランチはコンビニでした。当時の職場のすぐ裏にあったんですよね。もう5年以上も前の話です。
また、平成28年度の調査で年齢別の花粉症有病率の推定調査が行われているのですが
0~14歳 :40.3%
15~29歳 :61.6%
30~44歳:57.0%
45~59歳:47.9%
60歳以上:37.4%
と言うことで、特に20代30代については半数以上の方が花粉症を患っている可能性があるとのこと。
このnote、全国民の方に見ていただきたいですね!
花粉症に「なる」と、食べ物アレルギーが「現れる」?
さて、そんな花粉症ですがいわゆるアレルギーの一種です。本来では無害である花粉に含まれる成分を敵と判断し、免疫が過剰に働いてしまうことにより症状が現れます。
このように免疫が過剰な反応を示すようになると花粉以外にも「本来であれば無害なもの」に対して免疫が働くようになるケースがあります。これを「交差反応」と呼びます。花粉に含まれるタンパク質と似ている構造をしたタンパク質が含まれている食品に対して、体が反応するんですね。
スギ花粉症ではトマト
ブタクサ花粉症ではスイカやウリ
など、花粉によりアレルゲンとなる食べ物が変わります。
これら交差反応が起きる割合は花粉症患者の20%~40%ほど。特にシラカンバ花粉症の方には多く現れるようです。見られる症状は「口の中の不快感・かゆみ」ですが、まれに重度なアナフィラキシーショックを起こすことも報告されているようです。花粉症の症状がある方は表に対応する食品は念のため、多量に食べないよう注意が必要です。
加熱処理を挟むとタンパク質が変性し問題なく食べることのできるケースが多いですが、一方で大豆(豆乳)に関しては加熱の強度によっては変性がなかなか起きないなど、食品ごとにきめ細かい対応が必要です。この辺りは研究が進みきっていない分野でもありますので、あまり食べないようにするのが無難でしょう。
鼻水が出なくても起きる「肌の花粉症」
メディアではあまり取り上げられないものの、女性の間で経験的に知られているのが「肌の花粉症」です。冬が終わってだんだん暖かくなり、外に出るのが気持ち良くなる…そんなタイミングで訪れる肌荒れ。春の終わりと同時に症状が治るケースもあることから「肌の花粉症」と言われています。
この症状について、仕組みを解説した論文がありました。それがこちら。
GyoheiEgawa. (2017.) Barrier dysfunction in the skin allergy.
花粉症の症状がない方でも、お肌が「ある特定の状態」になっている方は花粉による刺激に対し、より敏感に反応してしまうことが明らかになっています。その結果として皮膚の炎症が起きるようです。
原因となる「ある特定の状態」それが「バリア機能が低下」している状態です。
皮膚は私たちの全身を覆い、ありとあらゆる外部刺激(目に見えないような小さな異物や、日光などの化学刺激など)から体を守ると同時に、体内から水分が蒸発してしまうことを防ぐ役割があります。バリア機能が低下するとこれらの刺激に対して過敏になり、炎症をはじめとした反応が起きてしまうようになるのです。
重要な役割を担っているのが皮膚の1番外側の層である「角層」と、その表面を覆う「皮脂膜」です。角層は細胞が鱗のように重なった構造をしており、水分を保持する力に優れています。皮脂膜はその角層から水分が失われていくのを防ぐ役割を担っているんですね。
そんなバリア機能を担う二つの機能ですが、非常に繊細なバランスを保っておりどちらかが欠けると調子を崩してしまいます。バランスを崩す要因には「化学的な刺激」と「物理的な刺激」の二つのことが考えられます。
化学的な刺激の面では、主な原因はやはりスキンケア。皮脂膜を洗い流し過ぎてしまうことや角層の水分が失われてしまうケアが原因として考えられます。具体的に言うと、洗顔やクレンジングがかなりポイントになりそうです。強い界面活性剤を使用することにより皮脂を落とし過ぎてしまうことに加え、角層に満ちている油分まで取り去ってしまうことでバリア機能が崩れてしまいます。スキンケア以外では紫外線なども要因として考えられますね。
