掲載日 | 2023.10.19
更新日 | 2023.10.19

腸活で美肌をつくる5つの方法【美肌のための”菌ケア”】

掲載日 | 2023.10.19
更新日 | 2023.10.19
肌あれを防ぎ、潤いのある肌になるためにエステや化粧品に気を遣う…。美容を意識する方なら誰もが考えていることかもしれません。

しかし、それはあくまで「外側」からのアプローチ。
真の美肌を目指すためには体の「内側」からアプローチする必要があるんです。

栄養バランスを整えて…という一般的に言われていることはもちろん、私たちKINS LABの考えいてる「菌ケア」もこれにつながります。

「菌ケア」とは、体に無数に棲んでいる「常在菌」の働きを意識し、菌のチカラを活かすことで健康やキレイを目指すライフスタイルのこと。そして菌ケアには、体の内側に棲む菌たちの働きがとても重要です。

一体どこのどんな菌が健康や美容に関わっているのか、詳しく解説しましょう。
この記事を読んだ後は、皆さんも自分のための「菌ケア」がしたくなっているはず!

腸活とは腸内フローラのバランスを整えること

腸活とは腸内フローラのバランスを整えること

【約30兆個】

この数字は私たちの腸内に住むと考えられている腸内細菌の、およその数です。
顕微鏡で腸内細菌を覗いたところ、お花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれるようになったそう。

普段目には見えないですが、私たちの体には膨大な数の菌たちが存在しています。

腸内フローラは大きく分けて以下の3種類に分類されます。

1.善玉菌:体にとって良い働きをしてくれる菌
2.悪玉菌:増えると体に悪さをしてしまう菌
3.日和見菌(ひよりみきん):優勢な菌の味方になる

善玉菌(ビフィズス菌,乳酸菌など)は、悪玉菌の侵入や増殖を抑制したり、腸内で有益な成分を作り出したりしています。
そのため人間にとって良い菌と考えられているのです。

また悪玉菌は腸内で有害物質を作り出すという悪い側面にスポットがあたりがちですが、タンパク質やアミノ酸を分解し、便として排出するという人間に必要不可欠な機能も果たしているんです。

そして日和見菌は、善玉/悪玉のどちらでもないが、状況次第でどちらの菌にもなりえるため、悪玉菌優位の環境では悪玉菌側に加担してしまうことがあります。

要は腸内フローラの”バランス”が大事ということ

悪玉菌を全滅することを目指すのではなく、善玉菌>悪玉菌の関係性を腸内フローラで保つことがの菌ケアの第一歩です。

腸内環境の改善=肌荒れ卒業

腸内環境の改善=肌荒れ卒業

腸と顔の肌荒れ。

一見関係なさそうに見えて、実はとても密接に絡み合っています。
腸は全身とつながっている器官。もちろん顔も例外ではありません。

実際にある研究では、腸内環境のケアを通して肌荒れの改善が見られたと報告されています。(※1)
そして、腸起点の肌荒れに関わってくるのが「リーキーガット症候群」いわゆる腸漏れです。

これは腸内から血液中に老廃物や有害物質が漏れ出す現象のこと。
食生活やストレスなど色々な原因で起こると考えられています。

それらが血液を通して全身をめぐって皮膚にまでたどり着くと、肌のターンオーバーや皮脂分泌バランスを乱す原因となります。

通常はムチンという物質が腸管粘膜のバリア機能を果たしているのですが、腸内細菌が乱れるとこのバリア機能にもほころびが生まれ、腸漏れを起こしてしまうという流れなのです。

リーキーガット症候群についての理解を深めたい方はこちら▼

メンタルや睡眠にも影響する腸内環境

メンタルや睡眠にも影響する腸内環境

脳からの指令なく、独自の命令系統を持つことから「腸は第二の脳」とも言われています。

「ホルモンは脳で分泌される」とイメージされる方が多いと思いますが、実は腸内で作られるホルモンも数多く存在します。
あの“幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質のセロトニンも、約9割が腸内で作られているのです。

他にも、睡眠の質を左右するメラトニンや、消化に関わるセクレチンなどのホルモンも腸内で分泌されています。
メラトニンは体内時計を規則的に働かせることにもつながり、睡眠の質は肌荒れなど美容にも関係してきますね。

