腸活を朝ごはんで叶える!簡単レシピもご紹介
しかし「まず何を食べればいいの?」と迷う方も少なくないかもしれません。
そこで今回は、気軽に始めることができる腸活朝ごはんをご紹介します。
【腸活目線】朝ごはんは食べたほうがいい?
つい抜いてしまいがちな朝ごはんですが、腸活目線で考えると朝ごはんは抜かずにしっかり食べたいところです。
私たちの身体は、朝ごはんを食べることによって睡眠中に低下していた体温を上げて代謝を促進する仕組みになっています。朝ごはんを抜いてしまうと、体温を上げることができずに代謝が落ちて、腸の働きも低下してしまうことに。
腸の働きが低下すると、便を押し出すぜん動運動が起こりにくくなり、便秘をはじめとした不調の原因になり得ます。
これからご紹介する、朝ごはんで腸活を取り入れるためのポイントやおすすめの食品を使った簡単レシピを参考にしながら、栄養たっぷりの朝ごはんで腸内環境を整える朝の腸活習慣を身につけましょう。
朝ごはんで腸活を取り入れるためのポイント5つ
そもそも朝ごはんは、 エネルギーが不足した状態の身体と脳を目覚めさせる大切なスイッチになります。
午前中から活動的にスタートするためにも、毎日きちん食べるのがおすすめです。
そして、朝ごはんで”腸活”をかなえるために意識したいのがこの3つ。
1.菌を取り入れる
2.菌を育てる
3.菌の邪魔をしない
これらの3つのことに加えて、意識したいポイントを合計で5つご紹介していきます。
1.善玉菌を発酵食品で取り入れる
1つ目のポイントは、善玉菌を体内に取り入れる意識を持つこと。これを「プロバイオティクス 」と言います。
善玉菌にはビフィズス菌や納豆菌など様々な種類があります。
善玉菌の種類について詳しくはこちら▼
善玉菌を含む代表的な食品は?
善玉菌を多く含む食品と言えば、もちろん発酵食品。ヨーグルトなど身近な食材が多くあります。
〈発酵食品の一例〉
・ヨーグルト
・納豆
・キムチ
・チーズ
・甘酒
・味噌
・酢
善玉菌は熱に弱いものが多いので、生きた菌を取り入れるにはそのまま食べるのが理想的です。
発酵食品について詳しくはこちら▼
2.善玉菌の餌になる食物繊維とオリゴ糖を取り入れる
2つ目のポイントは、腸内で善玉菌の餌になる食材を取り入れ、菌を育てる意識を持つこと。これを「プレバイオティクス 」と言います。
善玉菌は腸内にある程度留まった後、排出されます。そのため、腸内で菌を育てる意識が必要なのです。
プレバイオティクスについて詳しくはこちら▼
食物繊維とオリゴ糖を含む代表的な食品は?
善玉菌が餌とする栄養素として代表的なものが、オリゴ糖や水溶性食物繊維です。
そもそも食物繊維は水溶性と不溶性の2種類に分けられます。
菌の餌になるからといって水溶性食物繊維ばかり取るのではなく、バランスよく取り入れていくことが重要です。
水溶性食物繊維
腸内で善玉菌の餌になる水溶性食物繊維。わかめや昆布などの海藻類、きのこ類などに多く含まれています。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は体内で分解されずに腸に到達し、腸を刺激することにより腸内運動を活発化させます。主にいもなどの穀類や大豆などの豆類に多く含まれています。
オリゴ糖
オリゴ糖は玉ねぎや果物などに多く含まれています。オリゴ糖の甘味料なども販売されているため、白砂糖の代わりに料理などに使用するのも良いでしょう。
3.菌の働きを邪魔しない
3つ目のポイントは、善玉菌の働きを邪魔しない意識を持つこと。つまり、腸内で悪玉菌が増えすぎてしまわないように留意することが大切です。
どのような食材が、悪玉菌を増やす要因の一つになると考えられているのか、次項で詳しく見ていきましょう。
悪玉菌を増やしやすい食品
腸内で悪玉菌を増やす要因の一つと考えられているのが
・乳製品
・動物性脂肪
などの食材です。
体への影響はもちろん個人差があります。そのため絶対にNGという訳ではありません。