物理的な刺激、これはつまり肌表面が傷つくことによるもの。これは様々な要因が考えられますが、例えば「お風呂の際にゴシゴシ洗ってしまった」ことによる小さな傷や摩擦傷、それからシンプルに掻いてしまったなどが当てはまります。よくあるのが化学的な刺激によりバランスが崩れて炎症が起きる→痒いのでちょっとだけ掻いてしまう→さらにバリア機能が壊れ、炎症悪化。の悪循環ですね。
まずは症状が現れないように日々のケアに注意すること。また症状が現れてしまったら極力刺激を与えないように振る舞うこと。この2点が非常に重要です。
日本における花粉症の治療
そんな国民病の花粉症ですから、その治療としても様々な薬や方法があります。それこそ、症状の度合いや鼻づまりの程度によってどのような 治療を選択するかのガイドラインも整備されるほど。不快な症状に関しては医療機関で処方された薬でサクッと止めてしまうのが確実かつ早いです。
ただ厄介なことに、「現在は薬物だけでは花粉症の症状を完全におさえることは難しく、自らが原因である花粉のばく露から身を守るセルフケアと治療薬を用いるメディカルケアを同時に行うことが必要になります。」と環境省のガイドラインでも示されています。いくら薬を飲んでいても、浴びる花粉の量によっては症状が抑えきれないことがある。と言うことです。あくまでも「症状を抑える」薬であるがゆえ、ですね。
完治を目指すのであればアレルゲン免疫療法(減感作療法)だけが現在の唯一の有効な手。アレルゲンを少しずつ定期的に体内に取り込み、免疫を慣れさせる。と言う100年以上の歴史がある治療法です。近年話題に上がる「舌下免疫療法」がまさにこれ。治療薬を舌の下に置き、しばらくしてから飲み込む。と言うだけの簡単な方法です。完治も目指せますし、そこまで行かずとも症状を緩和させる効果も期待できます。
ただ!
厄介なのがこれ、とても時間が掛かってしまうんですよ。なんと治療期間は最低3年。それも毎日!
効果も大きいですが必要な努力も大きい。なかなか大変な治療法です。
と言うわけで、私が根本へのアプローチとしておすすめしたいのが「腸内細菌のバランスを整えること」です。症状が重い方はしかるべき治療を受けていただくとして、「症状が気になるけど免疫療法を行うほどではないな…」と感じる方にはぜひお試しいただきたいです。
論文ベースでご紹介すると「乳酸菌の摂取が花粉症の症状緩和と関係がある」や「酪酸菌の出す成分がアレルギー症状の緩和に作用する」などの記載が見られます。
例えばこちら
ビフィズス菌の摂取により腸内環境のバランスがよくなり免疫が適正化。花粉症の症状が和らいだ。
J Z Xiao. (2006.) Effect of probiotic Bifidobacterium longum BB536 [corrected] in relieving clinical symptoms and modulating plasma cytokine levels of Japanese cedar pollinosis during the pollen season. A randomized double-blind, placebo-controlled trial.
アレルギーを発症する人は免疫を抑えるリンパ球が少ない。逆に、リンパ球を増やすことができればアレルギーを抑えることができる。このリンパ球を増やすのに関わっているのが、腸内細菌叢の作り出す「短鎖脂肪酸」である可能性がある。
Stefanie Haase. (2008.) Impacts of microbiome metabolites on immune regulation and autoimmunity.
などなど。腸内細菌のバランスを整えることによる花粉症の緩和については、様々な論文で示されています。
と言うことで、次の項目では腸内環境を整えることで花粉症の症状が和らぐメカニズムと、具体的に働いてくれる菌の紹介。それから取り入れるべき生活習慣について詳しく紹介します!
