掲載日 | 2024.03.22
更新日 | 2024.03.22

クレンジング選びで毛穴トラブルを解消!角栓を溶かすのではなく作らせない方法

掲載日 | 2024.03.22
更新日 | 2024.03.22
毛穴に詰まった皮脂や角栓をなんとかしたい、と、クレンジングで毛穴汚れを落とそうとしていませんか。

クレンジングには確かに皮脂や汚れを落とす効果がありますが、クレンジングだけで毛穴汚れをなんとかしようと、汚れ落ちのいいクレンジングを選ぶと、かえって毛穴トラブルを悪化させてしまいます。

この記事では、毛穴トラブルで悩む方に、正しいクレンジングの選び方をご紹介しています。

そもそも毛穴汚れの正体とは

そもそも毛穴汚れの正体とは

毛穴に詰まる汚れの構成割合は、個人の肌質、生活環境、スキンケア習慣などによって大きく異なるため、一概には言えません。しかし、一般的な傾向として、以下のような割合で構成されることが多いです。

皮脂
毛穴の詰まりの大部分を占めることがあり、全体の50%以上を占める場合もあります。特に脂性肌の人に多い傾向があります。
古い角質(たんぱく質)
毛穴に詰まる汚れの20-30%程度を占めることがあります。古い角質が自然に剥がれ落ちずに毛穴に詰まると、角栓と呼ばれる詰まりの原因となります。
汚れやほこり
外部からの粒子や汚染物質も毛穴の詰まりに一定の割合で寄与しており、おおよそ10-20%程度と考えられます。
バクテリア
特にニキビの原因となるアクネ菌などのバクテリアは、皮脂や角質と結合して炎症を引き起こすことがあり、全体の5-10%程度を占めると考えられます。

これらの割合は非常に大まかな目安であり、個々の状況によって大きく異なるため、実際にはこれらの要素がどのように組み合わさっているかを正確に知ることは難しいです。スキンケアのアプローチを考える際には、自分の肌質や生活環境を考慮に入れ、適切な方法を選ぶことが大切です。

角栓は角質の割合が多い

角栓の成分については、主に「皮脂」と「古い角質(たんぱく質)」で構成されており、その割合はおよそ皮脂が30%、古い角質が70%とされています。

これは角栓が、毛穴に詰まった皮脂と肌のターンオーバーの乱れによってはがれ落ちなかった古い角質細胞が混ざり合ってできることによるものです。特にターンオーバーの乱れが古い角質の蓄積を引き起こし、これが角栓形成の大きな原因となっています。

角栓は皮脂と違って硬くなっているので、毛穴の入り口をふさいで、どんどん皮脂が詰まってしまったり、アクネ菌が繁殖してニキビの原因になったりします。

毛穴汚れはクレンジングで溶かすことはできるのか

毛穴汚れはクレンジングで溶かすことはできるのか

毛穴汚れや角栓があると、クレンジングでキレイに洗い流したくなりますよね。ツルツルとしたお肌を求めて、毛穴汚れをしっかり溶かしてくれるクレンジングを探している方も多いのではないでしょうか。

しかし、そういった毛穴汚れを落とすクレンジングには、必ずしもお肌にとっていいものとは限りません。

たんぱく質を分解する成分はお肌の細胞も分解する

毛穴の汚れや角栓をクレンジングだけで綺麗にしようとすると、皮脂を溶かすだけでなく、たんぱく質も分解するような強い洗浄作用が必要になります。しかし、このような強力な洗浄力を持つクレンジング剤は、不要な汚れや角質だけでなく、肌に必要なたんぱく質にも影響を及ぼす可能性があります。

肌の最外層である角質層は、死んだ細胞とそれを結びつけるリピッドやたんぱく質から成り立っており、肌の水分を保持し、外部からの刺激を防ぐバリアの役割を果たしています。角質層内のたんぱく質は、この層の構造と機能に寄与しています。

強い洗浄作用を持つクレンジング剤を使用すると、毛穴の詰まりを解消しようとする際に、これらの重要なたんぱく質が誤って分解されることで、肌の保護バリアが損なわれる恐れがあります。これにより、肌の自然な油分が剥ぎ取られ、外部からの刺激に対する肌の防御力が低下する可能性があり、敏感性の増加、乾燥、刺激や損傷のリスクが高まることが考えられます。

毛穴汚れは落とすことよりも作らせないことが大切!

