すべての毛穴トラブルを改善!正しいケア方法で毛穴レスなお肌に
この記事では、毛穴トラブルの種類や、効果的な毛穴ケアの方法を紹介し、どのようにして肌の質感を整え、毛穴の目立たない滑らかな肌を目指すかをご紹介していきます。
毛穴トラブルの種類
ひと言で毛穴トラブルといっても、4つの種類があります。
詰まり毛穴
詰まり毛穴は、毛穴が皮脂、汚れ、古い角質などによって塞がれてしまう状態を指します。
通常、皮脂腺から分泌される皮脂は肌を潤す役割がありますが、過剰に分泌された皮脂や外部からの汚れ、そしてターンオーバーの過程で排出されるはずの古い角質が毛穴の出口で混ざり合い、毛穴に堆積することで詰まりが生じます。特に、Tゾーンと呼ばれる額や鼻に多く見られるトラブルです。
詰まり毛穴が生じると、肌の表面がザラザラとした質感になり、化粧のノリが悪くなることがあります。また、詰まった毛穴は炎症を引き起こしやすく、ニキビの原因になることもあります。
黒ずみ毛穴
詰まり毛穴が悪化すると、毛穴に詰まった皮脂が酸化し、毛穴の黒ずみの原因となります。
皮脂が過剰に分泌されると、毛穴内に皮脂が溜まりやすくなります。この溜まった皮脂は、毛穴の出口で外部の空気に触れることで酸化します。酸化した皮脂は徐々に色が濃くなり、最終的には毛穴の黒ずみとして目に見えるようになります。この黒ずみは一般的に「オープンコメド」と呼ばれ、見た目の問題だけでなく、肌の清潔さを損ね、炎症を引き起こすリスクも高めます。
毛穴の黒ずみは、特に鼻や額などの皮脂分泌が活発な部位によく見られます。
開き毛穴
開き毛穴は、毛穴が拡大し、肌の表面に明確に見えるようになる状態を指します。
この状態は、肌の弾力性の低下、コラーゲンやエラスチンの減少、過剰な皮脂分泌、長期間紫外線を浴びることなどによって引き起こされます。年齢を重ねるにつれて肌の再生能力が低下し、肌が自然に持っている引き締め効果が弱まると、毛穴が目立ちやすくなります。
また、肌が過剰に皮脂を分泌することで毛穴が広がり、さらには詰まりやすくなることもあり、これが開き毛穴の見た目を悪化させることがあります。
開き毛穴の問題は、主に鼻、頬、あごなどに見られます。
たるみ毛穴
たるみ毛穴は、肌の弾力性やハリが失われた結果、毛穴がたるんで目立つようになる状態を指します。
加齢やコラーゲンの減少、紫外線によるダメージ、肌の乾燥などが原因で、肌の支持構造が弱まり、肌表面が不均一になります。このため、毛穴が引き締まりにくくなり、特に笑ったり表情を変えたりしたときに毛穴が縦長に見え、目立つようになります。
たるみ毛穴は主に頬や顎周辺に見られ、肌の全体的なたるみと関連しています。この状態は、肌の若々しさや健康を損なうため、多くの人にとって美容上の大きな悩みとなります。
皮脂は必ずしも悪ではない!毛穴が詰まる原因とは
詰まり毛穴や黒ずみ、開き毛穴の原因になっている皮脂ですが、皮脂が必ずしも悪いものということではありません。
皮脂はお肌に必要なもの
詰まり毛穴や黒ずみの原因の1つになっている皮脂ですが、本来は、肌の健康と保湿に必要な重要な成分です。
皮脂腺から分泌されるこの自然な油分は、肌表面に薄い保護膜を形成し、外部からの刺激や細菌の侵入を防ぎ、肌の水分が蒸発するのを防ぐ役割を果たします。また、皮脂は肌の柔軟性を保つのにも役立ちます。
皮脂自体は、トリグリセリド、ワックス、スクワレン、自由脂肪酸などの混合物で構成されています。この成分のバランスが肌の健康には非常に重要です。過剰な皮脂分泌は毛穴の詰まりやアクネの原因となり得ますが、適量の皮脂は肌の健康を維持するために不可欠です。
肌には「美肌菌」と呼ばれる有益な微生物が存在し、この菌群は皮脂や汗をエネルギー源として利用します。美肌菌は皮脂を分解し、その過程でグリセリンや脂肪酸などの潤い成分を生成します。グリセリンは肌の水分保持能力を高め、脂肪酸は肌のpHを健康的なレベルに保ち、外部からの刺激を防ぐことで、肌のバリア機能を強化します。
このように、皮脂は美肌菌による肌の保湿成分の生成に不可欠な役割を果たし、肌の柔軟性、潤い、健康を維持する上で重要な成分です。
毛穴の入り口が塞がれると詰まりやすく
