掲載日 | 2023.05.02
更新日 | 2023.05.02

顎ニキビの繰り返しを止める最もシンプルな方法【独自アンケート結果公開】

掲載日 | 2023.05.02
更新日 | 2023.05.02
「ずっと顎ニキビを繰り返している」

「マスクしている部分の顎ニキビがひどい」

「顎ニキビを治すために色々な薬や化粧品を試したけど、またすぐできてしまう」

このように顎周りのニキビにお悩みの方は多いよう。
特に同じ部位に繰り返しできたり、生理前になるとひどくなる…といったように長く悩まされていることも。

今回は独自のニキビに関するアンケートで得られた332人からの回答を踏まえ、特にお悩みの多かった顎ニキビの解決方法を徹底解説

化粧品だけでは解決しづらい顎ニキビの原因や、本当に有効な【一生もの】のニキビケアを学びましょう。

【332人のアンケートでわかった】60%もの方が悩んでいる顎ニキビ

今回2022年9月にSNS上でアンケートを行い、「ニキビが特に気になる部位はどこか」をお聞きしたところ、なんと6割もの方が「顎」「口周り」と回答。
マスク生活のせいもあってか、顎や口元のニキビが気になっている方がかなり多いことがあらためてわかりました。

長期的に繰り返している方が半数以上

さらに同じSNS上で追加アンケートを行ったところ、顎ニキビが気になっている方で「5年以上」お悩みであるという方が50%を超えていました。
1か月程度という回答より圧倒的に「5年以上」という方が多いのは、つまり多くの方は顎ニキビを長期的に何度も繰り返していると考えられます。

顎ニキビを繰り返す主な要因は食生活?

5年以上も同じ部位にニキビを繰り返しているとなると、「化粧品が合わなかった」などの一時的な要因というよりは、長く続いている生活習慣や体質が関係していそうです。

そんな習慣の中でも私たちの身体に影響を与えやすいものと言えば食事。
そこで、顎ニキビにお悩みの方はどのような食事習慣があるのかも、追加アンケートにより探ってみることとなりました。

繰り返す顎ニキビ・本当の原因と対策

大人の顎ニキビは、食生活やホルモンなど色々な要因があると考えられます。同じ方でも色々な要因が絡み合っていることも。

しかし今回SNSでさらに行ったアンケート内容と照らし合わせると、回答者の多くに共通する顎ニキビの要因がありました。

顎ニキビにお悩みの方々は、以下のような食品を習慣的に摂っていたのです。

  • 砂糖を含む甘いもの
  • 白米やパスタなどの「白い炭水化物」
  • 乳製品

さらに、甘いものと炭水化物においては約半数~6割の方が、毎日のように摂取しているという結果に。この傾向からも、これらの食品とニキビの関連性は高いのではないかと考えられます。

この要因は顎ニキビ以外にも、繰り返すニキビにお悩みの方の多くに共通しているかもしれません。そんなニキビの本当の原因を知り、確実な対策は何なのかも考えていきましょう。

「乳製品」が顎ニキビに与える大きな影響

今回のアンケートで、実に8割以上の方が週3以上~多い方で毎日のように摂取していた乳製品。
実は乳製品はニキビの要因になり得るという論文もあるのです。(※1)

乳製品→男性ホルモン→皮脂→顎ニキビ…の複雑関係

ヨーグルトなどは体に良いイメージもあると思いますが、実は乳製品には「アンドロゲン」という男性ホルモンを活性化してしまうという働きもあります。そしてアンドロゲンは皮脂分泌を増やす働きが。

つまり乳製品を摂り過ぎると、アンドロゲンを介して皮脂分泌を増やしてしまうんですね。

繰り返す顎ニキビにお悩みの方は、乳製品を摂りすぎていないかも気にしてみましょう。 

まずは1ヶ月など期間をきっちり決めて、乳製品を減らす意識をしてみてください。
食生活が原因で顎ニキビを繰り返していた方は、これだけで大きな変化が見られるかもしれません。