しかし、体が不調な時や体質に合わないと感じる時には、摂取を減らしたり、控えてみるのがおすすめ。
白砂糖の代わりにはちみつやオリゴ糖を使用したり、乳製品は豆乳など植物性のものに切り替えるなどしてみましょう。
4.炭水化物を「茶色いもの」に変える
大切なエネルギー源となる炭水化物。炭水化物抜きダイエットが流行ったこともあり、炭水化物=摂らない方がよいものと思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、炭水化物は三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)のひとつで、私たちが生きていく上で欠かせない栄養素の一つです。
もちろん、炭水化物は摂りすぎるとその余分なエネルギーが脂肪として蓄積され、肥満に繋がることが指摘されていますが、逆に少なすぎても貴重なエネルギー源を失うことになり、エネルギー不足や栄養不足を引き起こすことが考えられるのです。大切なのは、種類やバランスを考えた炭水化物の取り入れ方。
そこで腸活目線でおすすめしたいのが、茶色い炭水化物です。
茶色い炭水化物腸活にいい
炭水化物といえば、ご飯やパン、麺類など白いものが多いですよね。一般的に、このような精製された白い炭水化物は糖質が高い傾向にあるため、食後の血糖値を急激に上昇させてしまうことがわかっています。急な血糖値上昇は、インスリンという血糖値を下げるためのホルモンを過剰に分泌させ、血糖値の乱高下が起こります。これによって腸内環境が乱れ、腸内で悪玉菌が増える原因にもなり得るのです。
白米やパンを玄米や玄米パンに、また麺類を十割そばに代えるだけで、糖質を抑えて血糖値の上昇を穏やかにするだけでなく善玉菌のエサとなる食物繊維などの栄養も摂れ、一石二鳥です。
▼白い炭水化物と茶色い炭水化物についてはこちら
5.小麦粉→米粉のものへ
手軽に食べられるパンなど、小麦粉を使った食べもの。慌ただしい朝は特に選びがちですね。
実はこうした小麦製品に含まれるグルテンというタンパク質が消化の過程で腸壁を傷つけ、様々な不調を引き起こすことが論文などで示唆されています。
グルテンによって傷ついた腸壁に穴が開くと、そこから入り込んだ有害な物質や毒素などが血液やリンパ液に侵入して全身を巡ることによって便秘や下痢、肌荒れなど全身の様々な不調が引き起こされると考えられています。これをリーキーガット症候群と言います。
このような症状を防ぐためにも、腸活朝ごはんとして小麦粉製品は控えたいところ。小麦粉の代わりに米粉を使ったものがおすすめです。米粉パンは、もっちりとして腹持ちもいいですよ。
▼リーキーガット症候群についてはこちら
朝ごはんでそのまま食べられる腸活食品3選
ここからは忙しい朝に嬉しい、そのまま食べることができる腸活食材をご紹介します。
1.ヨーグルト
ヨーグルトはすでに朝の定番という方も多いのではないでしょうか。
乳酸菌やビフィズス菌などを含むヨーグルトは、毎日継続して食べることがおすすめです。
しかし、乳製品の摂りすぎはニキビなどの肌荒れを引き起こす原因になりやすいと考えられています。乳製品を摂りすぎていたり、お腹の調子が悪くなりやすいという方は、必要に応じて植物性のヨーグルトもおすすめします。
ヨーグルトでの腸活についてはこちら▼
2.納豆
納豆は定番の腸活食品。日々の継続が重要な腸活には、欠かせない食材です。
納豆菌は熱に強いのが特徴。熱々のごはんにかけたり、納豆トーストにして食べるのもおすすめです。
3.甘酒
忙しすぎる朝は、甘酒だけでも飲んでいきましょう。
甘酒は飲む点滴と呼ばれるほど栄養価も高く、生きた善玉菌を取り入れることができる優秀な食品です。
最近は飲みやすいものも多く販売されていますが、苦手な方はスムージーやココアに混ぜるのがおすすめ。自然な甘みでおいしく召し上がれます。
朝ごはんで腸活!作り置きできるレシピ3選
ここからは、作り置きができる簡単腸活朝ごはんレシピをご紹介します。
1.わかめのお味噌汁の味噌玉