皮脂は確かに肌にとって重要な役割を果たしますが、毛穴の入り口が何らかの理由で塞がれた場合、皮脂の過剰な蓄積が毛穴トラブルの原因となることがあります。毛穴の入り口が古い角質、化粧品の残り、外部の汚れなどによって塞がれると、正常に皮脂が肌表面に排出されず、毛穴内に皮脂が溜まってしまいます。
毛穴内に皮脂が過剰に蓄積すると、毛穴が拡張し、詰まり毛穴や黒ずみの原因となります。さらに、詰まった皮脂はバクテリアの増殖を促し、炎症を引き起こすことでニキビや赤みなどの肌トラブルを発生させることがあります。このような状態は、特に皮脂分泌が活発なTゾーン(額、鼻、あご)でよく見られます。
メイク汚れが残ると毛穴トラブルに
メイク汚れがお肌や毛穴に残ったままになると、様々な毛穴トラブルの原因となります。メイク製品の成分、特に長持ちするファンデーションやコンシーラーなどは、毛穴の入り口を塞ぐことがあります。毛穴の入り口が塞がれると、皮脂腺から分泌される皮脂が肌表面に排出されず、毛穴内に溜まってしまいます。
この皮脂の蓄積は、毛穴を拡張させ、詰まり毛穴や黒ずみの直接的な原因になります。さらに、毛穴内に溜まった皮脂は、アクネ菌などのバクテリアの栄養源となり、これらのバクテリアの過剰な増殖を促します。バクテリアの増殖によって炎症が引き起こされ、ニキビや赤みなどの炎症性の肌トラブルが発生する可能性が高まります。
乾燥から皮脂過剰を招いている可能性も
肌の乾燥は、皮脂分泌のバランスを崩し、結果的に毛穴トラブルを引き起こす原因となることがあります。
肌が乾燥すると、その状態を補正しようとして体は皮脂腺の活動を活発化させ、必要以上の皮脂を分泌するようになります。この過剰な皮脂分泌は、肌表面に油分をもたらし、一時的に潤いを感じさせるかもしれませんが、長期的にはさまざまな毛穴トラブルを引き起こします。
過剰に分泌された皮脂は、毛穴の入り口を塞ぎ、毛穴内に溜まりやすくなります。特に、古い角質や外部の汚れと混ざり合うことで、毛穴の詰まりや黒ずみの原因となり得ます。また、毛穴内で皮脂が過剰に蓄積すると、アクネ菌などの病原菌が繁殖しやすい環境が形成され、ニキビや炎症性の肌トラブルが発生するリスクが高まります。
美肌菌がいないと皮脂がベトベトのままに
肌にはさまざまな微生物が存在し、その中には健康な肌の維持に寄与する「美肌菌」と呼ばれる有益な細菌も含まれています。美肌菌は、皮脂を栄養源として利用し、その過程でグリセリンや脂肪酸などの潤い成分を生成します。
グリセリンは保湿効果が高く、肌の水分を保持するのに役立ちます。一方、脂肪酸は肌のpHを健康的なレベルに保ち、外部からの刺激に対する保護バリアの役割を果たします。
美肌菌の数が十分に保たれている状態では、これらの潤い成分の生成が活発に行われ、肌は適切に保湿され、柔軟で健康的な状態を保つことができます。しかし、過度な洗顔、不適切なスキンケア、抗生物質の使用などによって美肌菌のバランスが崩れ、数が減少すると、肌の自然な機能が低下します。
美肌菌が減少すると、皮脂が適切に分解されずに肌表面に残ることになります。この過剰な皮脂は、べたつきの原因となり、さらには毛穴の詰まりや肌トラブルの引き金ともなり得ます。毛穴に皮脂が溜まると、黒ずみやニキビなどの毛穴トラブルが生じやすくなります。
糖質や脂質の多い食事で皮脂分泌が多く
糖質や脂質が多い食生活は、皮脂の分泌量を増加させることがあり、それによって毛穴トラブルが引き起こされる可能性があります。食事から摂取した糖質や脂質は、体内で代謝される過程でインスリンや他のホルモンの分泌を刺激します。特に、血糖値を急激に上昇させる高GI(グリセミック指数)食品の摂取は、インスリンの急激な分泌を引き起こし、これが皮脂腺の活動を促進することが知られています。
皮脂腺が活発になると、皮脂の過剰な分泌が起こり、この過剰な皮脂が毛穴に蓄積することで毛穴が詰まりやすくなります。毛穴が詰まると、皮脂が肌表面に適切に排出されず、内部で細菌が繁殖しやすくなり、炎症やニキビなどの肌トラブルが引き起こされます。また、過剰な皮脂は肌の表面にべたつきをもたらし、毛穴の目立ちを悪化させることもあります。
開き毛穴やたるみ毛穴は乾燥が原因?
