背中ニキビの原因は?正しい対策は「菌」と「皮脂」からのアプローチ
そんな「背中ニキビ」や「胸元ニキビ」のような体のニキビを抱えている方は、意外と多いようです。
背中や胸元は皮脂分泌の多いところだけに、ニキビができやすいことも。
とはいえゴシゴシ洗いすぎると逆効果になってしまうこともあります。
背中ニキビに関係しているのは、「過剰な皮脂」と「菌」。
今回は菌ケアのスペシャリストKINS LABと一緒に、背中ニキビをコントロールする方法を学んでいきましょう。
▼菌ケア観点での顔のニキビ対策は、こちらで詳しく紹介しています
背中ニキビを繰り返す原因は「菌」と「皮脂」にあった
しつこい背中ニキビ、毎日清潔にしているのに何度も繰り返してしまう……。
胸元にポツポツとできるニキビが気になる……。
そんな「体のニキビ」のお悩みを抱えている方は、大人女性に多いようです。
背中や胸元のニキビを繰り返す方々のお悩みのポイントは、「皮脂」や「菌」が大きく関係していること。
そしてその皮脂や菌のバランスには、実は体の内側が大きなカギを握っているのです。
内側から背中ニキビを根本ケアするための方法を、徹底的に学んで背中ニキビを卒業しましょう!
背中ニキビを繰り返す人に共通する3つのこと
背中ニキビを繰り返す方には、よく共通するポイントがあります。
それはこんな3つのポイント。
- ①甘いものや炭水化物など「糖質」を多く摂っている
- ②生クリームやチーズなど乳製品が好き
- ③シャンプーのすすぎ残しがある
特に①、②は、「当てはまる」という方が多いのではないでしょうか。
①甘いものや白米、ラーメンなど「糖質」が多い
甘いお菓子はニキビのもと……
漠然とそんなイメージを抱いている方は多いでしょうが、実はこれには明確なロジックがあるのをご存知でしょうか。
- ・白砂糖を含む甘いもの
- ・白米やパン、麺類のような炭水化物
これら糖質の高いものは、「高GI」と呼ばれ食べると血糖値が急激に上がります。
スイーツに限らず、日常的に食べている白米やラーメンなどの炭水化物も当てはまりますので要注意。
そしてそれによって急に上がった血糖値を下げようと、体はインスリンというホルモンを分泌します。
このインスリンは皮脂分泌を促してしまう一面もあるため、過剰になるとニキビの原因にもなってしまうのです。
甘いものや炭水化物は背中に限らずニキビの気になる方なら、必ず注意しておきたいポイントですね。
もし食べる場合にも、血糖値を上げやすい「高GI」なものより「低GI」な炭水化物を選ぶのがポイント。
選び方は「白い炭水化物」ではなく「茶色い炭水化物」を選ぶのがカギです。
▼代わりに何を食べたらいいの?の選び方はこちらで詳しく解説しています
②生クリームやチーズなど乳製品が好き
糖質と同様、ニキビのできやすい方が注意したいのが乳製品。
背中ニキビが気になっていて、毎日のように牛乳やヨーグルト、チーズや生クリームなどを摂っているなら要注意です。
乳製品自体はカルシウムなどの栄養があったり、もちろん体にとって良い面もたくさんあります。
ただ知っておきたいのは、乳製品は男性ホルモンであるアンドロゲンを活発にさせてしまうという働きも。個人差がありますが多く摂取すると皮脂分泌が増える可能性があり、ニキビ肌の方は注意が必要です。
背中ニキビのひどい方は、乳製品を摂りすぎていないかもチェックしてみてくださいね。
③シャンプーのすすぎ残しがある
背中ニキビなどのトラブルでもう1つ考えられるのが、シャンプーやトリートメントのすすぎ残し。しっかり流しているつもりでも、意外と流しきれず残ってしまっていることも多いものです。
シャンプーやトリートメントの種類によっては、刺激の強い防腐剤や界面活性剤が使われていることも。
防腐剤や界面活性剤が全て悪いというわけではないのですが、これらの成分は肌への刺激となったり、お肌の常在菌バランスに影響を与える可能性もあるのです。
肌には「美肌菌」と呼ばれる「表皮ブドウ球菌」なども棲んでいて、お肌のバリア機能や潤いにも大きく関わっています。そしてこういった「美肌菌」は、ニキビなどトラブルの原因菌を抑えてくれる働きも。
菌のバランスを保つことも、美肌ケアにおいては大切なのです。
しっかり洗い流せているつもりでも、背中ニキビが気になるようなら意外な洗い残しがあるのかも?
シャンプーのすすぎには、しっかり時間をかけてみてくださいね。
治らない背中ニキビは「カビ菌」が原因かも?
