乾燥肌を根本的に治す!原因と治し方を徹底解説
外部の刺激や生活習慣の変化が肌の乾燥を招くことはよく知られていますが、実際にはこれらの要因に対処するだけでは不十分です。
この記事では、乾燥肌の原因を根本的に探り、それに基づく有効な治療法やスキンケアのポイントを徹底解説します。
また、普段の生活習慣や栄養摂取においても工夫が必要であり、それらの側面からも乾燥肌を改善するための具体的な方法を紹介していきます。
肌荒れやかゆみに悩む日々から解放され、自信を取り戻すために、ぜひこの記事を参考に、乾燥肌を根本的に改善していきましょう。
乾燥肌ってどんな状態?
乾燥肌は、肌の状態が通常よりも乾燥している状態を指します。
この状態では、肌の表面にある角質層が本来の機能を果たせず、肌にとって悪い変化が起こります。
まず、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)が乱れ、通常よりも早く古い角質が剥がれ落ちて新しい角質が生成されるサイクルが早くなります。
この早まったターンオーバーにより、まだ未熟な細胞が押し上げられ、水分をしっかり保持できないお肌が出来上がり、乾燥肌を招いてしまいます。
また、未熟で育ちきっていない細胞は、バリア機能が低く、外部からの刺激もお肌の奥に届けてしまうため、痒みや赤みを引き起こします。
肌のバリア機能が弱まっている
肌のバリア機能が弱まると、主に角質層がその役割を果たせなくなり、様々な問題が発生します。
角質層は、外部刺激から肌を守り、水分を保持する大切な機能を担っています。
まず、角質層が乱れると、表面が不規則になり、肌の保湿バリアが崩れます。これにより、水分が外部に逃げやすくなり、肌が乾燥してしまいます。
また、角質層の乱れは、肌の常在菌の一種である「美肌菌」の減少を引き起こします。これは、肌にとって良い働きをする菌であり、健康な肌を保つ上で重要な存在です。
乾燥肌では美肌菌が不足し、その結果として肌の免疫力や保湿力が低下します。
バリア機能の低下によって「かゆみ」も生じやすい
肌の保湿力が低下することに加え、バリア機能が低下すると、角質層の密度や整列が乱れ、外部からの刺激がより簡単に肌に侵入するようになります。
この外部刺激が肌の奥まで浸透することで、皮膚の神経が刺激を感知し、脳に信号が送られるため、外部刺激から身を守ろうとする防御メカニズムとしてかゆみを引き起こします。
乾燥から皮脂過剰になることも
肌は、水分不足を感知すると、保湿のために皮脂を分泌しようとします。これは、肌が水分を保ち、乾燥から守るための自然な反応です。
乾燥した状態では、角質層のバリア機能が低下し、水分が蒸発しやすくなります。肌はこの状態を感知し、皮脂腺が刺激されて過剰な皮脂を分泌するようになります。
皮脂は、水分を保ち、肌表面を潤わせる働きがありますが、過剰に分泌されると、逆に毛穴の詰まりや皮脂の酸化などが引き起こされ、肌トラブルの原因となります。
乾燥肌チェックリスト
自分が乾燥肌なのかどうか、確認するための簡単なチェックリストを用意しました。
ただし肌の状態は個人差があるため、参考程度にしてください。
乾燥肌では、肌が乾燥しているため、細かい粉をふいたような質感が見られることがあります。
◻️頻繁にかゆくなる
乾燥した肌はかゆみを引き起こしやすい傾向があります。
◻️肌がカサカサしている
乾燥肌では、肌が乾燥しているため、カサつきや粗さが感じられることがあります。
◻️赤みが生じやすい
乾燥した肌は刺激に対して敏感であり、赤みが生じやすいことがあります。
◻️化粧ノリが悪い
乾燥肌はメイクがなかなか馴染まず、ファンデーションやコンシーラーが剥がれやすいことがあります。
◻️顔がピリピリすることがある
乾燥肌は肌表面のバリア機能が低下しているため、外部刺激に敏感で、ピリピリとした感覚が生じることがあります。
これらの症状が複数当てはまる場合、乾燥肌の可能性が高いです。
乾燥肌が起きる原因
乾燥肌が発生する原因は様々であり、外部からの刺激や生活習慣などが影響を与えることがあります。
これから、乾燥肌が起きる主な原因について簡単に紹介します。
洗浄力が強い成分での洗顔&クレンジング
肌のバリア機能は、外部からの刺激や紫外線から肌を守り、水分を保持する役割を果たしています。
