菌活でダイエットできる理由・簡単な方法|成功の鍵は腸内環境にあり

最近よく耳にしますが、実際に効果があるの?何をすればいいの?と思っている人も少なくないかもしれません。
今回は混同しやすい菌活と腸活の違いから、菌活で痩せやすくなる理由、菌活レシピまでご紹介します。
菌活とは?腸活との違いも紹介

菌活という言葉には明確な定義があるわけではなく、捉え方は様々です。
KINS LABOでは「菌活」を”全身の菌をケアする”こと(菌ケアとも呼ぶ)と捉えています。
一方で「腸活」は菌活の中でも”腸内環境にフォーカス”したもの。ただ一般的には腸活のことを「菌活」と呼んでいるケースも多く、この2つはほぼ同義として捉えられることもよくあるようです。
そこで今回は菌活の中でも腸内環境を整える菌活(=腸活)にフォーカスして、ダイエットとの関係をご説明します。
菌活がダイエットに効果的な理由

菌活がダイエットに効果的と考えられている要因の1つが”腸内環境を整える”ということにあります。実は腸内細菌は肥満と深く関係しているのです。
ある研究では、マウスに肥満の人の腸内細菌を移植すると肥満になり、痩せている人の腸内細菌を移植すると痩せるという結果が出ました。(※1)
マウスの研究ではありますが、腸内細菌のバランスが痩せやすさ、太りやすさに影響を及ぼすことを示唆しています。
また腸内環境が整うと便通改善などの効果が期待でき、不要なものを溜め込みづらくなるとも考えられます。
痩せ菌とは?菌活ダイエットが良い理由

菌活や腸活のダイエットに興味がある方は「痩せ菌」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
痩せ菌とは「痩せやすさ」に関連する腸内細菌のこと。主に「バクテロイデス」というグループに属するいくつかの菌を指すのが一般的な考え方です。
2013年に発表されたワシントン大学のジェフリー・ゴードン博士らの論文では、バクテロイデテス門に属する細菌が肥満を防ぐ可能性のある腸内細菌として報告されています。バクテロイデテス門とはバクテロイデスを含む、菌の分類のひとつです。
彼らの研究では、太ったマウスの腸内細菌を痩せたマウスに移植しました。その際、同じエサの量でも元々痩せていたマウスが太るという結果が出たのです。(※2)
さらに別の研究では、太ったマウスの腸内細菌を調べると、バクテロイデス門に属する菌の数が少ないということがわかりました。(※3)
このような研究結果から、痩せやすさに関連する腸内細菌(=痩せ菌)がいるということが認識されるようになりました。
菌活・腸活がダイエットにいい理由や短鎖脂肪酸のヒミツをさらに詳しく▼
ダイエットと腸内環境の関係

腸内では様々な腸内細菌が集団をなして存在しており、それを腸内フローラと呼びます。
その菌の種類は大きく善玉菌・日和見菌・悪玉菌に分類されます。
腸内環境が整っている状態とは、前述した3つの菌のバランスが善玉菌優勢になっている状態のこと。
日和見菌は優勢な方の菌の性質を発揮するため、悪玉菌よりも善玉菌が多い状態が理想的です。しかし、悪玉菌をゼロにするのが良い訳ではありません。あくまでもバランスが重要なのです。
いくつかの研究で、痩せている人の腸内環境は肥満の人よりも腸内細菌に多様性があるという報告も見られています。(※1)
様々な種類の菌や、菌のエサとなる栄養素を摂取し、腸内細菌を多様化していく。ダイエット成功には、腸内環境の多様性も関係してくるのかもしれません。
腸内環境を整える善玉菌をご紹介

菌活ダイエットでは様々な菌を取り入れ、腸内環境をバランスよく整えていくことが重要です。
ここでは私たちに身近な善玉菌とその働きを簡単に説明します。
ビフィズス菌
善玉菌の代表格と呼ばれる菌。ビフィズス菌は腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸の働きをよくする作用があると言われています。(※4)
乳酸菌
乳酸菌はヨーグルトやチーズなどに含まれる善玉菌。こちらも腸内で悪玉菌の繁殖を抑える働きがあります。
その他にも便通の改善やコレステロールの低下など様々な働きがあると考えられています。(※5)
納豆菌
私たち日本人には欠かすことのできない発酵食品の、納豆を作るために使用される菌。
納豆菌は腸内で活性化することにより、乳酸菌やビフィズス菌などを増強、安定化されると考えられています。(※6)
酢酸菌
酢酸菌はアルコールを分解し、お酢の成分となる酢酸を産生します。
最近の研究結果では酢酸菌が免疫力強化に関係していると考えられており、酢酸菌の摂取で風邪の諸症状が減少されたなどの研究結果も出てきています。(※7)
腸内細菌をもっと詳しく知る▼
菌活の基本についてさらに詳しくはこちら▼
菌活ダイエットレシピ3選〜食事で腸内環境改善!〜

菌活で重要なことは、菌を取り入れ、菌を増やすということ。そしてそのためにできる一番簡単な方法は、やはり毎日の食事です。
納豆やぬか漬けなどから菌を直接取り入れる「プロバイオティクス 」と、菌の餌となる食材を摂取する「プレバイオティクス 」を意識した食事を心がけましょう。
今回は菌活に有効なきのこを使ったダイエットにもおすすめなレシピを3つご紹介。
きのこに含まれる水溶性食物繊維は腸内で善玉菌の餌となります。ぜひ試してみてくださいね。
1.舞茸とささみのガーリックマリネ