毛穴汚れは落とすことよりも作らせないことが大切!

毛穴の汚れや角栓を落とすために強い洗浄力を持つクレンジングを使用することは、短期的には効果的かもしれませんが、長期的に見ると肌に負担をかけることになり、さらなる肌トラブルを引き起こす可能性があります。重要なのは、毛穴の汚れを根本的に落とすことよりも、そもそも毛穴が詰まらないようにすることです。

毛穴の詰まりを防ぐためには、肌のターンオーバーを正常に保つことが重要です。ターンオーバーが乱れると古い角質が溜まりやすくなり、毛穴の詰まりを引き起こしやすくなります​​。また、加齢による肌の弾力の低下も毛穴詰まりの一因となり、肌がたるむことで毛穴が広がり、詰まりやすくなります​​。

洗顔やクレンジングにおいては、過剰な洗顔や強い摩擦は肌にダメージを与え、逆に皮脂の過剰分泌を促してしまうことがあります。毛穴の詰まりを防ぐためには、適切な量のクレンジングを使用し、肌に優しく丁寧に汚れを落とすことが大切です

もし毛穴汚れを落としても、数日経てば生成される

また、皮脂分泌は常に行われているため、数時間から数日経てば、新たな角栓が形成され始めます​​。

このため、クレンジングで毛穴の汚れを落とすことは、毛穴の問題を根本から解決するわけではありません。毛穴の詰まりを繰り返さないためには、毛穴が詰まりにくい肌環境を整えることが重要です。

毛穴汚れ、角栓を作らせないためには

毛穴汚れ、角栓を作らせないためには

毛穴汚れを詰まらせない、角栓を作らせないためにはどうしたらいいのでしょうか。

ターンオーバーを整える

ターンオーバーが乱れてしまうと、古い角質が適切に剥がれ落ちず、肌表面に蓄積します。
この古い角質が毛穴を塞いだり、毛穴内の皮脂と混ざり合って角栓を形成したりします。

そのため、ターンオーバーを整えて肌の新陳代謝を健康的に保つことは、毛穴の詰まりや角栓の形成を予防し、ツルツル肌を維持するために非常に重要です。

また、ターンオーバーを整えることは、毛穴トラブルだけでなく、乾燥肌や敏感肌、ゴワゴワ肌、ニキビなどのすべての肌トラブルの改善においても重要です。
毛穴トラブルを改善するためには、クレンジングで毛穴汚れを落とすことではなく、お肌の環境を整えるためのクレンジングを選ぶことを重視してみましょう。

お肌にとって必要な潤いを洗い流さない

お肌が乾燥すると、肌細胞同士が密着してしまい、古い角質が肌から容易に剥がれ落ちなくなります。これにより、不要な角質が肌表面に残り続け、ターンオーバーの正常なサイクルが乱れてしまいます。この状態が続くと、毛穴の詰まりや肌トラブルの原因にもなり得ます。そのため、肌の乾燥を防ぎ、適切に保湿することがターンオーバーを健全に保つ鍵となります。

また、お肌の潤いが奪われて乾燥すると、お肌は乾燥を補おうと皮脂をたくさん出してしまうことがあります。それによって、毛穴詰まりが起きやすくなってしまいます。

そのため、まずはクレンジングを見直し、お肌にとって必要な潤いを洗い流さないことが大切です。

ミネラルオイルは避ける

ミネラルオイルは避ける

ミネラルオイルをベースにしたクレンジングには、製造が容易でコストが低いというメリットがありますが、肌の必要な潤いを奪ってしまう傾向があります。これは、ミネラルオイルが肌表面に膜を作り、天然の保湿因子を取り除いてしまうためです。結果として、肌の乾燥が進み、バリア機能が低下することで肌に負担がかかり、敏感肌や乾燥肌の人にとっては特に問題となります。肌の健康を維持するためには、肌にやさしい成分を含むクレンジング製品の選択が重要です。

ミネラルオイルをベースにしたクレンジングは、成分表に「ミネラルオイル」と表記されていることが多いです。もし今使用しているクレンジングがミネラルベースで、お肌の乾燥や毛穴トラブルを抱えているのであれば、一度見直すのがおすすめです。

