腸活に効果的な甘酒の選び方|健康と美容を考えたおすすめレシピ

今回は腸活に役立つ甘酒の効果や選び方、レシピなどを紹介します。
腸活の効果を高めるには選び方が大切です。ぜひ参考に選んでみてくださいね。
甘酒が腸活におすすめな理由

甘酒は善玉菌を多く含む発酵食品です。いわゆる「プロバイオティクス」にあたります。
さらに、腸内の善玉菌を増やすエサとなる「プレバイオティクス」としても働き、腸内環境のバランスを整える効果が期待できます。善玉菌のエサとなるのは、甘酒に含まれる食物繊維とオリゴ糖。
甘酒に含まれる難消化性のタンパク質「レジスタントプロテイン」は、水溶性食物繊維と同等の効果を発揮し、腸内環境を整える役割を担います。
よって、甘酒は腸活に効果的な飲み物として考えられています。
甘酒の効果

甘酒で期待できる効果について詳しくみていきましょう。
1.おなかの調子をととのえる

甘酒はゲンチオビオース・ラフィノースなど、さまざまなオリゴ糖が含まれています。
中でもイソマルトオリゴ糖はビフィズス菌や乳酸菌のエサになるとされていて、腸活には重要なサポート役。
そして甘酒は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維も豊富です。水溶性食物繊維も善玉菌のエサになり、不溶性食物繊維は便のかさを増して腸の蠕動運動を促すことから、スムーズな便通をサポート。
2.疲れを癒して元気な体に導く

甘酒にはエネルギー代謝に必要なビタミンB群(ビタミンB1・B2・B6・ナイアシン・葉酸)やアミノ酸が含まれており、疲労回復効果も期待できます。
甘酒に含まれるコウジ菌は栄養の消化吸収を助ける働きがあるため、免疫力の向上に役立ちます。
甘酒はブドウ糖も含まれているため、脳や神経のエネルギー源となって心身ともに疲労回復効果が見込めるでしょう。
3.きめ細かな肌に整える

酒粕甘酒に含まれているレジスタントプロテインが腸内環境を整えることで、美肌効果も期待できます。
酒粕甘酒を3週間、毎日摂取して肌の状態を調べた研究では、乱れていた肌のキメが細かく整っていたことが確認されました。(※1)
この研究ではレジスタントプロテインが腸内環境を整えることで、遊離アミノ酸(タンパク質を構成しないアミノ酸)が効率よく吸収されるためであると推測。
遊離アミノ酸とはコラーゲンの合成を高めるオルニチンや、コラーゲンを紫外線から守るシトルリンなどが挙げられます。
レジスタントプロテインは甘酒の種類に関わらず含まれているので、米麹甘酒でも摂取できますよ。
ただ、甘酒はお米を原料としているため、カロリーや糖質が高い飲み物です。美容を意識されているなら飲み過ぎには注意するようにしましょう。
腸活での美肌づくりについてはこちら▼
甘酒の種類は2種類

甘酒は大きく分けて「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」の2種類です。
味の違いはもちろんのこと、製造方法や材料なども異なります。「米麹甘酒」と「酒粕甘酒」それぞれの特徴を理解することで、甘酒が選びやすくなりますよ。
1.米麹甘酒

米麴甘酒は蒸した米に麹菌を加え、米麹を発酵させて作る甘酒。一般的には白米が使用されますが、玄米で作られた甘酒もあります。
麹の酵素がお米の甘さを引き出すため、砂糖を加えなくても自然な甘みが楽しめます。
中には米麴のみで作られた甘酒もありますが、スッキリしていて飲みやすいものを選ぶなら、原材料に米麴と米の記載があるものがおすすめ。
米麴甘酒はアルコールが含まれていないので、妊娠中の女性や小さなお子様が飲んでも安心です。
2.酒粕甘酒

日本酒を作った後に残る酒粕を水に溶かし、砂糖を加えて作るのが酒粕甘酒。
酒粕甘酒は酒粕から作られているため、アルコールが含まれています。そのため、独特なお酒の香りと深いコクが楽しめますが、アルコールが苦手な人はスッキリした味わいの米麴甘酒の方が飲みやすいかもしれません。
酒粕甘酒は砂糖が含まれるものがほとんどですが、米麹と酒粕をブレンドした砂糖不使用のものも販売されています。
腸活に役立つ甘酒の選び方

腸活を意識するなら選び方が重要です。
ここでは、腸活の効果を高める選び方について解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
1.腸活を意識するなら低精米の甘酒がおすすめ

しっかり精米してある甘酒は飲みやすいですが、精米すればするほど栄養価もそぎ取られてしまいます。
中でも善玉菌のエサとして働く食物繊維は、精米することで劇的に少なくなってしまうというデメリットが。
腸活を意識するなら精米歩合80~90%、あるいは100%の玄米から作られた甘酒がおすすめです。
2.添加物・精製糖などが入っているか確認する

甘酒を選ぶ際は添加物や精製糖などが入っていないか確認しておきましょう。
甘酒は原材料がシンプルなものほど自然な味が楽しめるのが魅力です。甘酒本来の味を楽しめる無添加のものがおすすめ。
また、精製糖は悪玉菌のエサになりやすいと考えられているため、腸活ではなるべく控えめにしてみましょう。
米麴甘酒は砂糖不使用でも自然な甘さが感じられ、酒粕甘酒と呼ばれるものの中には米麴とブレンドして甘味を引き出すものもあります。
腸活に役立てるなら、精製糖が使われてないものを選ぶようにしましょう。
甘酒の開封後は保存方法に注意