「甘いものがニキビを招く」本当の理由

顎ニキビにお悩みの方へのアンケートで、乳製品同様に摂っている方が多かった「砂糖を含む甘いもの」と「白い炭水化物」。

甘いもの=糖質は、ニキビとは切っても切れない関係があります。

エネルギー源として必要な糖質ではありますが、問題は血糖値を上げやすいこと。

実は血糖値が急上昇すると結果的に、皮脂分泌につながるという側面があるのです。
このヒミツは「インスリン」というホルモンが関係します。

特に「白い砂糖(精製糖)」は血糖値の上昇が激しいため、その反動で血糖値を下げるインスリンというホルモンが分泌されます。

このインスリンが皮脂分泌を促すはたらきも持っているため、過剰な皮脂分泌⇒ニキビへとつながる恐れがあるのです。

「チョコレートなどのお菓子を食べるとニキビができる…」なんてよく言われているのには、実は確かなロジックがあるのですね。

白米やラーメン、パスタも顎ニキビのもとになる?

甘いもの以外にも、「高GI(血糖値を急上昇させやすい)」の食品は多く存在します。代表的なものだと、私たちがごく普通に食べている炭水化物類。

米、もち、うどん、ホットケーキ、ラーメン、パスタ、パンなど……。

こういった食べ物は特に糖質が高く高GIな食品の代表例です。
ただ、もちろん糖質は生きるうえで必須栄養素ではあるので、全てをカットすればいいわけではありません。
それではどうずればいいのでしょうか?

【顎ニキビ対策】白い炭水化物→茶色い炭水化物に置き換える

高GI食品な炭水化物を避けるには、同じ炭水化物でも比較的低GIなものが多い「茶色い」食品に置き換えるのが簡単な方法。
もちろんどちらも糖質ではあるので摂り過ぎは良くないですが、血糖値の乱降下を防ぎやすくなります。

白い炭水化物 茶色い炭水化物
白砂糖(精製糖) はちみつ、メープルシロップ、てんさい糖
うどん そば
ラーメン、パスタ 春雨
小麦のホットケーキやクッキー オートミールのホットケーキやクッキー
白米 玄米

このように、一般的な高GI食品も少し選び方を変えるだけで、比較的低GIのものに置き換えられます。
コツは白より色の濃いもののほうが、低GIなことが多いという点。

しつこい顎ニキビが気になる方は日頃から注意してみましょう。

食事だけではない・繰り返す顎ニキビの原因になる生活習慣

5年以上も顎ニキビに悩んでいる方が多いということは、食事など生活習慣に原因がありそう…ということでまず食事のポイントをお伝えしましたが、大人のニキビにはそれ以外にも考えられる要因がたくさん。

まずは食事が大切ですが、加えて一緒に意識したいポイントも覚えておきましょう。

睡眠

睡眠はただ脳や身体を休めるだけではなく、肌や髪を作る「成長ホルモン」を分泌する時間でもあります。
そんな睡眠が不規則だったリ足りていないと、ターンオーバーがうまくいかず肌状態にも影響が出る可能性が。さらに睡眠不足はホルモンバランスなどにも影響し、ホルモンの観点からもニキビなど肌荒れにつながると考えらえます。

ちなみに【バナナ・鶏肉・赤身肉・大豆製品】などの食品を摂ることで増えるとされる「トリプトファン」は、幸せホルモンとも呼ばれる「セロトニン」の生成にも影響します。

セロトニンは正常な眠りを促すホルモンの分泌とも連動しているので、やはりバランスの良い食事は結果的に良い睡眠にもつながるのです。

ホルモンバランス

女性特有のホルモンバランスも、ニキビの繰り返しに絡んでいることも。
生理前になるとニキビが増える…といったタイプは特に関連があるかもしれません。

生理前一週間くらいは特に、黄体ホルモンが増える時期。黄体ホルモンは女性ホルモンの中でも皮脂分泌を活発にする傾向があるのです。

この時期は特に、食事や睡眠など他の要因で皮脂分泌を過剰にしないように気を付けて。女性のサイクルから受ける影響をできるだけ抑えるためにも、自身のサイクルに意識的になり生活習慣に注意していきましょう。