腸内環境を整えることと、花粉症、免疫の関係
腸内細菌を整えることで花粉症に作用するメカニズムは大きく2つ。
②リーキーガット症候群の予防
①菌が作る特別な物質を吸収する
先の論文でもご紹介した通り、菌がお腹の中で活動する際に作り出す一部の成分が免疫に作用することが分かっています。具体的なところでは、酪酸を生産する酪酸菌。特に糠漬けや納豆などに、日本では古くから食品として利用されている菌です。この菌が関わっているのがリンパ球。免疫の活動をコントロールしてくれるものです。
花粉症やアレルギーを発症する方はこのリンパ球が少ないことが分かっています。その結果、免疫を抑える力が弱くなり普段は敵として認識しない花粉に対しても過敏に反応してしまうようになると考えられています。
②リーキーガット症候群の予防
腸内環境の悪化が進むと起きると言われるリーキーガット症候群。KINSでも何度か取り扱ったことがございますので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。リーキーガット症候群とは「腸漏れ」とも言われる現象です。文字通り、腸の内容物(未消化の食品や腸内細菌、悪玉菌が出した毒素など)が、本来であれば排泄されるところが血中に漏れ出すようになってしまう状態のことを指します。
腸内細菌のバランスの乱れをはじめ、いくつかの悪い条件が重なってしまうと普段はぴったりとくっついている腸の細胞と細胞の間に「ゆるみ」が生じてしまうんですね。そして、漏れ出した栄養や物質を体が異物と判断し、免疫が敏感になることで花粉に対しても反応するようになってしまう。というロジックです。
では、それぞれのケアについてはどのように進めたらいいでしょう。具体的な方法を次項で説明します。
菌ケアするなら:インナーケア
花粉症を菌ケアで抑えるには、まずはインナーケアを行うことはマストです。まずは前項の「日本における治療」のところで記載した「菌の摂取」はエビデンスも多くあり、非常に有効と考えられます。先の項では「ビフィズス菌の摂取」に関する論文をご紹介いたしましたが、これは「乳酸菌」でも同様の論文が多数報告されていました。
菌を摂る方法はヨーグルトでもサプリでも、なんでもOKです。ただ一点だけ、アイテムを選ぶ際に注意したいことがあります。それが「自分の腸内細菌と摂る菌には相性がある」ということです。誰かにとって非常に有効な菌の入ったヨーグルト(サプリ)でも、自分がいざ摂ってみるとあんまり変化を感じない…なんてことは日常茶飯事。厄介なことに、この相性は「実際に摂ってみるまでわからない」ものです。そのため複数のアイテムを試し、自分にあったものを探さなければなりません。
これらを踏まえて、食品から摂る場合とサプリで摂る場合のメリットとデメリットをご紹介します。
【食品(ヨーグルトなど)】
メリット
・一個当たりの単価が安く、様々な種類を試せる(相性が良いものを探すことができる)
・気軽にどこでも購入できる
デメリット
・菌の数がサプリに比べて少なく、体感がすぐには感じにくい可能性がある
・味が苦手なケースがある
・乳製品が体質的に摂れないケースがある
・皮脂の分泌が増えるケースがある(肌荒れのリスクが向上する)
【サプリ】
メリット
・多くの菌を一度に摂ることができるため、変化が早い
・複数の菌をブレンドしているものは、相性の良いものに当たる可能性が高い
・乳製品を受け付けない方も利用できる
デメリット
・1ヶ月分がセットであることが多く、少量試すことができない。
まとめると上記のようなイメージです。
すでにシーズンに入ってしまっているため、総合しての私のおすすめはやはりサプリメント、それも複数の菌が使用されているものがハズレが少なくておすすめです。まずは今シーズンをサプリで乗り切り、来シーズンにむけて発酵食品で体を整えていく…といった流れがベターでしょう。
ほとんどの発酵食品に乳酸菌、ビフィズス菌、それから酪酸菌のいずれかが含まれております。体を整えるという意味では、これらの発酵食品を定期的にかつ複数摂取し続けることが大切です。
菌ケアするなら:アウターケア
肌荒れをはじめとした皮膚の症状を感じる方はインナーケアに加えてアウターケアも並行して行いましょう!
これの面白いところは、全身の免疫機能のバランスが整っており鼻や目に症状が出ないような方でも肌という局所的な箇所のバランスが乱れることにより、花粉に対するアレルギーを発症してしまうところにあります。要するに「肌に症状が現れているときはインナーケアだけではダメで、肌の対策も同時にする必要がある」ということです。
肌のバリア機能には二つのアプローチ。
「バリアを壊す要因を取り去る」「バリアを保つ」ことが大切です。
壊す要因を取り去る例で言うと、まずは洗顔からのアプローチ!
