掲載日 | 2023.08.21
更新日 | 2023.08.21

美肌菌はシミに効果があるの?美肌菌と肌トラブルの関係

掲載日 | 2023.08.21
更新日 | 2023.08.21
シミをはじめとしたエイジングサインや肌悩みは、頭を抱えるものの一つですね。

最近話題の「美肌菌」は、私たちを悩ませるシミや肌トラブルに効果をもたらすものなのでしょうか。シミができるメカニズムと、「美肌菌」の働きや増やすための習慣も併せてご紹介していきます。

美肌菌はシミに効果があるの?

美肌に貢献する働きを担うことで知られる美肌菌は、シミにも効果的なのでしょうか。結論から言うと美肌菌が直接シミに作用するかどうかはまだ未解明な部分が多いものの、健やかで潤った肌づくりに美肌菌が大きく関係していることがわかってきています。
まずは、肌にシミができる原因から紐解いて見ていきましょう。

シミができるメカニズム

一口にシミと言っても原因は様々ですが、大きな原因としては紫外線やストレスによるターンオーバーの乱れが挙げられます。

紫外線やストレスを感知すると、チロシナーゼという酵素が皮膚細胞を守るためにメラノサイト(メラニンを作る工場のような働きの細胞)を活性化させ、「メラニン」という色素が生成されます。

通常、肌が新陳代謝の働きで生まれ変わるターンオーバーによって「メラニン」は排出されていきます。

しかし、このターンオーバーが乱れることによって増えすぎた「メラニン」が排出されず表皮に沈着すると、シミになると考えられています。

シミを助長しかねないNG習慣

日常でついやってしまいがちな習慣が、知らず知らずのうちにシミを増やす原因になっているかもしれません。

紫外線対策を行わない

紫外線量の多い夏場の紫外線対策は定着してきたものの、曇りの日や冬場は日焼け止めを塗らないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

夏場の快晴ほど紫外線量は多くないものの、実は曇りの日や冬場、雨の日も紫外線は降り注いでいます

皮膚細胞にダメージを与えるとされる紫外線からお肌を守るためにも、紫外線対策は一年を通して行うことをおすすめします。

美肌菌と紫外線の関係・日焼け止めについてはこちら▼

睡眠不足

不規則な生活や睡眠不足は、お肌のターンオーバーが乱れる原因にも。

約28日周期で古くなった古い角質が剥がれ落ちるのが理想的とされるターンオーバーですが、睡眠中に分泌される成長ホルモンは細胞の修復や再生に関与するため、肌細胞の新陳代謝を活発化させ、ターンオーバーを正常化すると考えられています。
そのため、睡眠不足で成長ホルモンの分泌が低下すると、肌細胞の新陳代謝が低下し、ターンオーバーの周期が乱れる可能性があります。

お肌の乾燥にも注意

お肌の乾燥が招くトラブルはシワだけではありません。乾燥した皮膚表面はバリア機能が低下し、そこから炎症を起こしたり紫外線などの外的刺激によるダメージを受けやすくなってしまうと考えられています。

こうしたダメージがメラノサイトを刺激し、シミの原因とされる「メラニン」を多く作ってしまう原因と言えます。

美肌菌とは?シミ対策と美肌菌の関係

「美肌菌」とは、誰の皮膚にも存在する皮膚常在菌の中で、特に美肌に貢献する働きをする善玉菌である表皮ブドウ球菌を指します。

美肌菌(表皮ブドウ球菌)を含む皮膚常在菌について知ろう

皮膚常在菌の種類やそれぞれの働きについて理解し、違いを見ていきましょう。

表皮ブドウ球菌(善玉菌)

「美肌菌」と呼ばれる善玉菌である表皮ブドウ球菌。

皮脂や汗をもとに、保湿成分「グリセリン」や抗菌成分「脂肪酸」を作り出すとされています。(※1)

保湿成分は肌のバリア機能を保ち、抗菌成分は悪玉菌の増殖を抑えて肌を弱酸性に保つ働きがあると考えられています。

アクネ菌(日和見菌)

日和見菌は善玉菌と比べてあまり馴染みがないかもしれませんが、善玉菌的な面と悪玉菌的な面の二面性を持つとされています。

日和見菌であるアクネ菌は善玉菌優位な肌環境下では善玉菌同様にバリア機能を保持し、悪玉菌の増殖を抑える働きをします。

一方、肌バランスが崩れて悪玉菌優位な環境になると、皮脂や汚れが毛穴に詰まってアクネ菌が増殖しやすくなります。

アクネ菌が増殖することで炎症を起こしやすくなり、ニキビの原因に繋がると考えられています。

悪玉菌についても知っておきたい

皮膚常在菌のなかでも肌トラブルの原因となることで知られる悪玉菌について見ていきましょう。

黄色ブドウ球菌(悪玉菌)

