腸活にはオリゴ糖?菌ケア目線の甘味料の選び方
気の赴くままに食べるとカロリーが気になる、気づくと脂っこいものばかり、
お昼は食べない日もしばしば…なんて声が少ないことを祈ります。
どんな日でも、まず大切にしたいのが食事。
健康な心身を保つためにも大切な役割をになっている食事に関して、
今回は菌ケア的”落とし穴”のひとつ、甘味料についてお話しします。
甘味料ってなんのこと?
文字通り「甘そう」なことはわかりますが、実際甘味料と言われると具体的に思い浮かびますか?
砂糖、黒糖、蜂蜜…もちろん甘味料です。
実は甘味料には大きく分けると二つのカテゴリーが。
そしてその中でさらにいくつかのグループに分かれています。
糖質系甘味料と非糖質系甘味料
まずは糖質系と非糖質系。
いわゆる糖質ゼロといわれるのに甘味のある物に使用されているのが非糖質系甘味料。
さらに天然甘味料と人工甘味料に分かれています。
メリットとしては虫歯になりにくいことや、カロリーゼロであること、もしくはローカロリーであることなどが挙げられます。
ですが、今回オススメしたい甘味料はこちらに含まれていないので、一旦置いておきます。
糖質系甘味料と果糖
日々の食事や飲み物に含まれる多くの甘味料のほとんどが、糖質系甘味料。
大きく4つに分かれていて、砂糖・でん粉由来の糖・糖アルコール・その他の糖。
白砂糖は菌ケア的に避けるべき食品であることは、これまでのKINS LABOにおいてもたびたび触れてきたので意識されている方も増えたかと思います。
また天然だと消化や吸収の作用が穏やかで良いとされる果糖。
果物以外に含まれている果糖のほとんどが異性化糖と言われるブドウ糖と果糖を組み合わせて作られるもの。
異性化糖にご用心
よく目にする表示としては果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合果糖ブドウ糖液糖、など。
果糖には低温にすると甘味が増すという特性があるため、スポーツドリンクをはじめとした飲料やスイーツ、缶詰などの甘味料として使用されています。
ただ、異性化糖をはじめとする果糖は、甘味料の中でも満腹感を得づらいため、意識しないまま大量に摂取していることも。
過剰な糖質はやはり体には負担となり、その分解に追われるビフィズス菌など調子を整える善玉菌群が減少してバランスを崩すことが考えられるので避けたいところです。
常備する甘味料を見直そう
結局…どの甘味料ならいいの?という話です。
お料理やお菓子作りに万能なのは、やはりお砂糖ですよね。
三温糖は白砂糖にカラメルで色付けした物なので、一見体に良さそうな見た目ですが、菌ケア的にはあまりオススメができません。
きび砂糖で代用してみる
お料理に使う甘味料でまずオススメできるのは、きび砂糖。
きび砂糖は精製の段階が少ないため、さとうきび自体のミネラルが残っていることも嬉しいポイント◎
また、人気レシピサイトや、そのレビュー内においても「素朴な甘味」と言われる優しい甘さが特長です。
特に和食に多い煮物などではその風味が活きるので、愛用者も多い印象。
もはや人気アイドルグループ ”オリゴ糖”
いい感じで登場したきび砂糖、溶けやすいので割と万能なのですが、今回はオリゴ糖シロップを日常使いするメリットもお伝えします。
ちなみに甘味料の分類では「その他の甘味料」に属しています。
ここ数年で格段と入手しやすくなったオリゴ糖シロップ。 やっぱオリゴ糖ってすごいんだね〜という心の声が聞こえてきそうですが、まだまだここからです。
ここ最近の成分表示を見ていると、ただのオリゴ糖でないことにお気づきの方もいらっしゃるのでは?
心当たりのあるあなた、さすがです。
そうでない方もすぐ追いつけますので是非ご一緒に。
推しオリゴで腸活をしよう
巷で入手できるオリゴ糖(シロップ)ですが、原材料名で分けてみると代表的なものが以下の5つです。
オリゴ糖を含む甘味料ということを念頭に、メンバー紹介レッツゴー。
- ・甜菜(ビート)糖蜜
- ・イソマルトオリゴ糖
- ・フラクトオリゴ糖
- ・ガラクトオリゴ糖
- ・乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)
それぞれの特性についてご紹介しますね。
どれもオリゴ糖に変わりはありませんが、継続して取り入れるとなると細かく把握しておきたいもの。
ご自身が必要に思う推しオリゴにぜひ出会ってください!