これも何度もお伝えしていることではありますが、洗顔時に「温かいお湯」を使うと皮脂や角質層の大切な油分まで落とし過ぎてしまい、乾燥しがちな肌となってしまうことがわかっています。
そのため、洗顔の際にはできるだけ温度の低いお湯を使いましょう。イメージは「冷たくない水」です! 温かく感じるほどのお湯は基本的に使いたくないところ。さらに、洗顔フォームを用いた洗顔は朝と夜どちらかのみに止めるのがベターです。
加えて注意すべきが「クレンジング」です。これも毎日必須のスキンケアですよね。クレンジングは要するに「強い界面活性剤」の扱いとなりますので、これも油分を落とす作用があります。特に気をつけたいのは「W洗顔」です。クレンジングを使ってメイクを落とした後、さらに洗顔フォームで洗顔を行うことを指すのですが、これは明らかにやり過ぎ。ぜひ「W洗顔不要」と書かれたクレンジングをチョイスしてください。
また、クレンジングについては様々なタイプと強さのものがありますが、「自身のスキンケアのタイプによって適切な洗浄力のもの」を使い分けることが大切。例えば、洗浄力の非常に強いバームタイプのクレンジングを、水だけで落ちるようなミネラルファンデに対して使用するのは過剰です。よりマイルドなミルクタイプを使用しましょう。
*一例として「バーム」「油脂」などの表現を行いましたが、テクスチャーで洗浄力が変化するとは限りません。使用している界面活性剤の種類と量で洗浄力は変わります。
とはいえ、メイクを完璧に落とし切れていないと、また別のトラブルを招くことにもつながります。難しいですよね…。
そのため、クレンジングの選び方についてはここでは深く掘り下げず、また後日別のnoteを書いて、改めてしっかりまとめようと思います! クレンジングもなかなか奥が深くて、一つの章で解説するには少しだけ重過ぎますので。
それから、バリアを「保つ」方の対策を調査すると、ここに「肌の常在菌」が関わっていることがわかりました!
肌にすむ「表皮ブドウ球菌」と言う菌は皮脂を餌にしてグリセリンや脂肪酸を作り出す菌です。脂肪酸は悪玉菌が増殖することを防ぐ役割が。そしてグリセリンには肌を保湿して皮膚のバリア機能を保つ役割があります。
名前の通り皮膚の表面に住んでいる菌のため、洗顔を行うと簡単に流れ落ちてしまいます。そうした意味でも、上記のように洗顔の方法には気を使いたいところです。
この菌は弱酸性の素肌を好み、逆にアルカリ性の環境では弱体化してしまいます。そのため、使用する化粧品(特に、最初に素肌に触れる化粧水や導入美容液)は弱酸性のものをお選びください。さらに注意するのであれば、表皮ブドウ球菌は「パラベンの複数使用」によって数を減らすことが論文で示されています。〇〇パラベンと名前のつく防腐剤はいくつかありますが、これらを使用するのはスキンケアを通して最大でも一つまで。できることなら一つも使わずにケアを終えられると理想ですね!
さらに菌の中でも表皮ブドウ球菌を助けてくれるのが「アクネ菌」ニキビの原因として有名です。が、彼らは「適切な数生息している」状態については、善玉菌として活動してくれます。彼らが皮脂をエサとして作り出す「プロピオン酸」は、肌の表面を弱酸性に保ち、表皮ブドウ球菌が活動しやすい土壌を作ってくれるのです。
ではこれらの菌をどのように増やしたらいいのか。ヒントはこれまでの説明で「エサ」として扱われている物質です。
それが「皮脂」。彼らは皮脂をエサに活動を行いますので、私たち人間側は、彼らに良質な皮脂を提供することが大切です。
良質な皮脂を生み出すのは「軽い運動」です。サラリとした清潔な汗はまさに彼らの大好物。素晴らしい化粧水と言っても過言ではありません。毎日定期的に軽く汗ばむような運動を行うことは、素肌の善玉菌を増やすのにとても重要な役割を担っています。
一点注意すべきところとして、皮脂は酸化を起こします。そのため、汗をかいたら後処理としてすぐにしっかりと拭き取ることが大切です。肌の表面に滲むくらいで十分。もちろん、拭き取る際は菌も一緒に拭き取ってしまわぬよう、摩擦には十分ご注意を!
今すぐ花粉症の症状を止める裏技
さて、とはいえ既に花粉シーズンは到来中。今この瞬間にも花粉症の症状に悩まれている方、たくさんいらっしゃると思います。
ここから先は若干エビデンスとして弱いですが、即効性のある花粉症の症状緩和策として「理論上考えられるもの」を調査しましたので掲載します。
KINSメンバーにも試してもらい効果のあったものを載せているので、相性次第では有効なものもあるかもしれません。ぜひお試しください!