しかし、強力な洗浄成分による洗顔によって、肌にとって必要な油分や保湿成分が過度に落とされ、その結果バリア機能が低下し、乾燥肌の原因となります。
要注意!避けたい界面活性剤
界面活性剤は洗浄剤に含まれる成分で、油と水を混ぜる性質を持っています。
しかし、この洗浄力が強すぎる場合、肌表面の皮脂や角質を余分に取り除き、角質層が乱れることでバリア機能が低下します。
結果として、肌が水分を保持しにくくなり、乾燥肌が発生しやすくなります。
KINS LABOがおすすめする界面活性剤の種類としては、下記のようなものが挙げられます。
・両性イオン型界面活性剤
・バイオサーファクタント
特に、バイオサーファクタントについては、微生物が生成する界面活性剤で、きちんと汚れを落としつつ、お肌に優しい成分として注目されています。
それ以外の、陽イオン型界面活性剤と、アニオン型界面活性剤(一部アミノ酸系を除く)については、脱脂力が強く、お肌にとって必要な潤いも奪ってしまいます。
界面活性剤については、YouTubeでも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
クレンジングのベースも確認を
クレンジングのベースとなる油分は、肌のバリア機能や保湿機構に重要な働きを果たしています。
しかし、クレンジング剤に含まれる成分や油分が、肌に適していない場合、肌の角質層を乱し、水分の過剰な蒸発を引き起こします。
その結果、肌は乾燥しやすくなり、乾燥肌の症状が現れる可能性が高まります。
避けたいクレンジングのベースとしては、石油系の鉱物油(ミネラルオイル)です。安価で汚れがしっかり落ちるというメリットがある反面、お肌に必要な潤いも一緒に洗い流してしまうというデメリットがあります。
おすすめは、植物系のオイルを使ったクレンジングです。
人の皮脂の成分に近いオイルもあり、お肌に優しいクレンジングになりやすいです。
洗いすぎ
適切な洗顔は必要な汚れを取り除きますが、過度な洗顔は肌の表面に存在する皮脂や美肌菌が作り出す保湿成分を余分に洗い流してしまいます。
その結果、肌が乾燥し、かさつきや痒みなどの乾燥肌の症状が現れる可能性が高まります。
朝はぬるま湯洗顔がおすすめ
夜寝ている間に肌が自己修復や新陳代謝を活発に行い、重要な皮脂や美肌菌によって保湿成分が生成されます。
この貴重な成分を洗いすぎで失わないことが重要で、ぬるま湯を用いることで肌の自然なバリア機能を損なわずに保つことができます。
ぬるま湯は温度が肌にやさしく、肌に刺激を与えにくいため、乾燥肌の方にも適しています。
同時に、適度な水分を肌に残すことで、朝から肌を清潔でしっとりと保つことができ、乾燥肌の対策として効果的です。
夜ダブル洗顔をやめる
クレンジング剤と洗顔料の二度の使用は、肌にとって必要な皮脂や保湿成分を過度に洗い流してしまい、乾燥肌の原因となる可能性があります。
特に夜の睡眠中は肌がリラックスし修復される大切な時間であり、ダブル洗顔による洗いすぎはこのプロセスを妨げ、肌のバリア機能を低下させてしまいます。
夜のダブル洗顔を控えることで、肌の水分保持に必要な成分とプロセスを維持し、自然なバリア機能を守りつつ、乾燥肌の進行を防ぐことができます。
乾燥肌を根本的に治す!ターンオのーバーの整え方
乾燥肌を根本的に治すには、肌のターンオーバーを整えることが不可欠です。
ターンオーバーが乱れると、肌の水分保持能力が低下し、乾燥肌の症状が引き起こされることがあります。
正しいスキンケアや生活習慣の改善を通じて、ターンオーバーを整え、健やかな肌を取り戻すための効果的な方法について詳しく紹介していきます。
必要な角質を洗い流さない
角質は肌の保護バリアを構成し、水分の蒸発を防ぎ、外部からの刺激や紫外線から肌を守る役割を果たしています。
洗いすぎや強い洗浄成分を含んだ製品を使用すると、これらの必要な角質も一緒に洗い流され、肌のバリア機能が低下してしまいます。
角質を失いすぎると、乾燥や刺激に敏感に反応する可能性が高まります。
先ほど紹介したような適切な洗顔方法と、植物オイルをベースにしつつ、お肌に優しい界面活性剤を使った製品を選ぶことで、必要な角質を保ちつつ肌の健康を維持し、ターンオーバーを正常化することが大切です。
美肌菌を洗い流さない
ターンオーバーを整える上で、美肌菌を洗い流さないことは非常に重要です。