そのため、このようなホルモンのバランスを整えることは美肌のためになるのです。

腸がホルモン分泌にも関わっているという事実を理解すると、やはり美容や健康のために菌ケアを始めるべきだと腑に落ちてくるのではないでしょうか。

腸とメンタルの関係についてはこちら▼


腸活で美肌になるには毎日の食事と生活リズムから

腸活で美肌になるには毎日の食事と生活リズムから

腸内フローラのバランスを整えるといっても具体的に何をすればいいのか?と思う方も多いでしょう。

答えは実はシンプルで、

食生活を菌ケアに合ったものに変える
・規則正しい生活リズムを意識する

といった日常的に気を付けるべきことで、どれもたくさんお金や時間をかけなくてもできることなのです。

もう少し具体化すると…

【食生活】

  • 高糖質/高脂質/小麦製品を控える
  • 水溶性食物繊維/発酵食品を取り入れる
【生活リズム】

  • 運動習慣をつける
  • 休息をこまめに取る

このようなポイントを押さえることが、腸内環境をケアして美肌を目指すことにつながっています。
具体的な理由と方法も以下にご紹介しましょう。

腸活で美肌を目指すための簡単な5つの方法

腸活で美肌を目指すための簡単な5つの方法

美肌のためには腸内環境が大切。
整った腸内環境のために菌ケアをしたいが

「具体的に何をしたらわからない」「簡単なポイントを知りたい」

という方も多いはず。

早く簡単に結果を出すために、まず押さえたいポイントを5つお伝えします。お金をかけず、毎日の生活で実践できる菌ケア法を知りたい方は必見です。

1.「砂糖」を減らしてみる

【腸活で美肌を目指す方法】「砂糖」を減らしてみる

まずは毎日の食事から砂糖を減らすことを意識してみましょう。

なぜなら、精製糖は悪玉菌のエサとなりやすく、腸内環境の悪化につながるからです。

さらに白い砂糖(精製糖)は、血糖値を急上昇させやすい「高GI食品」であることも避けたい理由。
これは血糖値が急上昇することで、それを下げようと「インスリン」というホルモンが分泌されるため。このインスリンは男性ホルモンのはたらきを活発化してしまい、その結果皮脂分泌が増えてニキビにつながると考えられるのです。

砂糖以外にも高GI食品全般は注意

美肌を意識するなら、まずこのような高GI食品を控えたいもの。

砂糖に限らず白米・パン・麺類なども高GIになりがちなので注意が必要です。

そこで”代用”が一つの手段。
まずは「白い炭水化物」を「茶色の炭水化物」に変えるのを意識するだけでも、対策していくことができます。

精製糖の代わりにハチミツやてんさい糖、メープルシロップを使用する。
パンやパスタ、白米をやめ、玄米を代替案に。

白い砂糖や白米に比べ、茶色い食材のハチミツやてんさい糖、玄米などは比較的低GIで悪玉菌のエサになりにくいものが多いのです。

2.「小麦製品」をやめてみる

【腸活で美肌を目指す方法】「小麦製品」をやめてみる

パンやラーメン、うどん、ピザ、お好み焼き、唐揚げ、ケーキなどなど。
私たちが普段から慣れ親しんでいる多くの食べ物には、小麦が含まれています。

ここで問題なのは、小麦に含まれている「グルテン」というタンパク質が腸壁を傷つけてしまうことが論文で明らかになってきているためです。

さらに悪化して腸壁に穴が空いてしまうと、そこから腸内の老廃物や有害物質が漏れ出し、アレルギー反応や肌荒れなど様々な炎症を引き起こす原因にも。

この腸から老廃物が漏れ出すことが、肌荒れの原因のひとつである「リーキーガット症候群」です。リーキーガット症候群は、慢性的な小麦の摂取がトリガーの1つとして挙げられるのです。