女性ホルモンのバランスには腸内環境も大きく関係しているので、ここでも日頃の食生活などで「腸活」を意識していると効果的と言えます。

女性特有のお悩みにも寄り添う「酵母菌ブラウディ」についてはこちら▼

ストレス

上記で挙げたホルモンバランスは、食事だけではなくストレスにも大きく左右されます。長期的なストレスはホルモンバランスに影響を与え、睡眠や女性ホルモンバランスにも関係してくる可能性が。

さらに、ストレスは腸内環境にも悪影響を与えることがわかっています。

ストレスを受け続けることで腸内の分泌物のバランスが変わり、結果的に悪玉菌が優位になりやすい環境になってしまう…といった研究結果もあるのです。(※2)

腸内環境は肌の美しさにも関わっているところなので、その観点からもストレスは肌の大敵と言えますね。

刺激や乾燥

顎周りのニキビは、中には乾燥が原因の場合もあります。

意外にも顎の周りは皮脂を分泌する皮脂腺が多く存在している一方、汗腺が少ないという特徴があります。 汗によって潤いを与えることができないため乾燥しやすい部位のようです。乾燥している部分を補うために、余計に皮脂が分泌されてしまうことも考えられるのです。

洗顔の際の洗いすぎも乾燥の原因となるので、潤いを奪いすぎないための「ぬるま湯」ではなく「ぬるま水」を使うこと。一般的に「ぬるいな…」と感じる温度より、さらにちょっとだけ低い28度くらいの温度で洗顔することです。

特にマスクなどで擦れて乾燥を感じる…という方は注意してみるといいかもしれません。マスクによる肌トラブルついては以下に詳しくご説明します。

【マスクネとは】マスク蒸れが顎ニキビの原因になる理由

最近は毎日するのが当たり前になっているマスクですが、
「マスクをするようになってから、顎ニキビが増えた」
こんなお悩みを感じている方も多いようです。

マスクをしている部分の顎ニキビとして考えられる原因は、マスクによる蒸れ。
「蒸れ」は実はお肌の菌たちにとっては、あまり良くないのです。

これは肌が蒸れると、お肌のphが「アルカリ性」に傾くため。

  • アクネ菌
  • マラセチア真菌

こういったニキビや肌トラブルと関係している菌は、実はアルカリ性のほうが増殖しやすいとされています。

アクネ菌は適切なバランスであれば、肌に潤いをもたらしてくれる大切な存在。しかし過剰になってしまうとニキビを引き起こすことも。

このようにマスクをしている環境で起きるニキビのことは、近年「マスクネ」という呼び名もつけられ論文が発表されているほどです。(※3)