美肌菌は、肌表面に存在する善玉菌であり、その主な役割は、汗と皮脂から天然の保湿成分を生成することにあります。
美肌菌が作り出すグリセリンはお肌の内側に浸透して潤いを保つだけでなく、美肌菌はお肌の保護膜になる脂肪酸も生成してくれます。
その保護膜によって、お肌の潤いが蒸発せずにすみ、さらに外部からの刺激にも強くなるので、かゆみや赤みを予防することにつながります。
美肌菌を保つためには、肌に優しい洗顔料を選び、必要以上に頻繁な洗顔を避けることが大切です。
美肌菌のエサを洗い流さない
美肌菌がエサとしているのは、お肌から出る汗と皮脂です。これらのエサがないと、美肌菌は天然の保湿成分を生成することができず、結局は乾燥肌を招いてしまいます。
特に、皮脂はクレンジングや洗顔のしすぎで洗い流してしまいやすいので、一度使用している製品を見直してみるのがおすすめです。
できれば、植物性のオイルをベースにしたもの、かつ、界面活性剤はお肌にやさしい種類のものを使用しているのが理想です。
それによって、美肌菌+美肌菌のエサを洗い流さず、お肌が自然と潤うことにつながります。
体内からのアプローチもおすすめ
乾燥肌対策には、肌のアウターケアだけでなく、体内からのアプローチも重要なポイントとなります。
健康な肌を手に入れるために、インナーケアによる乾燥肌の対策について詳しく紹介していきます。
水分をしっかり補給する
乾燥肌対策において、水分補給は肌の健康維持にとって非常に大切です。
十分な水分を摂ることで、体内の細胞や皮膚が適切な水分量を保ち、乾燥からくるかゆみやカサつきを予防する効果が期待されます。
水分は肌の弾力性や保湿力に直結しており、特に気温や湿度が不安定な季節や寒冷地域では、外部環境からの刺激により水分が奪われやすくなります。
このため、日常的に意識して適切な量の水分を摂ることで、肌の水分バランスを維持し、健康的な肌を保つことが重要です。
特に季節の変わり目や寒冷地域では、意識的に水分摂取を心がけましょう。
カフェインやアルコールは控えめに
カフェインやアルコールは、利尿作用が強く、摂りすぎると体内の水分が過剰に排出される場合があります。
この過剰な尿量の増加は、肌の水分バランスを乱し、結果として肌が乾燥しやすくなります。
カフェインやアルコールの摂取は一定量であれば問題ない場合もありますが、過度な摂取は体内の水分を奪い、肌の保湿機能を低下させる可能性があります。
特にこれらの成分を多く含むコーヒーやお酒などの飲み物を摂る際には、一緒に水を飲むなどして、水分不足を防ぐようにしましょう。
質のいい油を摂る
健康な肌を維持するためには、質の良い油を摂取することが重要です。
特にオメガ3、オメガ6、オメガ9脂肪酸は、肌の保湿力を保つことに関係しています。
植物油や魚介類、ナッツ類などをバランスよく取り入れましょう。
オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸は炎症を抑制する抗炎症作用があり、これによって乾燥肌の原因となる炎症を防ぎます。また、皮膚の細胞膜に組み込まれ、セラミドの生成を促進することで、肌の保湿力を向上させ、乾燥からくるかゆみやカサつきを防ぎます。
セラミドは、皮膚の角質層に存在する脂質の一種で、重要な保湿成分の一つです。
主に細胞間脂質として知られ、角質細胞同士をつなぎ、皮膚のバリア機能を強化し、外部からの刺激や水分の蒸発を防ぎ、肌を保護します。
オメガ3脂肪酸は体内で生成できず、食事から摂取する必要があります。
具体的な食材としては、青魚(サケ・マグロ・サバなど)、亜麻仁油、チアシード、くるみやアーモンドなどがオメガ3脂肪酸を豊富に含んでいます。
オメガ6脂肪酸
オメガ6脂肪酸は、人体において必須の脂肪酸であり、特にリノール酸がその一種です。
これは体内で合成できないため、食事から摂取する必要があります。
オメガ6脂肪酸は、細胞膜を構成する成分として重要で、特に皮膚の角質層においてバリア機能を強化し、水分の蒸発を防ぎます。
乾燥肌対策において、オメガ6脂肪酸は肌の保湿力を向上させ、かゆみやカサつきを予防するとともに、炎症を抑制して肌トラブルを軽減します。
また、角質層のバリア機能をサポートすることで外部からの刺激に対しても肌を守ります。
食材として、大豆油、ひまわりの種、とうもろこしなどがオメガ6脂肪酸を豊富に含んでいます。
オメガ9脂肪酸