そのため小麦が使われている食品をできるだけ避け、主食は玄米・蕎麦・米粉などを使ったグルテンフリーのパンや麺類を活用するのがおすすめです。

グルテンフリーのやり方について詳しくはこちら▼


3.水溶性食物繊維をたっぷり取り入れる

【腸活で美肌を目指す方法】水溶性食物繊維をたっぷり取り入れる

腸内環境を整えるためには、もともと腸内に住んでいる菌を育てることも重要。そして善玉菌のエサであり、善玉菌の増加や働きを活性化させる成分が「水溶性食物繊維」です。

水溶性食物繊維は海藻や野菜、大豆、キノコ、果物などに多く含まれているので、日々の食事に取り入れてみましょう。

特に、

ごぼう、モロヘイヤ、干ししいたけ、切り干し大根、干しプルーン、干しいちじく、キウイフルーツ

などの食材には水溶性食物繊維が豊富です。

スイーツの代わりに水溶性食物繊維の摂れるフルーツ、炭水化物をたっぷり食べる代わりに野菜や海藻の副菜を増やしてみては?

毎日の食事やおやつに取り入れて日常的に摂取していきましょう。

4.発酵食品で善玉菌を取り入れる

【腸活で美肌を目指す方法】発酵食品で善玉菌を取り入れる

菌を育てるのと同じくらい重要になるのが、善玉菌そのものを体内に取り入れること。
そもそも腸内の善玉菌が少ない状態で、菌を育てようとしても効率的な菌ケアにはならないですよね。

そんな時、手軽に善玉菌を摂取できるのが発酵食品。特に日本では馴染みがあり簡単に手に入る、「ぬか漬け・納豆・味噌汁」などは毎日食べることをおすすめしています。

特に味噌はスーパーで手軽に入る発酵食品のひとつなので、味噌汁以外にも料理に積極的に使うと良いでしょう。

他にも代表的な発酵食品はたくさんありますので、以下のような発酵食品を幅広く取り入れてみてください。

【味噌、醤油、塩こうじ、キムチ、甘酒、黒酢、納豆、テンペ、ぬか漬け、ピクルス】

5.休息とストレスケア

【腸活で美肌を目指す方法】休息とストレスケア

ストレスの影響で自律神経が乱れると、「交感神経」が優位に。ところが腸の運動を促すのは「副交感神経」と言われています。

つまり、心の負荷が原因で交感神経が優位になることにより、腸の働きに影響を与えると考えられるのです。

また近年の研究では、ストレスを受け続けることで腸内の分泌物のバランスが変わり、結果的に悪玉菌が優位になりやすい環境になってしまう…といったこともわかってきています。(※2)

日常的にストレスを抱え込まないよう、忙しい日々の合間を縫って、適度な運動と十分な休息を心掛けましょう。
運動に関しては、ストレッチやヨガ・ウォーキングなど毎日30分でも体を動かす習慣をつけるのが理想的。さらに日中、太陽光のもとで運動すると、セロトニンが分泌されやすいのでおすすめです。

腸活習慣で揺らがない美肌へ

腸活習慣で揺らがない美肌へ

「美肌」と「腸活」をキーワードに、腸内フローラを整えることで肌あれの悩み解決につながること、そしてその具体的な方法をお伝えしました。

美肌づくりは毎日の腸活習慣から。
内側から菌とともに整えて、揺らぎにくいツヤのある肌を目指しましょう!

皮膚に棲む「美肌菌」を整える菌ケアについては、こちらでご紹介しています。▼

【参考文献】

・(※1)「Consecutive Intake of Fermented Milk Containing Bifidobacterium breve Strain Yakult and Galacto-oligosaccharides Benefits Skin Condition in Healthy Adult Women」Mitsuyoshi Kano, Norie Masuoka, Chiaki Kaga, Saho Sugimoto, Ryoko Iizuka, Katsuyuki Manabe, Toshiro Sone, Kazutoshi Oeda, Chiaki Nonaka, Kouji Miyazaki, Fumiyasu Ishikawa

・(※2)「Decrease of α-defensin impairs intestinal metabolite homeostasis via dysbiosis in mouse chronic social defeat stress model
Kosuke Suzuki , Kiminori Nakamura , Yu Shimizu, Yuki Yokoi, Shuya Ohira, Mizu Hagiwara, Yi Wang, Yuchi Song, Tomoyasu Aizawa, Tokiyoshi Ayabe

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
X : @yutaka_shimo

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