ダイエットに嬉しいヘルシーなササミと、舞茸をたっぷり使った爽やかなマリネ。
ニンニクのパンチが効いた味付けは、食後の満足感も高めてくれます。
- ・舞茸
- 2株
- ・ささみ
- 400g
- ・ニンニク
- 小1片
- ・オリーブオイル
- 大さじ5
- ・レモン
- 大さじ5
- ・塩
- 大さじ1
- ・ブラックペッパー
- 適量
- ・バジル
- 適量
〈作り方〉
- 1.舞茸は石づきをとってほぐし、蒸すか、少なめのお湯で蒸し茹でにする。
- 2.ささみは茹でて食べやすい大きさにほぐす。
- 3.バジルはみじん切り、ニンニクはみじん切りもしくはすり下ろしておく。
- 4.水を切った舞茸とささみをボウルに入れ、ニンニク、バジル、オリーブオイル、レモン、塩、ブラックペッパーと和えて完成 ※レモンが効いているとおいしいので、お好みで調節してください。
2.きのことトマトの酸っぱ辛スープ

火を通す時間が少ない時短レシピです。
菌活におすすめの食材がたっぷり入って、腸内環境を整えるために重要な栄養素も多く摂ることができます。
- ・しめじ
- 1/2株
- ・椎茸
- 3〜5本
- ・トマト
- 中1個
- ・レタス
- 1/4個
- ・中華スープのもと
- 約大さじ2
- ・水
- 300ml
- ・米酢
- お好みで
- ・ラー油
- お好みで
〈作り方〉
- 1.きのこ類は石づきを取り、食べやすい大きさにほぐす。
- 2.トマトはくし切りにする。
- 3.鍋に水をはり、きのことトマトを入れて火を付ける。
- 4.水が沸騰したら食べやすい大きさにちぎったレタスを入れ、中華スープのもとで味をつける。
- 5.鍋もしくは直接お椀にお好みの量の米酢とラー油を入れて完成。
※さらにお好みでごま油、ごまを入れても美味しく召し上がれます。
3.白菜ときのこのゴマサラダ

使用する食材は白菜ときのこの2種類のみ。
副菜としてメニューにプラスするだけで、食事の菌活レベルがアップするはずです。
- ・白菜
- 1/4個
- ・しめじ
- 2/3株
- ・塩
- 大さじ1(白菜塩揉み用)
- ・すりごま
- 70g程度
- ・豆乳マヨネーズ
- 大さじ3
- ・すし酢
- 大さじ2
〈作り方〉
- 1.白菜5㎜幅程度の大きさに切る。
- 2.切った白菜を大さじ1の塩で和え、塩もみする。
- 3.しめじは蒸すか、少なめのお湯で蒸し茹でする。
- 4.それぞれ水を絞り、ボウルですりごま、調味料とともに和える。
- 5.味見をして必要であれば塩で味を整える。
※白菜の塩揉みの塩気があるので入れすぎに注意
菌活レシピをもっとたくさん見る▼
菌活の効果が出るまで期間はどのくらい?

菌活の効果が出るまでには、元々の腸内環境なども影響するため個人差があります。
さらに、腸内に取り込んだ菌は少し留まった後に体外へ排出されてしまいます。そのためまずは、菌活を日常的に継続して取り組んでいくことが重要です。
腸内環境を整える方法をもっと詳しく知る▼
菌活ダイエットの鍵は腸内環境にあり!

今回は菌活の中でも腸内環境を整える菌活(=腸活)とダイエットの関係にフォーカスして、
・菌活がダイエットに効果的な理由
・菌の働き
・腸内環境を整えるためのレシピや生活習慣
などについてお伝えしました。
菌活は日常に取り入れ、継続してこそ効果が見えてくるもの。1つずつ習慣化して腸内環境を整えていきましょう!
参考文献:
※1 大草 敏史,小井戸 薫雄,fecal microbiota transplantation とその臨床応用,2015
※2 VANESSA K. RIDAURA, JEREMIAH J. FAITH, FEDERICO E. REY, JIYE CHENG, ALEXIS E. DUNCAN, ANDREW L. KAU, NICHOLAS W. GRIFFIN, VINCENT LOMBARD, BERNARD HENRISSAT, JEFFREY I. GORDON Gut Microbiota from Twins Discordant for Obesity Modulate Metabolism in Mice ,2013
※3 Peter J. Turnbaugh, Ruth E. Ley, Michael A. Mahowald, Vincent Magrini, Elaine R. Mardis & Jeffrey I. Gordon ,An obesity-associated gut microbiome with increased capacity for energy harvest,2006
※4 ビフィズス菌 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※5 乳酸菌 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
※6 ナットウキナーゼ | 日本ナットウキナーゼ協会
※7 酢酸菌のヒト臨床試験で「分泌型免疫グロブリンA抗体の増加」と「風邪に見られる諸症状の減少」を確認 | ニュースリリース | キユーピー
記事の監修

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
X : @yutaka_shimo