①ワセリン物理ガード編
②アロマ編
③準備ナシ!今すぐできる編
①ワセリン物理ガード編
これは朝、外出前に行う方法です。まず一般的な白色ワセリンをご用意ください。これを鼻の穴の周りと、目の周りに薄く塗ります。すると、不思議と花粉症の症状が出なくなる。というものです。
ロジックとしては塗ったワセリンが花粉をキャッチし、直接目や鼻の粘膜に触れることを防いでくれる。というものです。「え、それだけで本当に効くの??」って思いますよね? でも実はこれ、イギリスをはじめ西洋の方ではごくごく一般的に行われている方法だというから驚きです。実際にKINSメンバーに試してもらったところ、平均すると体感で30%くらい症状がおさまったとのこと。顔の片側だけに使用した場合、塗った側の方が明らかに症状が弱かったそう。これはかなり気軽に試せるのでは?
ちなみに、本場イギリスでは「綿棒を使って鼻の中」にまでワセリンを塗り込むそうです。具体的な量や方法はここでは記載しませんが…人体に対する安定感バツグンの白色ワセリンならではの方法ですね!
②アロマ編
花粉症の鼻水や鼻詰まりがどのようなロジックで起きるかご存知ですか? 要は、血管が拡張し血流が増えることによって粘膜の腫れや痒みを引き起こしているんですね。
要は血管の状態を元に戻すことができれば、こうした症状も一時的に消失させることができる。と考えられています。
血管の拡張を抑える方法はいくつかあるのですが、その一つに「自律神経からのアプローチ」が考えられます。自律神経は交感神経と副交感神経の二つから成るもので、人体のありとあらゆる調子をコントロールしています。
そのコントロールしている機能のうち、一つが「血流のコントロール」です。副交感神経が活性化した状態になると血流は増加し、人体はリラックスした状態となります。しかしその一方で花粉症の方は鼻や目の粘膜での血流も増加してしまい、鼻詰まりの症状が現れる。ということです。逆に、交感神経が活性化した状態に成ると血管は萎み、血流は制限されます。すると鼻詰まりの原因であった腫れも少しずつ引いてくる。結果として症状の緩和につながる、というロジックです。
そして自律神経へのアプローチといえばやはりアロマでしょう!
アロマは本当にすごくて、香りが脳や神経系、気分にどんな影響を与えるか実際に複数の論文で解明されているんですよね。
私も眠れない日はラベンダーのアロマを使用しています。ラベンダーは副交感神経にアプローチし、リラックス効果を生む香りです。
鼻詰まりを解消するにはその逆で「交感神経」を優位にすることが効果的です。アロマにおいてはローズマリー、レモン、ティートリー、フランキンセンス、オーズオットー、コショウ、グレープフルーツ、エストラゴン、フェンネルオイル、それからユーカリが効果的です。
症状が気になる時に精油を嗅ぐのも良いですし、それぞれの香りが込められたキャンドルやお香を症状が気になるタイミングで焚くのもオススメですね!
③準備ナシ!今すぐできる編
交感神経にアプローチすると花粉症の症状が治る、という話を書きました。実は交感神経は特別な用意なく活性化させることもできてしまいます。その具体例が「運動」です。交感神経にアプローチすると花粉症の症状が治る、という話を書きました。実は交感神経は特別な用意なく活性化させることもできてしまいます。その具体例が運動なんですね。
交感神経は体の動きを活性化させる「アクセル」のような働きをしています。その昔、人類がまだ狩りを行っていたころ、瞬間的に運動能力を活性化させ気合を入れる役割を担っていました。
そんな役割を担う交感神経なので、運動を行うことで活性化させることができます。と言っても、激しい運動を行う必要はありません。椅子に座った状態で上半身のストレッチを行うだけでも十分です。大きく息を吸ってゆっくり吐きながら、上体を左右と前後にぐーっと曲げ伸ばし。これを3セットほど行ってみてください。
花粉症のケアと菌の関係まとめ!
以上! 花粉症と菌ケアについての記事でした。
改めてまとめると…
・花粉症に「なる」と、食べ物アレルギーが現れることがある
・鼻や目だけでなく、肌にも症状が現れる
・腸内細菌を整えることが、花粉症の症状緩和に役立つ
・肌の花粉症が現れている時はアウターケアも大切
というところ。
具体的なケアではまずインナーケア。本当は食生活を切り替えていくことが大切ですが、短期的な成果を目指すのであれば乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌などのサプリメントの活用がおすすめです。
肌に症状が出ている場合はアウターケア。ポイントはいかにバリア機能を保つかです。具体的には洗顔の温度をより冷たくし、かつ自分のメイクにあった強さのクレンジングを使用すること。加えて軽い運動で汗をかき、美肌菌を育ててあげてください。バリアを菌に作ってもらいましょう!
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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