オメガ9脂肪酸は、不飽和脂肪酸の一種で、主にオレイン酸と呼ばれる脂肪酸を指します。
オメガ9脂肪酸は、細胞膜の構成要素として役立ち、特に皮膚や神経細胞の構造に関わっており、乾燥肌対策においては、オメガ9脂肪酸が肌の保湿力を向上させ、炎症を和らげる効果があります。
人体でもオメガ9脂肪酸は生成することができますが、食事からも摂取する必要があります。
主に植物油や一部の動物性脂肪に含まれており、特にオリーブオイルやアボカドはオメガ9脂肪酸を豊富に含んでいます。
腸内環境を整える
腸内環境が悪化すると、腸内でフェノールと呼ばれる有害な成分が生成されます。
このフェノールは、腸の壁を通して血液に吸収され、全身を巡って悪影響を及ぼします。血液を通してお肌に運ばれることで、肌のコンディションが悪くなる可能性があります。
フェノールは、抗酸化作用を持たず、酸化ストレスを引き起こす可能性があります。酸化ストレスは細胞や組織を損傷させ、肌の老化やトラブルを引き起こす要因となります。
また、フェノールが血液を通じて肌に影響を与えることで、肌の健康な状態が乱れ、乾燥肌やかゆみ、赤みなどのトラブルが生じやすくなります。
腸内環境の改善は、善玉菌を増やし、有害な物質の生成を抑制することが重要です。
バランスの取れた食事やプロバイオティクスを摂取することで、腸内の環境を整え、乾燥肌の予防や改善の効果が期待できます。
腸内の善玉菌となるものを摂る
腸内の善玉菌を増やすためには、特定の食べ物を摂取することが役立ちます。
以下に、善玉菌の餌となる食べ物を乾燥肌対策の観点から詳しく解説します。
発酵食品
乾燥肌の改善には、腸内環境を整えることが重要です。発酵食品は特に善玉菌を増やす働きがあります。
ヨーグルト、納豆、キムチ、味噌、醤油などは代表的な発酵食品で、これらは発酵過程で善玉菌が増殖し、腸内に取り入れることで腸内環境の改善が期待できます。
ヨーグルトには、特にラクトバシラス菌やビフィドバクテリウム菌などが含まれ、これらの菌が腸内で活動することで、免疫力の向上や腸内細菌のバランスの調整が促進されます。
納豆には、納豆菌が豊富に含まれており、これが腸内で働くことで善玉菌が増加し、乾燥肌に対する肌の保湿力向上に関係します。
キムチや味噌、醤油にもそれぞれ発酵過程で様々な善玉菌が生成され、これらを摂取することで腸内環境の改善が期待できます。
食物繊維が豊富な食品
食物繊維は消化器官において重要な役割を果たし、その中でも腸内では善玉菌の主要なエネルギー源となります。
この食物繊維が豊富な食品を摂ることで、腸内環境を改善し、善玉菌の増加を促進することができます。
例えば、ほうれん草やケールなどの葉野菜には、水溶性と不溶性の両方の食物繊維が含まれています。
これらは腸内で水分を保持し、便通をサポートすると同時に、善玉菌の増殖に関与します。
リンゴやバナナなどの果物にはペクチンと呼ばれる食物繊維が多く含まれており、これが腸内で発酵して善玉菌の栄養源となります。
全粒穀物としての玄米やオーツ麦にも食物繊維が豊富に含まれています。これらは胃腸の動きを活性化し、腸内の善玉菌が活発に働く環境を整えます。
また、豆類も食物繊維を豊富に含んでいます。これらの豆類は、腸内で善玉菌が好む食物繊維を提供し、腸内の微生物叢をバランス良く整えます。
水分補給
善玉菌が効果的に活動し、腸内環境の健康を促進するためには、十分な水分補給が不可欠です。
適切な水分摂取は、腸内の善玉菌の増殖をサポートし、便通を促進するとともに、肌の乾燥を和らげ、健康的な肌を保つ要素となります。
毎日の生活で水分補給に気を配ることで、内外からのケアが効果的に結びつくことが期待できます。
スキンケアとインナーケアで乾燥肌を根本的に治そう
今回は、多くの人が悩む乾燥肌について、その原因や根本から直す方法を解説してきました。
スキンケアでは肌の健康的な角質の維持と、汗や皮脂を適度に残し、美肌菌のもつ本来の保湿能力を最大限活かす工夫を。
インナーケアでは水分補給と腸内環境からの肌へのアプローチ。
これら内外からのケアを効果的に組み合わせ、乾燥知らずの美しい肌を目指していきましょう。
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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