植物オイルをベースにしたクレンジングがおすすめ

植物オイルをベースにしたクレンジングは、お肌に優しく潤いを保ちながら汚れを落とすことができます。

これは、植物オイルが肌に自然になじみやすく、肌の必要な脂質や潤いを奪うことなく、ソフトに汚れを溶かし出す性質を持っているためです。

特に毛穴の詰まりや肌トラブルを抱える方には、肌への負担が少なく、栄養も補給できる植物オイルベースのクレンジングがおすすめです。植物オイルには、オリーブオイルやホホバオイルなど、肌の状態を整える効果も期待できるものが多く、これらの成分が健やかな肌をサポートします。

合成界面活性剤を避ける

合成界面活性剤を避ける

合成界面活性剤は、その強力な洗浄力で汚れを効果的に取り除くことができますが、同時に肌の自然な潤いや保護膜も奪ってしまうことがあります。

お肌の乾燥を防ぐためには、天然の界面活性剤やノニオン界面活性剤がおすすめです。

天然由来の界面活性剤やノニオン界面活性剤を含むクレンジング製品は、肌へのやさしさと効果的な洗浄力を兼ね備えています。これらの成分は、肌に残る必要な潤いを保持しながらも、汚れを穏やかに取り除くことができるため、特に乾燥肌や敏感肌の人におすすめです。肌の健康を維持しながら清潔を保つためには、製品選びに注意を払い、肌に優しい成分を選ぶことが大切です。

納豆菌由来の「バイオサーファクタント」に注目!

納豆菌由来の「バイオサーファクタント」は、自然界で見られる界面活性作用を持ち、肌の潤いや美肌菌を保護しながら、メイクや皮脂汚れを効果的に分解して落とすことができる成分として注目されています。そのため、肌への負担が少なく、健康的な肌環境を維持するのに役立つとされています。

毛穴トラブルをはじめ、お肌のトラブルに悩まされている方は、「バイオサーファクタント」が入っているクレンジングを選ぶのもおすすめです。

美肌菌を育てる

美肌菌を育てる

肌菌は皮膚の健康に欠かせない役割を持ち、皮脂や汗をエサにして、お肌に必要な潤い成分を生成します。

これらの微生物が生成するグリセリンや脂肪酸は、肌の水分を保持し、外部の刺激から肌を保護するバリア機能を強化します。美肌菌を守り、良好な状態で育てることは、肌の自然な保湿力を高め、乾燥を防ぐ鍵となります。

そのため、刺激の少ないスキンケア製品の選択や、肌のpHバランスを整えることが重要です。また、適切な保湿と栄養のある食生活も、美肌菌の健康を支えるうえで役立ちます。

豆乳発酵成分がおすすめ

美肌菌を育て、健康な肌を保つためには、栄養分の供給が欠かせません。その一つが、豆乳発酵成分です。

豆乳発酵成分には、乳酸菌やビフィズス菌などの発酵菌が含まれています。これらの発酵菌は、肌のpHバランスを整え、悪玉菌の増殖を抑制し、良い菌の育成を促します。特に、乳酸菌によって生成される乳酸は、肌の自然な保護層を強化し、肌の水分保持能力を高めることで、乾燥や外部環境からの刺激から肌を守る役割を果たします。

さらに、豆乳発酵成分には、肌に必要なビタミンやミネラル、アミノ酸が豊富に含まれています。これらの栄養素は、肌細胞の修復や再生を助け、肌のターンオーバーを促進します。健康な肌細胞の更新は、美肌を保つ上で不可欠です。

また、豆乳発酵成分は、抗酸化物質も豊富に含んでおり、肌を酸化ストレスから守り、老化のサインであるシワやたるみを予防する効果が期待できます。抗酸化物質は、肌の細胞をダメージから守り、健康な状態を維持するのに役立ちます。

さらに、豆乳発酵成分は、肌に優しい成分であるため、敏感肌や乾燥肌を含むあらゆる肌タイプの人々が使用することができます。自然由来の成分であるため、化学物質による刺激のリスクが低いことも大きな利点です。

毛穴トラブルを悪化させる!NG習慣

美肌菌を育てる

毛穴トラブルと解消したくて行っている習慣が、意外にも毛穴トラブルを悪化させているかもしれません。

毛穴パックをする

剥がすタイプの毛穴パックは、見た目に即効性があり、毛穴から不要な角質や汚れが取り除かれたことを物理的に確認できるため、多くの人にとって魅力的なスキンケア製品です。しかし、これらのパックを使用することで得られる一時的な満足感とは裏腹に、肌への負担や毛穴トラブルの悪化というリスクを伴います。