増えすぎることによって肌に良くないトラブルを引き起こすとされる悪玉菌。黄色ブドウ球菌もその一つです。

黄色ブドウ球菌は誰の肌にも存在しますが、増えすぎることによって肌の乾燥を引き起こすことや肌トラブルとの関連が指摘された研究もあります。(※2)

悪玉菌の増殖を抑えるためにも、善玉菌を増やし育てるための習慣が大切になってくると言えるでしょう。

美肌菌を増やすとシミ対策にどんなメリットがあるの?

美肌菌を増やすことで肌は保湿され、バリア機能が守られて健康な肌環境が作られると考えられます。

乾燥などの肌トラブルを防ぐことで、うるおいに満ちた透明感に溢れた肌を目指すことに繋がるのではないでしょうか。

美肌菌の働きについては現時点でまだまだ世界的に未解明な部分も多く、直接シミに働きかけるというようなデータはいまだ見られないようです。

しかし、バリア機能の整った潤いのある肌は、より若々しく健康的に見えるメリットがあると言えますね。 今後、美肌菌と、シミを含めたエイジング悩みとの関係が明らかにされることに期待が寄せられます。

美肌菌を増やす生活習慣

お肌にとっていいことづくめの美肌菌。せっかく誰の肌にも存在している皮膚常在菌なので、日々の生活習慣で増やし育てていけたら嬉しいですよね。

美肌菌を増やすための、日常に取り入れやすい習慣をご紹介します。

シンプルなスキンケア

洗浄力の高い界面活性剤が配合された洗顔料を使用しての洗顔やダブル洗顔は、汚れと一緒にせっかく棲みついた美肌菌まで洗い落としてしまう可能性があるため控えた方が良いでしょう

お肌への刺激を最低限に抑えたシンプルでマイルドなスキンケアで美肌菌の棲みやすい環境を作ることが、美肌菌を増やす近道と言えます。

バランスの良い食事

美肌菌をはじめとした善玉菌を体内で増やすために意識したいのが、健康的な食事です。

揚げ物やジャンクフードなどの脂っこい食べ物や甘い食べ物は、皮脂の分泌を増やして毛穴を詰まらせ、ニキビなど肌トラブルの原因となることも

過剰な皮脂は肌の悪玉菌を増やす原因にもなり得るのです。特に血糖値を急上昇させる「高GI食品」は、皮脂分泌にもつながりやすいため注意が必要です。

健やかな肌や髪のもとになるタンパク質はもちろん、ビタミン・ミネラル、水溶性食物繊維をたっぷり摂れる、野菜や海藻、きのこなどもたくさん取り入れましょう。

汗をかく習慣

美肌菌が皮脂や汗をエサにして増殖する性質を活かすなら、適度な運動で汗をかく習慣を持つこともおすすめです。

激しい運動をする必要はなく、軽いウォーキングやヨガなどでも汗をかくことはできますね。

また、寝る前に軽く汗をかく程度のストレッチをして肌に汗をかいた状態で眠ることも美肌菌を育てることに繋がるということが分かっています。(※3)

眠る前のひと汗にまるで美容液のような効果があるとしたら、試す価値はありそうですね。

美肌菌を意識した習慣で、美肌を手にいれる

シミのメカニズムと美肌菌の働き、そしてその増やし方についてお伝えしました。

美肌菌を増やすためは、何かを特別に頑張らなければならないということではありません。日常生活のちょっとした習慣や意識を変えるだけで美肌に繋がることが期待できると言えるでしょう。

シミやエイジングの悩みは心を曇らせがちですが、同時に自分自身と向き合うきっかけと前向きに捉え、ご自身を大切にするケアを継続してみてくださいね。

参考文献:
(※1)東京医療保健大学ホームページ ヘルスケアコラム「皮膚の常在菌について
(※2)鈴木修一ほか. 乳児期の黄色ブドウ球菌の皮膚定着とアトピー性皮膚炎の発症. 日本アレルギー学会誌. 2009. 23巻 1号 p56-61
(※3)書籍「化粧品やめたら美肌菌がふえた!」著・出来尾格

記事の監修

株式会社KINS代表、菌ケア専門家
下川 穣

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。

INSTAGRAM : @yutaka411985 ,  @yourkins_official
X : @yutaka_shimo

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