甜菜(ビート)糖蜜
甜菜は国内だと北海道が名産にしている野菜です。
ビートとも呼ばれ、ボルシチなどに使われる赤い野菜のビーツの仲間です。
このことから完全に植物由来のオリゴ糖であることがわかりますが、精製されて結晶化されると、ラフィノースと呼ばれる甘味料になります。
また一般的にはオリゴ糖シロップの中で、オリゴ糖の含有率が一番低い物ではありますが、アレルギー症状の軽減や、低カロリーであることなどのメリットがあります。
イソマルトオリゴ糖
イソマルトオリゴ糖は酸や加熱にも耐えることで知られており、料理やオーブンを使うようなお菓子作りにも向いています。
逆に、タンパク質とアミノ酸と一緒にすると変質が起こりやすいので避けるほうが最大に効果を得られます。
イソマルトオリゴ糖は、醤油や味噌、みりんといった日本食に馴染みのある調味料にも微量ながら含まれており、まろやかでコクのある甘さと言われています。
スーパーや輸入食料品のお店など、いま一番目にするオリゴ糖かもしれません。
フラクトオリゴ糖
フラクトオリゴ糖はイソマルトオリゴ糖とはまた違った分子構造を持ち、最大の特徴は難消化性であるということです。
耐熱性は砂糖とほぼ同程度、酸には弱い性質です。 また消化酵素によって分解されづらく低カロリーでありながら、整腸作用があるため、赤ちゃんの粉ミルクの原料に含まれていることもあります。
ガラクトオリゴ糖
ガラクトオリゴ糖は、乳糖を原料に作られており、母乳成分にも含まれるオリゴ糖として近年注目を集めつつあります。
虫歯になりにくいことで知られている糖。
また一部では、特定保健用食品として基準が設定されています。
乳果オリゴ糖(ラクトスクロース)
代表的なものの最後は、ラクトスクロース。
今回紹介するオリゴ糖の中で、最も砂糖に近い甘さがあるものです。
前述のガラクトオリゴ糖と同じく、乳糖を原料にし、果糖を結合させたもの。
さらに前述のオリゴ糖たちに並び、低カロリーなことに加え、摂取後に血糖値上昇やインスリンの分泌にほとんど影響しないことがわかっています。
そして腸内のビフィズス菌の増殖に貢献するばかりか、便の性状まで整えてくれる働きもの。
また、カルシウムなどミネラルとの摂取で吸収を促進させることや、生後間もない赤ちゃんの腸内にビフィズス菌を定着させるときの重要な役割をになっていることもわかっており、今後注目株なオリゴ糖です。
甘味料の見直しで腸活をサポート
もし、あなたが毎朝コップ一杯のカフェラテを飲んで1日をスタートするとき、
ひとさじでも加えている甘味料があるのなら、ぜひオリゴ糖シロップをオススメします。
また、普段あまり甘味料を使わないな…という方はぜひ、
砂糖に比べ甘味が控えめなので、調子を整える目的でオリゴ糖を毎日少量ずつ摂ってみるのも吉。
オリゴ糖シロップは蜂蜜の様な粘度を持つものもあるので、電動のミルク泡立て器などがあればご使用をオススメします。
シロップの抵抗がなくなるまで攪拌すれば大丈夫。
1ヶ月もすると、あれ、なんだか調子がいいような…と嬉しい気づきがもたらされることも。
今回の記事をぜひご参考に、ご自身の生活スタイルに合った菌ケア的甘味料を取り入れてみてくださいね。
参考論文、リンク Influence of diet on the gut microbiome and implications for human health 砂糖以外の甘味料について 果糖ブドウ糖液糖(健康栄養支援センター) 乳中オリゴ糖(ビフィズス菌と人の共生進化説)
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
X : @yutaka_shimo