発酵調味料の味噌と、善玉菌の餌になるわかめを使った定番のお味噌汁。
朝から鍋でお味噌汁を作るのは面倒…という方におすすめなのが味噌玉の活用です。
実は簡単に作れて、冷凍保存できる優れもの。ぜひ試してみてください。
〈材料〉味噌玉1個分
- ・味噌
- 大さじ1
- ・粒状だし
- 小さじ1
- ・乾燥わかめ
- 約2g
- ・細切りした油揚げ
- 約5g
- ・熱湯
- 約160cc
〈作り方〉
- 1.油揚げを熱湯で油抜きして、細切りにする
- 2.全ての材料をボウルに入れて混ぜ合わせる
- 3.ラップに包んで丸め、口を輪ゴムなどで縛る
- 4.チャック付きの保存袋に入れて冷凍保存
- 5.食べる際は味噌玉をお椀に入れ、熱湯をかけてよく混ぜる
※お好みで長ネギなどを入れるとより美味しく召し上がれます
2.カカオ米粉蒸しパン
材料を一気にボウルで混ぜて蒸すだけの、簡単ヘルシー蒸しパン。
所要時間は15分程度。米粉を使うことでもちもちした食感に仕上がります。
2日目以降も軽くチンすればホクホクの状態で召し上がれます。
- ・米粉
- 100g
- ・純ココア
- 大さじ2
- ・ベーキングパウダー
- 大さじ½
- ・きび砂糖
- 大さじ1〜
- ・甘糀
- 250ml
- ・米油
- 大さじ1と1/2
- ・卵
- 1個
※甘糀がない場合は豆乳で代用可能
〈作り方〉
- 1.米粉、純ココアをボウルにふるい入れ、ベーキングパウダー、きび砂糖を加えて混ぜ合わせる。
- 2.別のボウルに甘糀、米油、卵を入れてよく混ぜる。
- 3.1に2を少しずつ加え、ダマにならないように都度よく混ぜ合わせる。
- 4.アルミカップを敷いた容器に3を流し入れる。
- 5.鍋に容器の半分ほどの高さの量のお湯を沸かし、容器を鍋に入れ、鍋に布巾を掛け上から蓋をする。
- 6.中火〜強火で13分ほど蒸して完成
3.オートミールヨーグルト
前日の夜にヨーグルトにオートミールを混ぜておくだけの簡単レシピ。
オートミールは水溶性と不溶性、両方の食物繊維を豊富に含んでいる食材。水で膨らみ、満腹感も高めてくれます。ヨーグルトだけじゃ物足りないという方におすすめです。
〈材料〉
- ・ヨーグルト
- 100gc
- ・オートミール
- 40g
- ・お好みのフルーツやナッツ
- ・はつみつやきなこなどのトッピング
〈作り方〉
- 1.ヨーグルトとオートミールを入れて混ぜる。
- 2.フルーツやナッツを刻んで混ぜ合わせる。
- 3.保存容器に入れて、冷蔵庫で一晩寝かす。
- 4.お皿に盛り付け、はちみつやきなこなどをトッピング。
腸活目線で控えたい朝ごはん
腸活を考える上でも、しっかり食べたい朝ごはん。しかし、食べる物によっては逆効果になる可能性のものもあります。
せっかく食べるからには、腸内環境に良いものを口にしたいですよね。
ここからは、腸活目線の朝ごはんとしてなるべく控えたい食べ物について解説していきます。
グルテンが気になるパン
小麦粉に含まれるグルテンが腸に与える影響については先述の通りですが、それでもパンやパンケーキなどのメニューがどうしても食べたい!という時は、グルテンフリー製品を選んでみてはいかがでしょうか。
グルテンフリーとは、グルテンが含まれる小麦粉を使用しないことを指します。小麦粉の代わりに米粉や片栗粉、大豆粉などで代用した製品も多く売られています。
近頃は一般的なパン屋さんでも米粉パンが販売されていたり、スーパーに米粉のパンケーキミックスが並んでいたりと手に入れやすくなって、グルテンフリーが身近な存在に。
美味しさも満腹感も我慢せずに楽しめるグルテンフリー食品を、ぜひ試してみてください。
▼グルテンフリーについてはこちら
動物性脂肪の多いウインナーやベーコン
食べ応えのあるウインナーやベーコンも、腸活目線の朝ごはんとしてはなるべく控えたいもの。
動物性脂肪の多い肉や食品添加物が多く含まれる加工肉の食べ過ぎは、タンパク質の過剰摂取で腸への負担となり、消化吸収しきれなかったタンパク質が腸内で悪玉菌のエサとなってしまうこともあると考えられています。