お肌が乾燥すると、肌のハリや弾力性が低下し、その結果、開き毛穴やたるみ毛穴が目立つようになることがあります。肌の乾燥は、水分と皮脂が不足することで起こります。皮脂は肌表面に薄い保護膜を作り、外部刺激から肌を守り、水分の蒸発を防ぎます。しかし、皮脂の分泌が不十分だったり、洗顔による過剰な皮脂除去、低湿度環境などによって肌の水分が失われると、肌の乾燥が進みます。
肌が乾燥すると、肌細胞間の水分量が減少し、細胞がしぼんで肌の表面が荒れます。これにより、肌の弾力性とハリが低下し、肌表面がたるんで毛穴が目立つようになります。特に、肌の乾燥はコラーゲンとエラスチンの減少を促すことがあり、これらは肌の弾力性と構造を支える重要なタンパク質です。コラーゲンとエラスチンが減少すると、肌の支持力が弱まり、たるみ毛穴や開き毛穴の原因となります。
開き毛穴は、毛穴が拡張して肌表面に明確に見える状態を指し、たるみ毛穴は肌の全体的なたるみに伴って毛穴が縦長に引き延ばされる状態を指します。これらの毛穴トラブルを防ぐためには、適切な保湿ケアが重要です。
毛穴トラブルを予防!正しいケア方法とは
毛穴トラブルを予防するためには、正しいケア方法を取り入れることが必要です。
まずは乾燥を防いでターンオーバーを整える
毛穴トラブルの予防と改善には、肌の乾燥対策とターンオーバーの正常化が非常に重要です。肌の乾燥は、肌表面の古い角質層が硬くなり、正常に剥がれ落ちにくくなる原因となります。この古い角質が毛穴の入り口を塞ぐと、皮脂が毛穴内に蓄積し、詰まり毛穴や黒ずみ、さらにはニキビなどのトラブルを引き起こすことがあります。
乾燥を防ぐことで、お肌のターンオーバーを整えることができ、古い角質がちきんと剥がれることで、毛穴トラブルを予防することができます。
お肌の潤いを奪うクレンジングをやめる
お肌の乾燥を防ぐためには、お肌の潤いを奪ってしまうクレンジングをやめることが重要です。
合成界面活性剤を確認する
クレンジング製品に含まれる合成界面活性剤は、メイクや皮脂、汚れなどを効果的に落とす役割を果たします。しかし、これらの界面活性剤の種類や配合によっては、洗浄力や脱脂力が強すぎる場合があり、肌の自然な潤いを奪ってしまうことがあります。
界面活性剤は、水と油を乳化させることで、通常は混ざり合わない物質同士を結びつけ、洗い流しやすくします。洗浄力が強い界面活性剤は、メイクや皮脂を効率良く取り除く一方で、肌の保護膜である皮脂膜も過剰に除去してしまう可能性があります。
界面活性剤の種類についてはこちらの記事で説明していますので、具体的にどんな成分を控えるべきかは参考にしてみてください。
ベースになっているオイルを確認する
ミネラルオイルをベースとしたクレンジングオイルは、メイクや皮脂を効率的に溶解し、洗い流すことができるため、クレンジング製品によく使用されます。しかし、ミネラルオイルは脱脂力が強いため、必要な皮脂まで取り除いてしまい、肌の自然な潤いを奪うことがあります。特に、乾燥肌や敏感肌の方は、ミネラルオイルベースのクレンジング使用後に肌のつっぱり感や乾燥を感じやすいです。肌の保護バリアが弱まると、外部刺激に対する抵抗力も低下し、肌トラブルの原因となり得ます。
一方、植物性オイルをベースにしたクレンジング製品は、肌への優しさと潤いを保つ効果が期待できます。植物性オイルには、オリーブオイル、ホホバオイル、アルガンオイルなどがあり、これらには肌を柔らかくし、潤いを保持するための天然の脂肪酸やビタミンが含まれています。植物性オイルは肌になじみやすく、肌をしっとりと保ちながらメイクや汚れを優しく落とすことができます。
ますはお肌に優しいクレンジングに変えて、お肌の乾燥を改善しましょう。
美肌菌を育てて、皮脂を潤い成分に
美肌菌を育てることにより、皮脂が適切に分解され、肌に必要な潤い成分が継続的に供給されることで、肌の乾燥を防ぎ、健康的で潤いのある肌を維持することが可能になります。これにより、肌のバリア機能が強化され、肌トラブルの予防にも繋がります。
豆乳発酵エキスがおすすめ