一般的にニキビといえば、「アクネ菌」が原因となるイメージが強いのではないでしょうか。
アクネ菌は肌の常在菌の中でも、とても一般的で誰の肌にもあるものです。基本的には肌の潤いなどに関わっていますが、増えすぎてしまうとニキビなどの原因となることも。
しかし背中にニキビに関してはこの「アクネ菌」だけでなく、「マラセチア真菌」という菌が関係していることも多いのです。
マラセチア真菌とは?背中ニキビの原因菌
「真菌」とはいわゆるカビの一種で、この「マラセチア真菌」は皮脂をエサにして増えてしまいます。その他にも真菌の種類は様々で、実は色々な皮膚トラブルに関わっているものも。
そのような真菌が何らかの原因で過剰に増殖すると、脂漏性皮膚炎、マラセチア毛包炎、白癬(水虫)、カンジダ症、アスペルギルス症など、さまざまな皮膚疾患を引き起こすのです。
「ニキビの原因はアクネ菌」のイメージですが、実は背中ニキビは真菌であるマラセチアが原因であることが多いとされています。これは「マラセチア毛包炎」と呼ばれ、胸部や背部、肩などにニキビのようなブツブツが生じる一種の疾患なのです。
これは毛穴の中で毛根を保護している「毛包」と呼ばれる部分で、マラセチアが感染して異常増殖することにより起きてしまいます。背中や胸元はもともと皮脂分泌が多くなりやすい部分であるため、顔と比べてもマラセチア真菌が増殖しやすい環境と考えられますね。
つまり、背中ニキビは顔ニキビと同じケアでは不十分というわけです。
かなりひどい背中ニキビが長く続いている…
赤みや痛みがひどい…
そんな場合はアクネ菌が原因のニキビではなく、深刻な「マラセチア毛包炎」の可能性も。炎症がひどいと皮膚科での専門的な治療が必要な場合もありますので、放置してしまわないように注意しましょうね。
汗による蒸れに注意
自分でできる外側からのマラセチア真菌対策としては、「蒸れ」を防ぐことも大切です。
マラセチアは湿気や皮脂をとても好みます。
蒸れた状態、つまり肌の水分量が過剰になると皮膚がアルカリ性に傾き、マラセチアが増えやすい環境になってしまうのです。
背中に汗をかきやすい季節は特に意識が必要ですね。吸湿性のよい衣類を身につけるなど、常に清潔な状態をキープするようにしましょう。
皮脂をエサにしてニキビ菌が増える
アクネ菌も、マラセチア真菌も、どちらも皮脂をエサにして増える性質があります。
つまり皮脂分泌が多いほどニキビ菌が過剰繁殖しやすい環境になってしまうということ。
前述の通り糖質の高いものや乳製品の摂り過ぎも気を付けて、過剰な皮脂分泌を促さない食生活を意識しましょう。
また、お肌の常在菌バランスを守るには、「美肌菌」を育てることも大切です。表皮ブドウ球菌のような美肌菌が多いと、悪玉菌を抑えてくれるという面もあります。
▼美肌菌の育て方については、こちらでも詳しく紹介しています!
背中ニキビは卒業!ずっと続くツルすべ背中にする方法
気になる背中ニキビを止めるためには、どんな解決策が本当に効果的でしょうか。
化粧品やクリニックなど背中ニキビ対策は世間にあふれていますが、KINS LABが考える根本的なニキビケアは「内・外両側からのケア」です。
その中でも、背中ニキビにとても大きく関わっていると考えられるのが内側のケア。
多くの方は「ニキビケア」と聞いてまず化粧品やピーリングをプラスするなど、外側からのケアを重視しがちなものです。
もちろん外側からのケアは重要ですが、実際にはニキビの原因はカラダの内側にもあるもの。
内側をまず変えてみることで、しつこく繰り返す背中ニキビが解決できる可能性は大です。
具体的な対策方法はとてもシンプルなので、まずは以下を実践してみましょう。
対策①皮脂を増やす食べ物を避ける
背中ニキビが気になる方にまず始めにしていただきたいのが、「皮脂を増やす食べ物を減らす」こと。
背中ニキビの原因として紹介した
- ・白砂糖を含む甘いもの
- ・パンや白米などの高GIな炭水化物
- ・乳製品
こちらの食べ物は、特に注意が必要。
まず糖質の高いものは血糖値の急上昇を招き、インスリン分泌を促すことで皮脂分泌が増えてしまうのです。
そのため背中ニキビをケアするなら、まずは高糖質の甘いものや炭水化物を控えてみて。
さらに、皮脂の多い方は同時に乳製品も意識するとよいでしょう。前項で説明のとおり、乳製品も甘いものと同じく皮脂を増やしてしまう可能性がありますよね。
背中ニキビの原因が過剰な皮脂の方は、この3点を意識するだけで皮脂分泌を抑えられ、ニキビの減少につながるかもしれません!
▼ニキビケアのための食事は、こちらでも詳しくまとめています
対策②パスタなどの小麦製品
炭水化物自体にも注意が必要ですが、同時に肌のために意識したいのがパスタやパンなどの小麦製品。これは小麦製品に含まれる「グルテン」という成分が関わっています。
「グルテンフリー」という言葉は聞いたことのある方も多いかもしれませんね。
グルテンフリーはこの「グルテン」を避けるための食事。
グルテンがなぜ肌に良くないといわれているのかは、実は「腸内環境」と深い関わりがあるのです。
もちろん個人差はありますが、グルテンは実は腸内の壁を溶かしてしまい、「腸漏れ」という状態を引き起こすことも。
この「腸漏れ」が起きると、腸内の毒素が体内に流れ出てしまい、それが血液を通して全身に運ばれます。その結果、肌の不調など色々な部分で影響が出てしまうことがあると考えられています。
グルテンの合う合わないは人によっても差があるのですが、もしあなたが
- ①パスタ、パン、うどん、ラーメンなど小麦製品が大好き
- ②背中ニキビや顔のニキビがいつも気になる
この2点に当てはまるようなら、少し小麦製品を控えて変化を見てみるのもよいかもしれません。
背中ニキビ対策は期間を決めて本格インナーケア
高糖質のものや小麦製品、乳製品など。
身近でよく食べがちな食べ物が、背中ニキビの原因になるとは驚きですね。肌のトラブルはカラダの中、特に腸内環境とも大きくつながっているのです。
背中ニキビを繰り返している方は、まずは2週間〜1ヶ月など期間を決めてインナーケアに取り組んでみましょう。
皮脂分泌を増やしがちな食生活を変えるだけでも、お肌に大きな違いが感じられるかもしれません。
▼背中だけでなく顎ニキビも気になるという方は、こちらもチェック
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
X : @yutaka_shimo