甘酒は酸化しやすく、劣化しやすいため、開封後は冷蔵庫で保存して1週間以内に飲み切るのがベスト。火入れ(加熱処理)されていない生甘酒なら、3日以内に飲み切るようにしましょう。
未開封であれば冷暗所で保管できます。
甘酒は劣化しやすいので、保存期間に注意しながら飲んでくださいね。
腸活におすすめの甘酒レシピ

腸活のために毎日甘酒を飲みたいと思っても、味に飽きてしまうこともあるでしょう。
ここでは、腸活におすすめのレシピを紹介します。飽きずに継続したいという人は、参考にしてみてくださいね。
腸活に効果的なレシピ集はこちら▼
1.甘酒ベリーミックスヨーグルト

乳酸菌やビフィズス菌が含まれるヨーグルトと、食物繊維が豊富なブルーベリーで甘酒をアレンジ。
ブルーベリーは善玉菌を増やすといわれるポリフェノールも含まれているため、腸活に役立つ食材です。
<材料>
・ヨーグルト 100g
・米麴甘酒 100~150g
・ブルーベリー 5~10粒
<作り方>
1.すべての食材を容器に入れ、ブレンダーで混ぜ合わせたらできあがり。
2.リンゴやクランベリーなど、お好みのフルーツに変えてもよいでしょう。
ヨーグルトでの腸活についてはこちら▼
2.甘酒とかぼちゃのポタージュ

かぼちゃは不溶性・水溶性食物繊維がバランスよく含まれている食材。
甘酒と同様にオリゴ糖を多く含むたまねぎも加え、善玉菌のエサになる栄養素をふんだんに投入した腸活に役立つポタージュです。
<材料> 【3~4人分】
・かぼちゃ 1/4個
・たまねぎ 1個
・米麴甘酒 150ml
・水 300ml
・無調整豆乳 100ml
・粉末コンソメ 小さじ2杯
・パセリ(生でも乾燥でも可) お好みで
<作り方>
1.かぼちゃのわたを取り、小さくカットして電子レンジでやわらかくなるまで加熱。(600Wで約7~8分)
2.たまねぎを薄切りにしてオリーブオイルで炒める。
3.火が通ったら水とコンソメを入れて弱火で煮詰める。
4.粗熱がとれたらかぼちゃ・甘酒・豆乳と一緒にミキサーにかける。
5.鍋に戻して温め直してから皿に盛り、お好みでパセリをふりかけたら完成。
腸活スープレシピについてはこちら▼
3.豚バラの甘酒キムチ鍋

乳酸菌や食物繊維が豊富なキムチを使ったコクのあるキムチ鍋は、夕食で食べるのがおすすめ。辛い物を食べると深部体温が下がりやすくなり、寝つきをよくする効果も期待できます。
腸活は寝つきをスムーズにし、睡眠の質を良くすることも重要です。
<材料>【3~4人分】
・キムチ 300g
・長ネギ 2本
・にら 1束
・えのき 1束
・もやし 1袋
・豚バラ肉 200g
・豆腐(木綿・絹どちらでも可) 1丁
・生姜 薄切り3枚ぐらい
・水 1L
・甘酒 300ml
・みそ 大さじ4杯
・ごま油 大さじ1杯
<作り方>
1.長ネギは厚めの斜め切り・にらは4cm幅ぐらいにカット・えのきは洗わずに1/2か1/3にカット・豚肉は食べやすい大きさにカット・もやしは洗って水を切る。(もやしの臭みが苦手な人はかるく茹でこぼしておく)
2.鍋に水を入れて沸騰させ、薄切りにした生姜と豚肉を入れて、アクを取りながら肉に火が通るまで中火で煮る。
3.肉に火が通ったら長ネギ・えのきを入れて、甘酒とみそを溶かし、野菜に火が通るまでアクをとりながら煮る。
4.野菜に火が通ったらもやし・にら・キムチを入れて混ぜ、サッと火を通す。
5.仕上げにごま油をかけたら完成。
腸活に役立つキムチの選び方についてはこちら▼
腸活に甘酒を取り入れておいしく健やかに

甘酒は江戸時代中期ごろから、夏バテ予防の一環として親しまれてきた飲み物です。善玉菌を多く含み腸活にもぴったりなうえ、栄養豊富で美容や疲労回復の観点からも優秀な飲み物。
甘酒を腸活に取り入れて、健康的な身体を目指しましょう。
【参考文献】
※1 渡辺敏郎 健康と美容に貢献する「酒粕」の成分
記事の監修

岡山大学歯学部を卒業後、都内医療法人の理事長(任期4年3ヶ月)を務める。クリニック経営を任されながらも、2,500名以上の慢性疾患に対する根本治療を目指した生活習慣改善指導などを行う。
医療法人時代の日本最先端の研究者チームとのマイクロバイオーム研究や、菌を取り入れることによって体質改善した原体験をきっかけに菌による根本治療の可能性を感じ、2018年12月に株式会社KINSを創立。2023年8月にシンガポールにて尋常性ざ瘡(ニキビ)に特化したクリニックを開院。
INSTAGRAM : @yutaka411985 , @yourkins_official
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