美肌菌を育てるためには、スキンケア製品に含まれる成分の選択が重要です。その中でも、豆乳発酵成分は美肌菌の健康をサポートし、肌の状態を改善するのに特に有効です。
豆乳発酵成分には、プロバイオティクス(有益な微生物)やポストバイオティクス(微生物が生成する有益な代謝産物)、プレバイオティクス(有益な微生物の成長を助ける食物繊維)が含まれています。これらの成分は、肌の表面で美肌菌の健康な環境を促進し、バランスを保つのに役立ちます。
特に、プロバイオティクスとポストバイオティクスは、肌の微生物叢を整え、有害な細菌の過剰な増殖を抑制することで、肌のバリア機能を強化し、肌荒れや炎症を防ぎます。また、プレバイオティクスは美肌菌のエサとなり、有益な微生物の成長をサポートします。
糖質と脂質を適切な量に控える
糖質や脂質の摂取量を適度に控えることは、皮脂が過剰に分泌されることを防いでくれます。糖質に関しては、白砂糖や精製された穀物ではなく、全粒穀物や野菜、果物などの自然な形の糖質を選ぶこと、脂質に関しては、オメガ3脂肪酸などの健康的な脂肪を含む食品を選ぶことが推奨されます。また、適度な運動と十分な水分摂取も、体内の代謝を促し、皮脂分泌のバランスを整えるのに役立ちます。
毛穴トラブルを悪化させる!NG行動
毛穴ケアのために良かれとおもってしていることが、もしかしたらかえって悪化の原因になっているかもしれません。
毛穴パックをする
穴パックは、毛穴の黒ずみや詰まりを物理的に取り除くことを目的としたスキンケア製品です。しかし、これらのパックを使用することで、かえって毛穴トラブルが悪化することがあります。
理由としては、毛穴パックを剥がす際にお肌に必要な皮脂も取り除いてしまうこと、毛穴の角栓を無理に引き抜くことで毛穴が押し広げられ、毛穴が広がってしまい、開き毛穴や新しい皮脂が詰まりやすくなること、お肌の角質も無理に剥がしてターンオーバーを乱してしまうことなどが挙げられます。
毛穴の角栓を抜く
毛穴に角栓が詰まっていると、ピンセットなどで引き抜きたくなりますが、かえって毛穴トラブルを悪化させてしまう原因になります。
毛穴の角栓を抜くことで、毛穴が広がってしまい、さらにそこに皮脂が溜まりやすくなります。また、角栓を抜くことで一時的に皮脂が除去されますが、肌はこの状態を乾燥と誤認し、さらに皮脂を過剰に分泌するようになることがあります。この過剰な皮脂分泌は、新たな角栓の形成や毛穴の詰まりを促進してしまいます。
酵素洗顔やピーリングのしすぎ
酵素洗顔やピーリングは、肌表面の古い角質を除去し、肌を明るく滑らかに見せる効果があります。これらの方法は、肌の新陳代謝を促進し、一時的に肌の質感を改善することができます。しかし、これらの処理を過剰に行ったり、肌の状態に合わない強い製品を使用したりすると、長期的に見て肌に負担をかけることになり、さまざまな肌トラブルの原因となり得ます。
ターンオーバーが乱れることで、毛穴が詰まりやすくなったり、お肌が乾燥することで皮脂過剰を招いてしまう原因になります。日常的に酵素洗顔をしたりピーリングするのは控えておくのがおすすめです。
正しい毛穴ケアをして毛穴トラブルを改善しよう
毛穴トラブルは多くの人が直面する肌の悩みの一つですが、適切なケアを行うことで改善することが可能です。まず重要なのは、肌の乾燥を防ぎ、健康的なターンオーバーを促進することです。
肌を潤いで満たし、古い角質が自然に剥がれるようにサポートすることで、毛穴の詰まりや開きを防ぎます。また、洗浄力の強すぎるクレンジングや過度な酵素洗顔、ピーリングは肌に負担をかけるため、肌タイプに合ったマイルドな製品の選択と適度な使用が肝心です。
美肌菌を育てることも大切で、豆乳発酵成分など肌にやさしい成分を含むスキンケア製品を取り入れると良いでしょう。バランスの取れた食生活と十分な水分摂取も忘れずに。これらの基本的なスキンケアと生活習慣の見直しによって、毛穴トラブルを解決し、美しい肌を目指しましょう。
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
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