アメリカを始め海外でブームになり、近年日本でも年齢に応じたケアを叶える成分として注目を集めているエイジングケア成分、「バクチオール」。
認知度はまだ低く、もしかしたらまだ聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。
「バクチオール」とは
オランダイビユ(バブチ)というマメ科の植物から抽出される天然成分。
インドやスリランカに伝わる伝統医学「アーユルヴェーダ」で、古くから使用されてきました。
有名なエイジングケア成分「レチノール」と同じような美容効果が得られるため、
「次世代レチノール」、「第2のレチノール」とも呼ばれています。
そもそもレチノールにはどんな美容効果があるのか
レチノールは、ビタミンA(ビタミンA誘導体)の一種。
ビタミンAが不足すると、角層のターンオーバーが乱れて、乾燥やハリ(弾力)・ツヤ不足など肌のコンディションが低下します。レチノールは肌に弾力と艶を与えながら肌を整える、年齢肌にとって欠かせないエイジングケア成分なのです。しかし、優れた効果が期待できるレチノールですが、効果が高いがゆえにデメリットも。
ビタミンAに反応することで皮膚に赤みがでたり、皮むけや乾燥を起こしたりすることもあり、敏感肌の人が使うには注意が必要です。また光や熱に弱いため、日中のケアには不向き。よく混同される美容成分として「レチノイン酸」というビタミンA誘導体がありますが、それとは別物。レチノイン酸はレチノールと比べてはるかに強力な成分で、生理活性はレチノールの50~100倍とも。
ピーリングやニキビケア、しわやしみ改善のため、美容医療クリニックで医師の診断のもと処方されている医薬品です。
バクチオールのエイジングケア効果
しっかりとした美容効果が期待できるにも関わらず、扱いがやや難しいレチノール。そこで登場するのが今回ご紹介するバクチオールです。エイジングケア効果が得られながら そのデメリットを伴わないという画期的な成分として、ここ数年世界中で注目を集めています。
バクチオールに期待できる効果を改めて挙げてみると、まずは肌にハリを与える作用に優れていること。さらに、角層に潤いを与えて、乾燥や外部刺激などのダメージから肌を守ってくれます 。
熱や紫外線、酸素に弱く不安定なレチノールとは異なり、朝のスキンケアにも使えること。これはバクチオールが注目を集める最大の理由であり、一番のメリットです。
バクチオールは成分が安定しているうえ紫外線にも強いため、夜はもちろん日中も使用できます。さらにレチノールは効果が強いだけに敏感肌の人が使うと赤みがでるなどのトラブルがあることがありますが、バクチオールは植物由来成分で、肌あたりがやさしく敏感肌や乾燥肌の人でも使いやすい成分です。
年齢を重ねた肌はホルモンバランスや季節の変わり目などでゆらぎやすいので、毎日使えるのは嬉しいですよね。さらに日本でも最近はヴィーガンを好む人が増えていますが、動物性食品に含まれる脂溶性ビタミンであるレチノールに対し、バクチオールは植物性。
このためヴィーガンブランドも積極的に取り入れられる成分であり、バクチオールが「ヴィーガンレチノール」とも呼ばれる所以です。とはいえごく稀に刺激や赤みなどのトラブルを起こす事例もあります。
不安な人はパッチテストをするなどしてから使ってみてください。
使い続けることで効果を実感
敏感肌でも使いやすいバクチオールですが、効果に即効性があるレチノールと違って効果をすぐに実感しにくいというデメリットも。最低でも1か月程度の長期間は、継続的に使うことをおすすめします。
マスク生活による肌トラブル防止にも
長引くマスク生活により、乾燥や肌荒れなどの肌トラブルが急増。
肌を健やかに整えてくれるバクチオールはそんなマスク荒れもケアしてくれる、頼もしい成分です。また、肌にハリ・自然なツヤ、潤いを与えることで明るい印象にも導いてくれます。まだまだ続きそうなマスク生活において、バクチオールはまず取り入れるべき重要な成分と言えるでしょう。