「蒸れ」と「菌」の関係も知っておくことで、マスクによる顎ニキビを防ぎましょう。

マスク荒れの原因①  蒸れ

マスク荒れの原因として特に多いと考えられるのが、マスクをしている部分の「蒸れ」。

そもそもマスクをしている意味はウイルスの侵入を防ぐためですので、通気性が良すぎるものでは意味がないですよね。

となると必然的に、ある程度の密封性があるものをしなくてはなりません。

でもそんなマスクの中は、温度・湿度が上がりやすく蒸れがちに。

温度や湿度が高く、汗や皮脂も多い状態=雑菌が繁殖しやすいので、肌トラブルが起きやすくなってしまうのです。

マスク荒れの原因② 摩擦や肌刺激

マスクの素材はどんなにソフトなものであっても、肌にとっては異物。

その異物が1日じゅう肌に触れ続けるわけなので、摩擦による刺激は想像以上のものかもしれません。

特に元々乾燥性敏感肌だったり、肌のバリア機能が弱まっている方は要注意。

このような摩擦がずっと続くことで刺激が加わり、赤みや炎症のような肌トラブルが起きてしまう可能性もあるのです。

マスク荒れの原因③  乾燥

マスクの素材によっては吸湿性が高いゆえに、肌の乾燥を招くと考えられるものも。

吸湿性に優れたマスクは、汗をかいた時なども快適に過ごせたりと良い面も多いでしょう。
ただそれゆえに皮脂も吸い取ってしまいやすく、肌の乾燥を招くという可能性も。

マスク部分がガサつく、乾燥して粉を吹く… そんな今までにない乾燥を感じている方は、マスクによって必要な皮脂も奪われてしまっているのかもしれません。
乾燥した部分を補おうと皮脂分泌が活発になることで、ニキビの原因となっていることも考えられます。

美肌菌を整えることで顎ニキビを防ぐ

顎ニキビの原因と対策については

  • 食事で皮脂を増やすものに気をつけること
  • マスク蒸れに注意する

といったことをご紹介しました。

これは「蒸れ」や「過剰な皮脂」が、ニキビの原因菌と関係していることもあります。

特に過剰な皮脂は、アクネ菌やマラセチア真菌の大好物。

アクネ菌やマラセチア真菌は皮脂をエサにして育つため、皮脂分泌が過剰だと菌バランスが乱れ、ニキビができやすくなってしまうのです。

そしてマスクなどの蒸れによるphの変化でも、アクネ菌やマラセチア菌が増えやすくなることがわかってきています。

美肌菌が「わるさをする菌」を抑えてくれる 

食事などの他に肌の菌バランスで意識したいのが、「美肌菌」とも呼ばれる「表皮ブドウ球菌」。

表皮ブドウ球菌はアクネ菌と同様、肌の潤いやバリア機能にも関わっている菌です。
それだけでなく、表皮ブドウ球菌のバランスが優位だと、肌トラブルの原因となる菌が増殖しづらいとも考えられているのです。

普段のケアで菌バランスを意識していくことが、結果ニキビなどのトラブルが起きにくい肌へ導いてくれるのですね。

美肌菌を増やすのにおすすめな成分は?詳しくはこちら▼

美肌菌の働きついては、こちらでも詳しく紹介しています▼

もう顎ニキビに悩まない・菌ケアで強い美肌へ

繰り返す顎ニキビの対策は、内側から食生活・そして肌の菌バランスを意識することが大切とお伝えしました。

まずは糖質や脂質、乳製品などを避けることでインナーケアが重要ですが、もちろんアウターケアも大切。
特に菌バランスを考えるなら、「美肌菌」を意識して作られた化粧品がオススメです。

そして「美肌菌」と呼ばれる「表皮ブドウ球菌」を減らさないためには、強い洗顔料などで洗いすぎないことも大切
化粧品によく含まれる界面活性剤や防腐剤も、使いすぎは注意が必要なのです。

内側からの根本ケアを続けながら、美肌をサポートしてくれる美肌菌も味方につけて揺らがない肌を目指しましょう。

【参考文献】

(※1)Evidence for acne-promoting effects of milk and other insulinotropic dairy products Bodo C Melnik2011;67:131-45. doi: 10.1159/000325580. Epub 2011 Feb 16.

(※2) Decrease of α-defensin impairs intestinal metabolite homeostasis via dysbiosis in mouse chronic social defeat stress model Kosuke Suzuki 1Kiminori Nakamura 1 2Yu Shimizu 2Yuki Yokoi 2Shuya Ohira 1Mizu Hagiwara 1Yi Wang 3Yuchi Song 3Tomoyasu Aizawa 3 4Tokiyoshi Ayabe 5  6 2021 May 10;11(1):9915. doi: 10.1038/s41598-021-89308-y.

(※3) Wan-Lin Teo, The “Maskne” microbiome – pathophysiology and therapeutics, Int J Dermatol. 2021 Feb 12 : 10.1111/ijd.15425.

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
X : @yutaka_shimo

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