朝ごはんには、大豆(納豆)やきのこなどの植物性タンパク質や焼き魚などで良質な脂肪源を取り入れるのがおすすめです。
白砂糖たっぷりのグラノーラ
一見、身体に良さそうなグラノーラですが、実はグラノーラには白砂糖がたっぷり含まれています。
精製された白砂糖は、急激な血糖値の上昇を引き起こしてしまうことがわかっています。
また、白砂糖は腸内で悪玉菌のエサとなって悪玉菌を増殖させ、腸内環境のバランスを崩す可能性も。
腸活メニューに甘味を加えたいときは、精製された白砂糖よりも天然の糖分や果物などから得られる自然のものを選ぶと良いでしょう。
メープルシロップやハチミツなどを使った白砂糖不使用グラノーラがおすすめです。
【朝ごはん以外】腸活目線で取り入れたい朝の習慣
ここまでは、腸活朝ごはんについてご紹介しました。ここからは、食事以外で取り入れたい朝の腸活習慣について解説していきます。
簡単なものばかりなので、ぜひ今日からやってみてくださいね。
起きたら1杯の水か白湯を飲む
私たちの身体は寝ている間は体温が低下し、内臓の働きもお休みモードになります。
目が冷めてまず1杯の水か白湯を飲むことで、夜間に空っぽになったお腹に水分が入り、臓器が刺激されて腸のぜん動運動を促す効果が期待できます。
白湯の場合は、冷えてしまった内臓を温めて胃腸の働きを活発にし、お休みモードから消化がしやすい活動モードの状態に切り替える効果も。
白湯の基本的な作り方は、水道水を10〜15分沸騰させ、50度程度まで冷ますというものです。これは水道水に含まれる残留塩素などの不純物を取り除くための煮沸なので、市販のミネラルウォーターを使用すれば煮沸の必要もなくさらに簡単。ウォーターサーバーがあれば、ボタン一つですぐに白湯が飲めますね。
煮沸を行う際に鉄瓶で沸かしたり鉄たまごを一緒に入れれば、同時に鉄分補給もできますよ。
朝日を浴びて深呼吸をする
朝日を浴びることも、身体を目覚めさせて活動モードにスイッチするために効果的な習慣。
私たちの身体に備わっている体内時計は、太陽の光の影響を受けて日々調整を繰り返していると考えられています。
朝日を浴びることによって体温やエネルギー消費が高まり、摂取した食事がより効率的にエネルギーとして利用されやすくなる仕組みです。
さらにリラックス効果のある深呼吸を行うことで、副交感神経が優位になって腸の働きを活発化させる効果もあるとされています。
目が覚めたら、カーテンを開けて朝日を浴びながらゆっくり深呼吸。毎朝のルーティーンにしてみてはいかがでしょうか。
決まった時間にトイレに座る
慌ただしい朝だから、便意がないからと朝のトイレをスキップしてしまう方もいらっしゃると思いますが、毎朝決まった時間にトイレに座ることは腸活においてとても大切な習慣。
規則正しい生活リズムを送っていると、排便のリズムも整いやすくなります。
夜更かしや寝坊を繰り返していると、腸の活動スイッチも遅れがち。朝の腸活は前日の夜から始まっていることを意識しましょう。
また、いくら決まった時間にトイレに座ったからといって、携帯や本を見ながら座るのは理想的と言えません。スムーズな便通を促すためには、腸から肛門までが直線になるような姿勢で座ることが大切です。
つま先を立てて膝が高くなるように腰掛け、腰を曲げて前傾姿勢になり、肘を膝につけるようにします。ロダンの「考える人」のポーズをイメージしながら行うと良いでしょう。
なかなか排便がないからと長時間いきむ必要はないので、5分程度を目安に座る習慣を心がけてみてくださいね。
朝ごはんも腸活メニューで健康的な1日をスタート!
腸活は一朝一夕ではいかないもの。
毎日継続していくためにも、まずは気軽にスタートできる朝ごはんから始めてみるのがいいかもしれません。
記事の監修
岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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