剥がすタイプの毛穴パックは、肌表面に貼り付けた後に乾燥させ、その際に毛穴内の汚れや角栓、そして表皮の一部を物理的に引き抜くことにあります。この強力な剥離作用は、毛穴の汚れや角質を取り除くと同時に、肌の表面にある保護層も剥がしてしまいます。肌の保護層は、外部刺激から肌を守り、水分を保持する重要な役割を果たしています。この層が損なわれると、肌のバリア機能が弱まり、乾燥、赤み、炎症などの肌トラブルが引き起こされやすくなります。

また、毛穴パックの使用は、毛穴の開きを促進することがあります。パックを剥がす際の物理的な力は、毛穴の口を無理に広げ、その結果、毛穴が目立つようになることがあります。さらに、毛穴の開きが永続すると、その後の汚れや皮脂が毛穴に詰まりやすくなり、黒ずみやニキビといった毛穴トラブルの再発や悪化を招く可能性があります。

ごしごし擦る

ごしごし擦る

毛穴の汚れや黒ずみを取り除こうと、洗顔やクレンジングの際に肌を強くこすることは、一見すると即効性があるように感じられるかもしれませんが、実際には肌に多大な負担をかけ、毛穴トラブルを悪化させる原因となります。

肌は非常に繊細な構造をしており、表面には自然な保護層があります。この層は皮脂膜や天然保湿因子から成り、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぎ、肌を健康に保つ役割を果たしています。しかし、肌を強くこすることでこの保護層が剥がれ落ちると、肌は乾燥しやすくなり、外部刺激に対して敏感になります。乾燥は肌のバリア機能を低下させ、炎症や赤み、かゆみといった肌トラブルを引き起こす原因となります。

また、強い摩擦は毛穴を広げることにも繋がります。毛穴が広がると、皮脂や汚れが溜まりやすくなり、毛穴のトラブルを引き起こす原因となります。広がった毛穴は元に戻りにくく、肌の外見にも悪影響を及ぼします。

毛穴をふさぐ下地やファンデーションを使う

毛穴をふさぐ下地やファンデーションを使う

毛穴が気になる方の中には、ツルツルの肌を目指し、毛穴をふさぐような下地やプライマーを使う方も多いのではないでしょうか。これらの製品は、肌表面を均一にし、毛穴や細かい線を目立たなくさせることで、ファンデーションの仕上がりを向上させます。しかし、これらの製品が毛穴を覆い、通気性を損ねることで、皮脂や汚れが毛穴内に閉じ込められ、毛穴詰まりや皮膚トラブルの原因となることがあります。

毛穴を覆うタイプの下地やプライマーに含まれるシリコーンや重いオイル成分は、滑らかな肌の質感を生み出す一方で、皮脂の自然な排出を妨げることがあります。皮脂が正常に排出されないと、毛穴内で過剰に蓄積し、角栓や黒ずみの原因となります。これは、毛穴の詰まりを招き、最終的にはニキビや肌荒れなどの肌トラブルを引き起こす可能性があります。

また、毛穴を覆うことで肌が「呼吸」するのを妨げると、肌内部の湿度が上昇し、バクテリアが繁殖しやすい環境を作り出すことがあります。これは、炎症性の肌トラブルや感染を引き起こすリスクを高める可能性があります。

毛穴ケアのためにクレンジング選びは重要!

毛穴ケアのためにクレンジング選びは重要!

詰まり毛穴や角栓のトラブルを解消するためには、単にクレンジングで洗い流すだけでは不十分です。肌環境を整え、毛穴を詰まらせないようにするクレンジングの選択が重要です。
肌に過度な刺激を与えず、保湿成分を含むものを選ぶことで、洗顔後の肌の乾燥を防ぎ、健康的な肌の水分バランスを維持できます。

また、肌のpHバランスを考慮した製品を選ぶことも、肌環境を整える上で有効です。適切なクレンジングを選び、適切な方法で使用することで、毛穴トラブルの予防に繋がり、毛穴レスな肌へと導くことができます。

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
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